糖質制限とフルマラソン その2

以前の投稿「糖質制限とフルマラソン」では、質問に答えるという形式の投稿でしたが、糖質制限がフルマラソンに非常に有利だという研究を見つけましたので、ご紹介します。

なんと、糖質制限をすると最大脂肪燃焼率の平均が糖質制限をしていない人の2.3倍、脂肪と糖質の割合も、これまでの古いデータでは半分半分のようなことが言われていましたが、糖質制限をしていると実際には脂肪が88%、糖質制限をしていない人では脂肪が56%、エネルギーとして使われるようです。

圧倒的に糖質制限者の方が有利なんですね。グリコーゲンの枯渇なんて心配なしです。(糖質制限しなくても通常では枯渇しないとは思いますが)

しかも、糖質制限をしていても実際には糖質制限をしていない人と変わらない筋肉のグリコーゲンを持っているし、運動後の筋肉のグリコーゲンの回復も糖質を摂っていないにも関わらず、糖質制限をしていない人と変わらない量を合成できるそうです。

人間の体は素晴らしいですね。というか、本来は糖質をたっぷり摂れることが非日常だったわけで、糖質を摂らなくても、いざというときに使うグリコーゲンが最優先で筋肉に合成されるんだと思います。

もう、迷わずフルマラソンには糖質制限ですね!

 

下の記事はリンクデダイエットのニュースからの抜粋です。

 

糖質制限した持久的アスリートは驚くべき脂肪燃焼者になる!?

2015.11.27

最小限の炭水化物に制限した食事で、選手の健康と能力が改善されるという、米国オハイオ州立大学からの研究報告。

低炭水化物食の選手は、最大負荷運動時および長時間運動時に、高炭水化物食の選手に比べ、2倍の脂肪を燃焼したという。

本研究は、低炭水化物食を習慣とする一流選手を初めて調べたものである。50キロ(31マイル)以上を走る競技の一流持久走者 (21~45歳) 20人が参加した。

「最大脂肪燃焼とトレッドミルを3時間実施したときの脂肪燃焼量が、低炭水化物食の選手は、高炭水化物食の選手よりも大幅に高かった」とジェフ・ヴォレク教授は述べている。「これは、スポーツ栄養のパラダイムシフトである。炭水化物中心だったここ40年間を再検討する必要がある。」

低炭水化物食の選手10人は炭水化物10%、たんぱく質19%、脂肪70%の食事をした。高炭水化物食の選手10人は炭水化物59%、たんぱく質14%、脂肪25%の割合で、炭水化物から半分以上のカロリーを得た。

選手は、他の点(選手のレベル、年齢、能力、トレーニング歴、最大酸素容量)では類似していた。

炭水化物燃焼率、脂肪燃焼率を求めるため選手の最大酸素摂取量を決めるのに、繰り返しガス交換量を測定した。最大脂肪燃焼率の平均値について、低炭水化物食の選手(毎分1.5g)は、高炭水化物食の選手(毎分0.67g)よりも2.3倍高かった。

ヴォレク教授は、身体能力と回復を強化する食事に興味を持ち、肥満と糖尿病との関連において、低炭水化物食の効果、特にケト原性食を研究してきた。ケト原性食は、燃料の主な供給源が貯蔵脂肪になるように、炭水化物を少なくした食事である。炭水化物を減らして脂肪摂取量を増やすと、脂肪はケトンに変換される。 ケトンは、体全体で使われる分子であり、特に脳ではグルコースの代わりに使われる。

完全にケトン食に順応するため、少なくとも6か月間(平均は20か月)、炭水化物を制限していた低炭水化物食の選手のみ対象とした。

「目標は、標準化運動負荷試験での代謝反応を特徴づけることであった」とヴォレク教授は述べている。「長期的に低炭水化物食にして、脂肪に順応してきた選手を調査するのは、今回が初めてである。」

2日間で、短時間の高負荷トレーニングでの最大脂肪燃焼、長時間運動時の代謝特性を測定した。

初日は、トレッドミルで走り、最大酸素摂取量と最大脂肪燃焼率を測定した。 2日目は、最大酸素摂取量(VO2max)の64%の状態にして3時間トレッドミルで走った。試験中、水は飲んだが、栄養は摂取しなかった。 実行前に、それぞれ低炭水化物栄養または高炭水化物栄養を約340キロカロリーのシェイクで摂取した。

持久走中に、2グループは、酸素消費量、自覚的運動強度、消費カロリーに有意差はなかった。しかし、長時間運動時の脂肪燃焼率は、低炭水化物グループが高炭水化物グループの約2倍で、運動中の脂肪の平均寄与度は、低炭水化物グループで88%、高炭水化物グループで56%だった。

「低炭水化物食の作用は、遺伝やトレーニングを超えるものだ」とヴォレク教授は語っている。 「高炭水化物食の選手は、従来の基準では『素晴らしい脂肪燃焼者』であったが、脂肪燃焼の程度は、最大でも低炭水化物食の選手の半分以下である。これまでは、人間の脂肪燃焼を過小評価してきたということなのである。炭水化物が制限されているときにのみ利用できる大きな余力があるのにもかかわらず。」

炭水化物の摂取量が低いにもかかわらず、脂肪を燃焼している選手の筋グリコーゲン(安静時の炭水化物の貯蔵形態)は、通常レベルであることも今回発見した。長時間走る間、高炭水化物食の選手と比べて、ほぼ同じレベルのグリコーゲンを分解し、回復時に、同じ筋グリコーゲン量を合成したという。

筋グリコーゲンは、激しい運動時のエネルギーをサポートする重要なエネルギー源であることが、1960年代に発見された。これは、高炭水化物食を重視されていたここ数十年に導かれたことである。だが、食事で炭水化物が制限されていても、グリコーゲンレベルをサポートするシステムがあるのだ。

「”脂肪つまりケト適応”は遺伝コードにはあっても、炭水化物中心の従来の”健康”食がこの代替の代謝系が働かないようにしていたのである」とヴォレク教授は述べている。

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