2型糖尿病に対する糖質制限の長期的効果 2年間でも圧倒的! その2

前回は2型糖尿病に対する糖質制限の2年間という長期の効果を示す研究について一部を書きました。今回は「その1」の続きです。
(図は原文より、原文より作成したものもあり)

上の図は非アルコール性脂肪肝を判別するスコアです。-0.640を境に、それ以下のスコアの患者では非アルコール性脂肪肝が除外され、それ以上のスコアの患者では非アルコール性脂肪肝と診断されます。どちらの群もまだプラスの値ですが、糖質制限群では劇的にスコアが改善してきています。

上の図は非アルコール性脂肪肝が進行し、肝臓が線維化してきているかどうかを判別するためのスコアです。-1.455未満では、有意な線維化がないことを予測します。これもどちらの群もまだ、-1以下になっていませんが、糖質制限群は大きく改善しています。

上の図は、Aがメトホルミンを除く、糖尿病薬を服用している人の割合。Bがベースラインと2年後のインスリン使用量。Cは糖尿病薬の種類による処方された投与量および使用の変更の頻度です。そうすると、AとBの黒いバーは糖質制限群を示しており、Aでは糖尿病薬の使用者は半分以下になり、Bが示すようにインスリン使用量も80%以上激減しています。白いバーは通常治療群ですが、糖尿病薬もインスリン量も変化していないかやや増加傾向に見えます。

そしてCでは、上のグラフが糖質制限、下が通常治療です。色分けはピンクが新規処方、黄色が増量、グレーは変化なし、ブルーは減量、紺色は処方終了を表しています。薬の種類は左から順にスルホニルウレア製剤、インスリン、SGLT-2、チアゾリジン薬、DPP-4阻害薬、GLP-1受容体作動薬、メトホルミンです。

そうすると、糖質制限群では100%スルホニルウレア製剤を止めることができています。約60%でインスリンを中止できています。60%もインスリンを中止できるなんて通常の治療ではありえません。それ以外の薬も止めることができた割合が結構あります。しかし、通常治療群では中止できた割合は非常に少ないことがわかりますし、さらに新規処方や増量が多いこともわかります。

糖尿病の逆転の定義を、メトホルミン以外の薬物療法を伴わない、前糖尿病性高血糖症および正常血糖(6.5%未満のHbA1c)としています。また、部分寛解は投薬なしで少なくとも1年間の糖尿病以下の高血糖症、5.7〜6.5%のHbA1c(2回のHbA1c測定)、完全寛解は投薬なしで少なくとも1年間の正常血糖、5.7%未満のHbA1cとしています。

この研究で2年間で、糖質制限群で糖尿病の逆転が53.5%、部分と完全を合わせた寛解は17.6%、完全寛解は6.7%に起こりました。すごい!一方通常治療群では糖尿病の逆転はなく、寛解は2.4%に過ぎず、完全寛解は0%でした。残念!

それ以外にも糖質制限群では血圧の減少、中性脂肪の低下、白血球やCRPの低下なども認められました。

これでも日本では、2型糖尿病の治療は通常治療を押し通しています。今回の研究は恐らく少し緩めの糖質制限だったと思います。しっかり糖質制限をすれば非常に多くの人が逆転、寛解しますし、薬の量も激減できます。糖質制限をやらない理由が見当たりません。

「Long-Term Effects of a Novel Continuous Remote Care Intervention Including Nutritional Ketosis for the Management of Type 2 Diabetes: A 2-Year Non-randomized Clinical Trial」

「2型糖尿病の管理のための栄養的ケトーシスを含む新しい継続的リモートケア介入の長期効果:2年間の無作為化されていない臨床試験」(原文はここ

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