高血圧患者における尿中ナトリウム排泄と心筋梗塞

高血圧には塩分制限、というウソがまかり通ってしまっています。そうは言っても、多くの人は、本気で塩分制限はしていないかもしれません。

今回の研究では、3~4週間以上投薬を受けていない軽症および中等症高血圧患者2937人を対象に、24時間尿中ナトリウム、カリウム、クレアチニン排泄量および血漿レニン活性(PRA)を測定し、その後の心血管疾患との関連を調べました。尿中ナトリウム排泄量で4つのグループに分けました。尿中ナトリウム排泄量の少ない患者は痩せており、カリウム排泄量が少なく、PRAが高くなっていました。

平均3.8年間の追跡調査中に、55件の心筋梗塞(MI)が発生しましたが、女性では9件しかなく、女性では関連がわかりませんでした。男性だけで見ると、次の図のようになりました。(図は原文より)

上の図は高血圧男性における1000人年あたりの心筋梗塞発生率です。ベースライン時の24時間尿中ナトリウム排泄量により4つのグループに分けたとき、最も尿中ナトリウム排泄が多いグループと比較して、最も少ないグループの心筋梗塞発生リスクは4.3倍でした。

医療業界の塩分制限の狙いは、きっとここにあるのでしょうね。

以前の記事「糖尿病での塩分制限は血栓をもたらすかもしれない」で書いたように、2型糖尿病の人では、24時間尿中ナトリウム排泄が最も少ない群で凝固促進性血小板由来の小胞が最も多く、ナトリウム摂取量が少ない(塩分制限をする)と凝固系が活性化し、心血管疾患、血栓症のリスクと大きくなる可能性があります。

塩分制限が健康的だと信じて、本気で実践してしまうと、不健康になってしまいます。

塩分やコレステロールによって儲けている業界は、壮大なウソの上で成り立っています。

本当であれば、あなたの性能の良い腎臓は、あなたが何も考えなくても勝手にナトリウム、塩分を調整してくれるはずです。しかし、それがうまくいかない場合は、あなたの食事が悪いのです。それは塩分過剰の食事ではなく、糖質過剰の食事なのです。

「Urinary sodium excretion and myocardial infarction in hypertensive patients: a prospective cohort study」

「高血圧患者における尿中ナトリウム排泄と心筋梗塞:前向きコホート研究」(原文はここ

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