糖尿病では動脈硬化が合併してることが多く、塩分制限を推奨されているかもしれません。しかし、塩分制限は本当に有益でしょうか?以前の記事「糖尿病での塩分制限は心血管疾患による死亡率を高くするかもしれない」で書いたように、糖尿病で塩分制限をすることで心血管疾患による死亡率が高くなる可能性があります。
では、どうして塩分制限によって心血管疾患の死亡率が上がるのでしょうか?そこには一つの原因として、新型コロナウイルスの病態でもメインとなる血栓症が関連していると思われます。
細胞は非常に小さな小胞(細胞外小胞)を細胞外へと分泌し、生理学的ならびに病理学的なプロセスに重要な役割を果たしていると言われています。初めて細胞外小胞が発見されたのは 1940~60年代で、血中に血小板由来の小胞(血小板ダスト)が血液凝固を促進することが報告されました。(その論文はここ)血小板由来の細胞外小胞が最も多いと言われています。
また、血小板由来の小胞が糖尿病などの心血管リスク因子の存在下でより高く、アテローム性動脈硬化症、血栓形成などに寄与することが知られています。
アテローム性動脈硬化症の人では血小板由来の小胞が過剰に増加し、内膜と中膜の複合体の厚さ(IMT)の増加と血小板由来の小胞の増加の関連も認められています。急性心筋梗塞でも血小板由来の小胞の増加が認められ、心筋梗塞後もしばらく増加が持続し、凝固活性化と関係しています。
血小板由来の小胞の増加は、急性肺塞栓症や深部静脈血栓症(DVT)などの他の血栓性疾患でも認められています。
そして、血小板由来の小胞と塩分制限の関係について、ある研究では、2型糖尿病の人の循環している細胞外小胞を測定し、24時間の尿中ナトリウム排泄量との関係を調べました。そうしたところ、24時間尿中ナトリウム排泄が最も少ない群で凝固促進性血小板由来の小胞が最も多いことがわかりました。つまり、ナトリウム摂取量が少ない(塩分制限をする)と凝固促進性血小板由来の小胞が多くなります。
血小板由来の小胞の凝固能力は活性化血小板よりも50〜100倍高いことが示唆されています。(この論文参照)
糖尿病では細胞外小胞が増加しており、さらに塩分制限で凝固活性の高い血小板由来の小胞が増加します。血小板由来の小胞の増加は心血管疾患、血栓症のリスクと大きく関連しています。
新型コロナウイルス感染だけでなく、通常でも糖尿病の塩分制限は血栓症を促進し、有害である可能性があるのです。
糖質制限をすれば塩分制限は全く必要ないでしょう。
糖質過剰症候群
「The relationship between habitual dietary sodium intake and RAAS blockade on circulating microparticle levels in type two diabetes」
「2型糖尿病の循環微粒子レベルにおける習慣的食事性ナトリウム摂取量とRAAS遮断の間の関係」(原文はここ)
「Platelet-Derived Microvesicles in Cardiovascular Diseases」
「心血管疾患における血小板由来微小胞」(原文はここ)
医師や管理栄養士などの専門家のアドバイスを忠実に守っているのに(忠実だからこそ)
糖尿病や脳梗塞、心筋梗塞などの生活習慣病や果ては認知症などになるのは、報われないですね。
食事は糖質・脂質・たんぱく質をバランス良く摂る事が大事です、塩分制限は必須です、などどいまだに根拠なく断言している「健康情報」あふれています。
なにを目指しているのでしょうか。
鈴木 武彦さん、コメントありがとうございます。
今回の新型コロナウイルス騒動で専門家と言われる人の話が信用できなくなった人も多いのではないでしょうか?
情報は自分で集めて、自分で判断すべきだと思います。