眼瞼下垂も糖質過剰症候群

まぶたが下がってしまい、瞳孔の上まで充分に上げられない状態である眼瞼下垂の中で、後天的に眼瞼下垂が起きるのは、一部の疾患の症状を除いて、加齢性の変化と考えられています。治療は通常手術を行います。

しかし、眼瞼下垂を起こす人を調べてみると、糖質過剰との関係が明らかになってきます。

今回の研究では、眼瞼下垂をきたしている人と、コントロールで比較をしています。どちらの群の参加者も空腹時血糖は正常な人です。全員に血液検査と経口ブドウ糖負荷試験を行って分析しました。(図は原文より)

上の図は、眼瞼下垂の人と、コントロール群でのグルコースの代謝、インスリン抵抗性などの状況を示しています。グルコース代謝はOGTTの2時間値で評価をしています。

NGM-IRはインスリン抵抗性(IR)のない正常なグルコース代謝(NGM)です。NGM + IRはインスリン抵抗性のある正常なグルコース代謝です。IGT+IRはOGTT2時間値での耐糖能障害+インスリン抵抗性です。 NDDM+IRはインスリン抵抗性のある新たに診断された糖尿病です。

表の上から人数(%)、空腹時血糖値、空腹時インスリン値、OGTT2時間血糖値、OGTT2時間インスリン値、HOMA指数(インスリン抵抗性の指標)です。

そうすると、眼瞼下垂がある人の78%はインスリン抵抗性が存在しています。56%はOGTT2時間値が異常値を示しています。つまり食後高血糖が起きていると考えられます。22%は新たに糖尿病と診断されました。

糖質過剰摂取により、血糖値スパイク、高インスリン血症が起き、酸化ストレスの増大、微小血管や末梢神経の障害が起き、筋肉や腱にもAGEsの蓄積が起きるなど、様々な有害なことがあります。それによりまぶたを上げ下げする筋肉(上眼瞼挙筋)の腱が伸びたりゆるんだりしてしまったり、筋肉の力が低下して眼瞼下垂となってしまうと考えられます。もちろん加齢性変化でもありますが、糖質過剰摂取により、その加齢性の変化を促進したり、増強したりすると考えられます。

命にかかわることではありませんが、糖質制限をすればいつまでもパッチリと目が開ける可能性が高くなると思います。これまで何でも加齢性という言葉で済まされてきた疾患の多くは、恐らくは糖質過剰症候群だと思います。

逆に考えると、眼瞼下垂が起きてくるのはインスリン抵抗性や耐糖能異常のサインかもしれません。他の糖質過剰症候群の症状が現れる前に糖質制限をした方が良いでしょう。

「Glucose metabolism in the idiopathic blepharoptosis: Utility of the Oral Glucose Tolerance Test (OGTT) and of the Insulin Resistance Index」

「特発性眼瞼下垂におけるグルコース代謝:経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)およびインスリン抵抗性指数の有用性」(原文はここ

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