肥満関連がんはより若い年齢層にシフトしている

肥満に関連するがんとして13のがんが知られています。以前の記事「過体重、肥満関連のがんが40%を占める」でも書いたように、その13種類は髄膜腫、多発性骨髄腫、食道腺癌、甲状腺、閉経後の乳房、胆嚢、胃、肝臓、膵臓、腎臓、卵巣、子宮および結腸および直腸(結腸直腸)です。

2014年に診断されたすべてのがんの40%は、過体重および肥満関連のがんで、男性で24%、女性で55%でした。子宮内膜がん、卵巣がんおよび閉経後の女性乳がんは、2014年の新規の過体重および肥満関連がんの42%を占めています。

そして、今回の論文ではアメリカで、その肥満がんがより若い年齢層にシフトしているという結果を示しています。(図は原文より)

上の図は男性(上)と女性(下)の人種による、肥満関連がんと非肥満関連がんの10万人あたりの発生率と実際の発生数を示しています。

Aは非ヒスパニック系白人の肥満関連がん、Bは非ヒスパニック系白人の非肥満関連がん、Cは非ヒスパニック系黒人の肥満関連がん、Dは非ヒスパニック系黒人の肥満関連がん、Eはヒスパニック系の肥満関連がん、Fはヒスパニック系の非肥満関連がん、です。アジア系は含まれていません。

すべての年齢層およびすべての人種/民族および性別の年齢層全体で、肥満関連がん症例の絶対数の増加率は、非ヒスパニック系白人女性の7.7%からヒスパニック系男性の123.4%の範囲でした。非肥満関連がんの範囲は、非ヒスパニック系白人男性の1.9%からヒスパニック系女性の70.1%であり、非肥満関連がんよりも肥満関連がんの方が大きく増加していることを示しています。

肥満関連がんの絶対数の最大の増加は、50〜64歳の年齢層で発生し、非ヒスパニック系白人女性の25.3%からヒスパニック系男性の197.8%の範囲でした。対照的に、非肥満関連がんの場合、同じ年齢層の絶対症例数の変化率は、非ヒスパニック系白人男性の9.7%からヒスパニック系女性の96.7%の範囲でした。

非ヒスパニック系白人男性では、50歳から64歳では肝臓がん、甲状腺がん、および胆嚢がんが最も増加しました(肝臓が200.6%、甲状腺が157.2%、胆嚢が89.7%)。65歳以上では、甲状腺がん(168.4%)と黒色腫(128.2%)で最大の増加を認めました。50歳未満では、甲状腺がん(62.1%)、腎臓がん(48.1%)、および大腸がん(4.8%)の増加を認めました。

非ヒスパニック系黒人男性の場合、胆嚢を含む複数のがんの50〜64歳および65歳以上の人の症例数は2倍を超えました。(50~64歳で288.9%、65歳以上で207.4%)、肝臓(50~64歳で227.3%、65歳以上で229.0%)、甲状腺(50~64歳で172.4%、65歳以上で206.7%)、および腎臓がん(50~60歳で125.3%、65歳以上で113.1%)。骨髄腫の症例数は98%以上増加しましたが、高齢者のみでした。20歳から49歳の間で、甲状腺がんと腎臓がん、およびこの年齢層で最も増加した骨髄腫の増加が観察されました。

非ヒスパニック系白人女性では、50〜64歳の年齢層(甲状腺がん、肝臓がん、黒色腫、腎臓がん)で症例数の最大の増加が確認されました。甲状腺がんと黒色腫の同様の増加は、最も高齢の年齢層で観察されました。非ヒスパニック系黒人女性では、肝臓がん、甲状腺がん、子宮がんを含むいくつかのがんは、50〜64歳と65歳以上の両方の年齢層で2倍または3倍以上の増加が観察されました。同様に、胆嚢、膵臓、および胃がんの症例数は2倍以上になりました。

ヒスパニック系男性では、甲状腺がんの症例数は20歳から49歳の年齢層で179.5%増加し、高齢の年齢層では300%以上増加しました。同様に、肝臓がんの症例数は、50〜64歳の年齢層では350%以上増加しましたが、最も高齢の年齢層では200%弱増加しました。腎臓がんの症例数は、すべての年齢層で200%以上増加しました。口腔や咽頭、結腸直腸、脳、胃など、他のいくつかの癌でも同様の増加が観察されました。ただし、全体として、50〜64歳の年齢グループですべての肥満関連がんを組み合わせた場合に最大の増加が見られました(197.8%対最最も若い年齢層93.9%、最も高齢の年齢層91.0%)。

ヒスパニック系女性では、50歳から64歳の年齢層で甲状腺がんの症例数が約400%増加しました。黒色腫、腎臓、子宮、および膵臓がんの症例数は200%以上の増加し、肝臓および脳のがんと骨髄腫の場合、150〜200%増加しました。腎臓がん、甲状腺がん、膵臓がん、子宮がん、骨髄腫など、20歳から49歳の年齢層では、いくつかのがんの発生件数も増加しました。65歳以上の年齢層では、甲状腺がんと黒色腫で最大の増加が認められました。

人種による差はありますが、肥満関連がんに関しては、65歳以上の発生率が低下した一方で、50~64歳の年齢層では増加しています。そして、20歳から49歳の人では、がんの絶対数が増加し、その多くは肥満関連がんでした。高齢の年齢層でも絶対数は増加しているのですが、それより若い50~64歳の年齢層での増加率が非常に著しく、がんの種類によっては50歳未満の年齢層でも非常に増加しています。。

以前の記事「米国の若年成人における肥満関連がんの割合の急激な増加」でも書いたように、若い世代のいくつかのがんがかなり増加しています。寿命が延びて高齢者が増えたからがんが増加したという人もいますが、実際には若い世代でがんの発生が増加しているのです。

肥満関連がんは体重増加によって起きるというよりは、体重が増加する食事により起きていると考えています。つまり糖質過剰摂取です。「糖質過剰症候群」でも書いたように、糖質過剰摂取による高インスリン血症、高IGF-1血症ががんを促進すると考えられます。若いから大丈夫ではありません。太ってないから大丈夫ではありません。すぐに糖質過剰摂取をやめるべきだと思います。

「Changes in Age Distribution of Obesity-Associated Cancers」

「肥満関連がんの年齢分布の変化」(原文はここ

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