カロリー制限は寿命を延ばすという研究が行われ、カロリー制限食は健康を向上させ、寿命を延ばす効果があるという結果になりました。これまでも言われていたのですが、異なる結果も出ており、今回決着となったということです。いわゆるサーチュイン遺伝子が関係しているのでしょう。
しかし、考えてみると、どうしたらいいのかよくわかりません。栄養不足にならない適度なカロリー制限ってどうやったらできるのでしょうか?そもそも、必要な栄養やエネルギーは個人個人で異なるものです。そして、どれぐらいが適度な制限かはわかりません。研究では3割減らしたものと、好きなだけ食べるというものを比べています。そもそも好きなだけ食べるというのは適切な量なのでしょうか?過剰摂取になっているのではないでしょうか?過剰摂取量の3割減ではあまり意味がないように思えます。生き物は非常に適応能力があるので、摂取エネルギーを減らせば、活動量が減るかもしれません。
糖尿病で病院の指導で食事制限をしている人はほとんど栄養不足です。一般の人では栄養が足りてるかどうかなんてわかるはずがありません。しかも、カロリー制限というのは非常に曖昧です。摂取したものの内何が制限されたから寿命が延びるのでしょうか?摂取カロリーさえ減らせばいいのでしょうか?恐らく違います。いわゆる3大栄養素のどれかを制限すれば良いと思います。空腹感が良いのか、実際のエネルギー不足が良いのか、糖質制限が良いのか、脂質制限が良いのか、はたまたタンパク制限が良いのかなどもはっきりしません。
もちろん私が言いたいのは、糖質制限で恐らく寿命が延びるのではないかと思っています。しかし、まだ古臭いカロリーという言葉で研究をしているのはちょっと驚いてしまいます。研究の内容を読んでいないのでよくわかりませんが、この結果をどう扱えばいいのかもわかりません。またダイエット番組に悪用されるだけの結果です。
ダイエット実験でサル寿命延びる 論争に決着、米チーム研究発表
2017.1.18 道新ウェブより
カロリーが適度に少ない食事をサルに長期間与えると、健康を向上させて寿命を延ばす効果がみられたとする研究結果を、米国立加齢研究所とウィスコンシン大の共同チームが17日付の英科学誌に発表した。「人でも同じ効果があるのではないか」とみている。
栄養不足にならない適度なダイエットで寿命が延びるかどうかは長年の論争の的だった。国立加齢研究所とウィスコンシン大はサルを使った研究で、2009年と12年にそれぞれ異なる結果を示していたが、互いのデータを分析した結果「寿命を延ばす効果あり」と結論を出した。
若いサルより高年齢のサルの方がカロリー制限による効果が高かった。
カロリー制限、やっぱり長寿に効果 論争に終止符か
1/18(水) 朝日新聞デジタル より
カロリー制限はやはり長寿に効果がある、とする研究結果を米国の二つの研究チームがまとめ、17日付の英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに発表した。両チームは1980年代後半からアカゲザルで実験を続け、効果をめぐって相反する結果を発表。両チームが共同で実験データを再解析し、「効果あり」で結論が一致したという。
二つの研究チームは米国のウィスコンシン大学と国立加齢研究所。いずれも、好きなだけ食べさせる集団と、それよりも摂取カロリー量を3割減らした集団で生存年数などを比較する実験をしているが、大学は2009年と14年に「効果あり」、研究所は12年に「効果はなかった」と発表していた。
今回、両チームで15年7月までの互いの実験を比べると、カロリー制限を始めた年齢が大学は大人の7~15歳なのに対し、研究所は1~23歳と幅広かった。このため、研究所のデータについて、実験開始時の年齢を若年(1~14歳)と中高年(16~23歳)に分けて改めて解析すると、若年でカロリー制限を始めた場合は寿命が延びる効果はみられなかったが、中高年で始めた場合は効果がみられ、特にオスは平均寿命の推計が全体よりも9歳ほど長い約35歳だったという。
また、両チームの解剖データを調べたところ、開始年齢や性別にかかわらず、カロリー制限をしたグループのほうが、がんの発生率が15~20%ほど低かった。糖尿病や脳卒中など加齢に伴う病気も、より遅く発症していた。
東京都健康長寿医療センター研究所の石神昭人研究部長(老化制御)は「論争に一つの終止符が打たれた。約30年に及ぶカロリー制限の研究データは、人間にも置き換えることができそうだ」と話す。