糖尿病予備軍は当然将来的に2型糖尿病、慢性腎臓病や心血管疾患などを発症するリスクが高くなります。アメリカの若者の2型糖尿病の有病率はどんどん増加しています。ではどのくらい糖尿病予備軍がいるのでしょうか?
今回の研究では青年(12~18歳)、若年成人(19~34歳)5,786人における空腹時血糖障害(IFG)、耐糖能異常(IGT)の有病率およびHbA1c値を調べました。
糖尿病予備軍としてIFGは、空腹時血糖値100mg/dL~126mg/dL未満、IGTとしてOGTT2時間血糖値140mg/dL~200mg/dL未満、およびHbA1cの増加(5.7~6.4%)としました。
結果は青年では、糖尿病予備軍の有病率は18.0%であり、若年成人では24.0%でした。糖尿病予備軍の割合が最も高いのはIFGで、青年では11.1%、若年成人では15.8%でした。女性よりも男性で有意に高く、青年で22.5%対13.4%、若年成人で29.1%対18.8%でした。肥満の人の方が体重が正常な人よりも有意に高く、青年で25.7%対16.4%、若年成人で36.9%対16.6%でした。耐糖能が正常な人と比較して、糖尿病予備軍の青年および若年成人は、非HDLコレステロール値、収縮期血圧、腹部肥満の増加およびインスリン感受性の低下が有意な結果でした。
つまり、アメリカでは12~18歳の青年に約5分の1、19~34歳の若年成人の約4分の1はすでに糖尿病予備軍になってしまっているのです。
これはアメリカだけのことではないでしょう。世界中で似たような傾向だと思います。日本では肥満は少ないですが、もともとインスリン分泌能が低い人種なので、恐らく糖尿病予備軍は非常に多いと思われます。ただ検査していないだけです。OGTT2時間値が140を超える人はかなりの割合になるでしょう。
話はちょっと違いますが、最近、プラスチックごみを減らすために、食べられる食器が広がっているようです。(関連記事はここやここ)当然材質はでんぷんなどの糖質だと思います。環境問題も大切ですが、エコを考えすぎて血糖値が上がり糖尿病になってしまったのでは、余計な医療材料が必要になり、全くエコではなくなります。例え食べられる食器だとしても食べなければいいだけの話なのですが。こんなものを毎回食べればさらに糖尿病予備軍、糖尿病が増加します。食器のエネルギー量(カロリー量)が表示される時代が来るのかもしれませんね。
若いうちから糖質制限が必要だと思います。
「Prevalence of Prediabetes Among Adolescents and Young Adults in the United States, 2005-2016」
「2005〜2016年のアメリカの青年および若年成人における糖尿病予備軍の有病率」(原文はここ)