アメリカ内科学会は2019年に赤肉と加工肉の摂取に関するガイドラインを出しています。その内容は現在のまま継続して摂取してOKというものです。肉の摂取量を心臓病、がん、または全死亡率に関連付ける証拠が不十分であり、その結果、肉の摂取量を減らすための以前の推奨事項を裏付ける証拠が不十分であるとのことです。
ガイドラインの赤肉の推奨事項
18歳以上の成人には、現在の未加工の赤肉の摂取を継続することをお勧めします(弱い推奨、確実性の低い証拠)。14人の委員のうち11人が現在の未加工の赤肉の摂取の継続に投票し、3人は赤肉の摂取を減らすための弱い推奨に投票しました。
ガイドラインの加工肉の推奨事項
18歳以上の成人には、現在の加工肉の摂取を継続することをお勧めします(弱い推奨、確実性の低い証拠)。14人の委員のうち11人が現在の加工肉摂取の継続に投票し、3人が加工肉摂取を減らすための弱い推奨に投票しました。
赤肉および加工肉の摂取と全死因死亡率や心血管疾患や糖尿病のリスクを調べたメタアナリシスでは、リスクの非常にわずかな低下に関連するという確実性の低い証拠が見つかりました。(この論文参照)
赤肉を1週間に3サービング減らすと、様々なリスク比は次のようでした。全原因死亡0.93、心血管疾患死亡0.90、心血管疾患0.95、脳卒中0.94、致死的脳卒中0.94、心筋梗塞0.93、2型糖尿病0.90でした。(全原因死亡と心血管疾患は有意差なし、その他は有意差あり)
加工肉を1週間に3サービング減らすと、様々なリスク比は次のようでした。全原因死亡0.92、心血管疾患死亡0.90、心血管疾患0.97、脳卒中0.94、致死的脳卒中0.95、心筋梗塞0.94、2型糖尿病0.78でした。(心血管疾患は有意差なし、その他は有意差あり)
しかしどの研究も証拠の質としては低いものでした。
また、赤肉の少ない食事と赤肉の多い食事を比較したランダム化試験を見てみると、赤肉の少ない食事のリスク比(ハザード比)は次のような結果でした。(この論文より)
全原因死亡のハザード比0.99、心血管疾患死亡0.98、および心血管疾患0.99、総がん死亡率0.95、および大腸がん発生率1.04、乳がん発生率0.97であり、ほとんどまたはまったく影響を及ぼさない可能性があるというものでした。しかも証拠の質は低いまたは非常に低い確実性の証拠でしかなかったのです。