マラソンは腎臓にダメージを与える!

私自身フルマラソンやウルトラマラソンを走っているので他人ごとではありませんが、マラソンが腎臓にダメージを与えているという研究が発表されました。(原文はここ)まあ当然と言えば当然です。過酷なスポーツですから。

 

マラソンは「心臓手術」と同じくらい「腎臓」にダメージを与える

2017.04.08  Lifehackerより
私は1週間ほど前にマラソンをしました。やり遂げたことは嬉しいのですが、衝撃的なことがわかりました。エール大学医学部の最近の研究によるとマラソンをすると筋肉痛になるだけでなく2、3日腎臓に害があるのです。

学術誌『American Journal of Kidney Diseases』に発表された研究で、マラソンを完走したランナーの約80%が心臓手術をしたばかりの患者や集中治療室で命の危機にさらされている患者と似たような腎臓機能になることがわかりました。マラソンを終えたランナーから採取した血液と尿はクレアチンと炎症性たんぱく質のレベルが高く、深刻な腎損傷のある患者とそっくりな状態になるのですが、マラソンランナーの腎臓が永久に損傷したわけではなく、一時的に腎臓の機能にそのような影響を与えただけです。

エール大学の腎臓専門医で、この研究の筆頭著者であるChirag Parikh博士は、こうなるにはたくさんの原因があるとしています。

マラソン初心者の場合マラソン中に脱水状態になりやすく、それが腎臓に大きな負荷をかけることになります。さらに、ランニングをすると体温が上がり、それが炎症を起こし筋肉が破壊されはじめます。

どちらが起こっても血液中に取り込まれるたんぱく質が増加して、それを腎臓がフィルターにかけるべく熱心に働くことになります。その上、走っている間は身体は腎臓から血液を流用して体温を下げようとします。そのせいで、腎臓の機能が低下することになるのです。

Parikh博士によれと、通常であれば生体化学反応は2、3日すれば平常に戻るので、長距離ランナーだからといって心配し過ぎる必要はありません。

とはいえ、競技大会の後は、回復の時間を取ることが重要であると同研究は強調しています。

記事では「心臓手術」と同じレベルだと言っています。まあ一時的であるので、レース後に無理をしなければ問題はないと思いますが、深刻な問題もあります。

それは安易に鎮痛剤を使ってしまう方です。フルマラソンを走るだけでも腎臓に負担がかかりますし、鎮痛剤の副作用でも腎臓にダメージがあります。それをわざわざ同時に発生させるのですから腎臓の障害が大きくなる可能性があります。

2013年の研究でフルマラソンやハーフマラソンなどのレース前に鎮痛剤を使用している人は実に49%もいたそうです。その方たちがどうなったか?(原文はここ

 

 

薄い方のグラフが鎮痛剤を使用したひとで、黒い方が何も使用していない人です。最初のグラフは「胃のけいれん」、次が「レース後の心血管系の問題」、「レース中の心血管系の問題」、「胃の出血」、「血尿」の順で表しています。これを見ると「血尿」は鎮痛剤を使った人だけにしか見られません。その他の問題でも一番差の少ない「レース後の心血管系の問題」でも3倍くらい鎮痛剤を使った方が多くなり、それ以外はかなりの大きな差になります。

 

 

同じように、「腸のけいれん」「痛み」「筋肉のけいれん」「その他」と並んだグラフです。「腸のけいれん」は鎮痛剤で多いのですが、「筋肉のけいれん」に関しては反対に鎮痛剤を使わない方がかなり多くなりましたが、絶対的な数はどちらも多くはありません。しかし、ここで注意していただきたいのが、「痛み」どちらも差がないということです。そもそも鎮痛剤は痛みを緩和するために使ったと思われます。しかし、実際には痛みは減っていません。さら次のグラフを見てください。

 

 

「筋肉の痛み」と「関節の痛み」です。何と!両方とも鎮痛剤を使った人の方が痛みを訴える人が多かったのです。まったく鎮痛剤の意味がありませんね。レース中の痛みの多くは「脳の罠」です。その証拠にレース中に起きた痛みの多くはゴールすると忘れてしまいます。鎮痛剤が効くはずがありません。

さらにこの研究の論文の中では深刻なケースを報告しています。

鎮痛剤を使用した人の内、3人がレースの次の日から3日間にわたる乏尿(著しくおしっこが少ない)または無尿(全くおしっこが出ない)を認め、一人は進行性の腎臓の問題となったそうです。

鎮痛剤を使用した人の内、4人が消化管の出血で入院。2人が心筋梗塞で入院となりました。

簡単な話、レース時の鎮痛剤は効果がないばかりか、非常に深刻な問題を引き起こす可能性があるということです。先ほどの記事と合わせると、腎臓にはかなりのダメージとなると思います。マラソン走って、痛くてつらいなら、最初からレースに出るな!」ということです。痛みを含めてマラソンなんです。

また、イブプロフェンが酸化ストレスを増加させたという研究もあります。(原文はここ

とにかく、マラソンでの消炎鎮痛剤の使用は問題が非常にありますので、気を付けてください。

 

 

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