ここにきて東京や大阪、愛知、福岡でも新型コロナウイルスの陽性者が減少傾向のように見えます。しかし北海道はまだまだそうです。そして世界に目を向けるとロシアやカナダはまだ増加していますが、イタリアやスペインはドイツなどは減少してきています。
さて、これらはロックダウンなどの対策によって減少したこともあるかもしれませんが、もしかしたら気温が上がってきたことも関係があるのでは?と思います。南半球や暖かい気候の国で感染爆発は起きていませんし、今現在感染者が多いのはほとんどがまだ気温が低めの地域が多いのではないでしょうか?(もちろん例外はありますが)
気温は関係ないのでは?と言われていますが、本当かどうかは誰もまだ知らないことです。未知のウイルスですから。もし気温が関係するとすると、南半球の国の戦いはこれからかもしれません。
さて、新型コロナウイルスの感染では血栓症が頻繁に認められます。以前の記事「新型コロナウイルスと血栓症 その2 人種は重症化の差を説明する?」などで書いたように、血栓症の起こりやすさは人種差を認めます。
新型コロナウイルスの攻撃の主体が血栓症によるものだとすると、人種差だけでなく、年齢と重症化についてある程度説明がつくかもしれません。
血液が固まる凝固は非常に複雑なメカニズムです。
人間は生涯を通じて、血液の凝固能は一定ではなく、生まれてから徐々に発達し、加齢に伴って凝固活性が増加すると考えられます。
ある研究によると、生まれてから大人になるまでに、凝固因子が徐々に増加します。(図は原文より)
上の図はいくつかの凝固因子のレベルの年齢による変化を示しています。年齢とともに増加しています。
またある研究では、成人後でも年齢の増加とともに凝固因子であるフィブリノーゲン、第VII因子、第VIII因子、第IX因子の活性、凝固活性のマーカーであるプロトロンビンフラグメントF1、2、およびトロンビン-アンチトロンビン複合体(TAT)が増加しました。(下図はこの論文より)
通常、子供では大人と比較して凝固能が低く異常な血栓はできにくいと考えられています。もちろん大人でも通常は血栓はできませんが。しかし、肥満の子供では凝固能が増加しているという研究もあります。
10歳前後のBMIが21の子供(対照群)とBMI28の子供では、肥満の子供では凝固因子が増加していました。(図はこの論文より)
肥満の子供のフィブリノーゲン、トロンビン時間、第VIII因子、第IX、第X、およびフォンウィルブランド因子のレベルは対照群よりも高く、肥満の子供の凝固阻害因子であるアンチトロンビンレベルは低くなっていました。
学校が休校になり、お菓子やカップ麺などの摂取量が増加する可能性があります。子供でも糖質過剰摂取は血栓のリスクを高くする可能性があります。
糖質制限をして、血糖値を上げないようにして、凝固能を増加させないようにして、血栓を防ぎましょう。
糖質過剰症候群
「Developmental hemostasis: age-specific differences in the levels of hemostatic proteins」
「発達止血:止血タンパク質のレベルの年齢別の違い」(原文はここ)