今回は血糖値とHbA1cです。
これまでの集計結果は→「その1」「その2」「その3」「その4」「その5」「その6」「その7」「その8」「その9」
一般の人のデータは空腹時というわけではないので、糖質制限のみなさんのデータも、まずは絶食時間を考えずに集計しました。
血糖値の基準値(空腹時)は70~109です。糖尿病型は空腹時血糖126以上、随時血糖200以上です。
血糖値 | 人数 | 平均値 | 標準偏差 | |
男性 | 一般 | 899 | 107.4 | 41.9 |
糖質制限 | 128 | 98.6 | 18.1 | |
女性 | 一般 | 1275 | 100.9 | 21.8 |
糖質制限 | 67 | 94.8 | 15.5 |
糖質制限の方が平均値はやや低め、ばらつきは特に男性でかなり少なくなりました。糖質制限ではもちろん随時血糖200以上の人はいませんでした。110以上の人も20%以下でした。
上の図は糖尿病の薬を使っていない人で比較したものです。
血糖値(薬無) | 人数 | 平均値 | 標準偏差 | |
男性 | 一般 | 801 | 102.1 | 31.6 |
糖質制限 | 116 | 96.4 | 14.3 | |
女性 | 一般 | 1,223 | 99.3 | 18.3 |
糖質制限 | 60 | 91.5 | 11.5 |
糖質制限でも先ほどよりもさらに平均値やばらつきが低下しました。糖質制限の女性の110以上の人の割合は8.3%でしかありません。
では、空腹時血糖はどうでしょうか?8時間以上の絶食時間の人を見てみましょう。人数が少なくなるので男女合計です。(一般の人のデータはありません)
空腹時血糖が120を超える人もほとんどいない状態です。
血糖値とナトリウムの関連を見てみました。一般的には血糖値が100上昇すると、ナトリウム値は1.6低下すると言われています。
相関係数は-0.26と弱い負の相関を認めました。
次に、HbA1cです。HbA1cは一般の人のデータが非常に細かく分類されていましたので、それに合わせましたが、男女別だと人数が非常に少なくなってしまうので合計で見てみましょう。
HbA1cの基準値は4.6~6.2です。
HbA1c | 人数 | 平均値 | 標準偏差 |
一般 | 2,934 | 5.8 | 0.7 |
糖質制限 | 172 | 5.5 | 0.5 |
明らかに糖質制限のグラフのピークは一般の人より低値ですね。
次は糖尿病薬なしの人のデータです。
HbA1c(薬無) | 人数 | 平均値 | 標準偏差 |
一般 | 2743 | 5.7 | 0.6 |
糖質制限 | 150 | 5.4 | 0.4 |
薬なしのでもやはり同様の傾向です。
当たり前ですが、糖質制限は血糖値、HbA1cを低下させます。中にはHbA1cがそこまで低下しない場合、ちょっと上昇してしまう場合もありますが、血糖値の変動は非常に少なくなるので、江部先生は糖質制限のHbA1cは質の良いHbA1cともおっしゃっています。