鉄と乳がんの関係その2 リスクの高い遺伝子を持っている人は鉄のサプリメントは非常に危険である

以前、鉄と乳がんのついて書きましたが、その中で遺伝子がいろいろとかかわることも書きました。遺伝子についてはそれほど詳しくはないので、全体としては手に負えない感じがありますが、今回非常に明確な遺伝子と鉄のサプリメントと乳がんの関係に関する研究を見つけたので、それについて書きます。閉経後の女性が対象です。(原文はここ

人は様々な遺伝子を両親から受け継ぎます。その中でいろいろなことが起きますが、乳がんにとってリスクの高い遺伝子も存在します。その遺伝子をいくつ持っているかによって乳がんになりやすさのリスクが変わるようです。つまり、危険な遺伝子をたくさん持っていればその分、鉄の摂取によって乳がんになりやすいということです。

まずは下の図を見てください。このグラフは1日の鉄の摂取量と危険な遺伝子の数と乳がんのなりやすさのリスクを表しています。鉄の摂取量は食事によるものとサプリメントによるものの合計です。

 

(クリックで拡大)

1日の鉄の摂取量が9.6mgまでであれば、リスクは上昇しませんが、それ以上になると上昇していきます。特に危険な遺伝子が3個以上あれば2倍以上乳がんになりやすいということです。

次は鉄を含むサプリメントを使用しているかどうかによって分けています。サプリメントは鉄だけのものだけでなくマルチビタミンに鉄が含まれているものもあります。

 

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そうすると、サプリメントを使用しない人では全体として危険性の上昇はありませんが、やはりそれでも鉄摂取の1日量が多くなると危険なようです。サプリメント使用者は明らかに記念な遺伝子の数が多くなれば乳がんに2倍以上なりやすいということになります。

実際にみなさん自身が乳がんにとって危険な遺伝子をいくつ持っているかなんて知る由もありません。私は大丈夫という方は良いですが、鉄の摂取によって反応して乳がんになってしまう方は確実にいるということです。

鉄のサプリメント飲んでいる方、これでも大丈夫ですか?

鉄は重要ですが1日の摂取量を全部で9.6mgまでにしておいた方が良いと思いますが…。とするとサプリメントを飲んだ時点でほとんど9.6mgを超えてしまいます。

よく考えましょう。

2 thoughts on “鉄と乳がんの関係その2 リスクの高い遺伝子を持っている人は鉄のサプリメントは非常に危険である

  1. 私は子宮筋腫持ちで過多月経のため、鉄欠乏性貧血になり、鉄剤を処方されていました。それでも、値が良くならず、婦人科で低容量ピルを処方されました。過多月経が抑えられたことで、貧血は良くなりましたが、1年後乳癌発覚しました。
    1年ほど続けたピルや半年ほど続けた鉄剤が、即乳癌に結びつくものではないでしょうが、元々あった癌を成長させてしまった要因になるのでしょうか。健康の為に不健康になってしまったということでしょうか。

    1. 匿名さん、コメントありがとうございます。
      あなたの乳がんの要因が、ピルや鉄剤と断定することは困難です。
      しかし、すべての薬剤にはリスクとベネフィットがあるのは確かです。ピルに関しても日本乳癌学会の立場は乳がんのリスク増加の可能性あり、としています。しかし、増加しないという研究も多くあるということも事実です。
      鉄に関しても同じで、鉄剤を飲んだら全員が乳がんになるわけではもちろんありませんが、確実に反応してしまう方もいるわけです。しかし、自分がどのような遺伝子を持ち合わせているかはほとんどの方は知りません。
      そんな中で、あえて大量の鉄を使用することはよく考えてする必要があります。
      ただ、あなたの場合、すでに鉄欠乏になっていたので、それは是正しなければなりません。つまりリスクよりベネフィットが上回ると考えられるので、使用したと考えます。
      「鉄と乳がんの関係」記事で少しだけ書きましたが、閉経前では鉄欠乏の方が乳がんのリスクになるという研究もあります。
      簡単に言えば、まだ「わからない」というのが本当のところです。だから、私は「わからない」からこそ慎重に、と言いたいのです。

      「若い女性はすぐにでも糖質制限を始めるべき」の記事(2017.2.9)で書いたように、子宮筋腫も糖質過剰摂取が原因の一つと私は考えています。糖質過剰摂取は乳がんともリンクしていると思っています。
      ぜひ、普段の食生活から見直すようお勧めします。

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