サロマ湖100kmウルトラマラソン分析 その2&フリースタイルリブレを使った人体実験その13 ウルトラマラソンと血糖値とケトン体

今回のレースでのエネルギーの計算をしたいと思います。

前回の記事でレース前のエネルギー摂取は計算しました。

エネルギー:821kcal、タンパク質:35.54g、脂質:73.6g、炭水化物:3.08g

当日、レース中は

ベスパプロ3本 1本あたり タンパク質0.1g、脂質0g、炭水化物5g、18kcal。

3本摂取で タンパク質0.3g、脂質0g、炭水化物15g、54kcal。

ここでジョミ1本 1本あたり タンパク質0.56g、脂質0g、炭水化物11.64g、48kcal。

ジョミライト1本 1本あたり タンパク質0.06g、脂質0g、炭水化物15.36g、62kcal。

スイカ5切れ 300gとしてタンパク質1.8g、脂質0.3g、炭水化物28.5g、111kcal。

オレンジ3~4切れ 主に果汁を摂取、70gとしてタンパク質0.7g、脂質0.07g、炭水化物6.86g、27kcal。

レモン6切れ スライスしたものなどの主に果汁を摂取、果汁35gとしてタンパク質0.14g、脂質0.07g、炭水化物3.01g、9kcal。

そうめんのつゆははっきりしないのですが、にゅう麺からそうめん分を引いて、コップ1杯によそっていて麺が大量でつゆは少なめだったので、量としては8分の1人前もあるかどうかでしょう。それで計算すると

タンパク質1.30g、脂質0.55g、炭水化物2.30g、24.25kcal。

スポーツドリンクは全く飲まなかったので給水からの糖質はありません。給水は水とお茶で700ml程度だったと思います。

レース中を合わせると全部でタンパク質4.86g、脂質0.99g、炭水化物82.67g、335.25kcal。

レース前とレース中を合わせて タンパク質40.4g、脂質74.59g、炭水化物85.75g、1156.25kcal。

 

消費カロリーは昨年も書きましたが

消費カロリー=運動強度(Mets)×実施時間×体重×1.05  ですから、

運動強度は走る速度によっても変わるので平均して9METsとして

9×12.47×54×1.05=6363kcal  となります。

レース中の摂取カロリーは、消費カロリーの5.3%、レース前のカロリーを合わせても18%です。

さて、今回はフリースタイルリブレを付けているので、グルコース値(血糖値)とケトン体値を測定しながら走りました。その結果のグラフが下です。

 

 

(クリックで拡大)

レース前からのグラフになっています。エネルギージェル系の補給は大体の時間です。ケトン体値についてはレース前に2回、途中のレストステーション、ゴール直後で測定しています。細かいエイドでの果物などの補給は省略しています。

今回、低血糖にはなっていません。最低値は最後の最後でゴール直前が75、直後が70です。「十分低いでしょ!」という方もいるかもしれませんが、それは糖質過剰摂取されている方の考えで、糖質制限でケトン体質になっていれば、血糖値が70は普段でも珍しくありません。その分ケトン体がたっぷり出ているからです。

ただ、グルコース値(血糖値)の推移を見てみると少し面白い現象があります。レストステーションを境に、前半はグルコース値(血糖値)90台で、たまに100台になっていますが、後半は80台で、たまに70台になっている状況でした。レストステーションではトイレに行ったり、ケトン体値を測ったり、荷物の受け渡し、エネルギージェルの携帯などいろいろ時間がかかり、恐らくは7分ぐらいかかったと思います。その間ほとんど動いていないわけですから、体の中でのホルモンの変動が変わってしまった可能性があります。つまり、レストステーションで止まりながら摂取したオレンジの糖質に反応して、ちょろっとだけインスリンが出てしまったとか?推測ですが。それともただ単に疲労が蓄積してきて、どこかの臓器が糖質を必要としたか?それとも、何かをきっかけとして糖新生が少し落ちたか?

いろいろ考えてみると面白いです。

また今回のレースでのケトン体値は思ったほど上がりませんでした。洞爺湖フルマラソンの記事を見ていただくとわかりますが、フルの方がケトン体値が非常に上がっています。

洞爺湖フルマラソンでは、起床時0.3→レース前1.0→ゴール直後4.2

サロマ湖ウルトラマラソンでは、起床時0.2→レース前0.3→途中1.9→ゴール直後2.8です。

起床時にちょっといつもよりも低めなのは、記事にも書きましたが前日の夕食後のグルコース値(血糖値)が何と200になってしまった影響だと思います。そして、レース前のケトン体値の上りが悪いのはサラダチキンを食べて、タンパク質を摂ったためにインスリンが分泌されたからだと思います。

しかし、その後のケトン体値の上りが思ったほどではなかったのです。自分なりに考察すると、洞爺湖フルマラソンでは、途中でほとんど糖質摂取はしませんでした。しかし、今回のウルトラマラソンでは、何度もエネルギージェルや果物という糖質を摂取しながら走ったからだと考えます。そうすると、運動時にはインスリン分泌が抑えられているはずなんですが、やはり少し分泌はあるのかな?と思えます。フルマラソンの3倍近い時間運動をし続けているのですから、本当であればもっとケトン体が出てもいいかな?と思います。もう一つの考えは、ケトン体はたっぷり作られていたけれども、それをどんどん消費してしまっているので、ケトン体値の上りが少なかったという考えです。どっちでしょうか?それとも他の理由でしょうか?

これだけエネルギーを使ったにもかかわらず、レースの次の日の夜に測った体重はレース前よりも1.1kg増加していました。もちろん、レース後から次の日の夜までは食事は何度かしていますが、通常ではそこまで増えません。昨年も同様に1.7kg増加していました。過酷なレースの後、体内のエネルギーがかなり減り、脂肪も減ったため、体がエネルギーを貯めやすいように変化したのかもしれません。人間の体は不思議で面白いです。

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