糖質を含む飲み物は、食事による熱産生と脂肪燃焼を少なくする

糖質を含む飲み物は巷に溢れています。ファストフードの○○セットでコーラを飲み物で選択したり、健康のためと思ってフルーツジュースや野菜ジュースを飲んだりする方もいると思います。しかし、これらの飲み物に含まれる糖質が、食事誘導性熱産生(DIT)を抑制したり、脂肪の燃焼を低下させたりします。脂肪の燃焼の低下はもちろんインスリンが大量に追加分泌されるためにインスリンの脂肪を貯めこみ、分解を抑制するという作用によるものと考えられます。

実際にどの程度抑制されるかという研究をご紹介します。

この研究では、一晩絶食して、朝と昼に食事をします。食事1回のエネルギー量は500kcalで、その時に一緒に31gの糖質入りに飲み物を毎食飲む群と、糖質のない飲み物を飲む群に分けています。もちろん糖質制限食ではありません。そして、エネルギーとして何がどれぐらい使われたかを測定します。31gと言えばちょうどポカリスエット500ml分です。コカコーラだと275ml程度です。リンゴジュースでは250mlちょっと、野菜ジュースでは390mlちょいです。

結果として、糖質を含む飲み物を飲むと、食事誘導性熱産生(DIT)は2%以上低下し、脂肪燃焼(脂肪酸化)は1日当たり10g近く減少しました。さらに、糖質の燃焼(酸化)は1日当たり40g程度増加はしますが、飲み物に含まれる糖質量が合計2回分で62gであることを考えると糖質の20g程度は脂肪になって蓄えられていると考えられます。糖質20gがエネルギーが等価の脂肪に変わるとするなら約9gになります。脂肪の燃焼の低下量の10gと合わせたら、なんと1日に19g脂肪が糖質入りの飲み物を飲まないよりも蓄えられてしまうのです。1日19gも1か月したら570gです。1年したら6,935gです。約7kgです。恐ろしい!

つまり、食事による熱産生が減少するので、消費エネルギーがその分減りますし、脂肪燃焼が減り、糖質が余るのでそれが脂肪に変換され、結果として肥満になるのです。毎食たった1杯の糖質入り飲み物がこれだけの影響をもたらします。あくまでこれは計算上の話でありますが、常に甘い飲み物を飲む方はかなり注意が必要です。

あと、この研究の結果を見てみると、通常の食事をしていても脂肪は男性で160g前後、女性で120g前後分解されているのです。意外と多いですね。糖質制限をしている我々ではおそらく200gぐらい脂肪が燃焼しているでしょう。糖質制限をしていると糖質からの脂肪への変換は少ないので、たっぷりと脂肪を摂ることが必要です。

「Postprandial energy metabolism and substrate oxidation in response to the inclusion of a sugar- or non-nutritive sweetened beverage with meals differing in protein content」

「タンパク質含量の異なる食事に砂糖または非栄養価の甘味料入り飲料を一緒に飲んだことに応じた、食後のエネルギー代謝および基質の酸化」(原文はここ

要約

栄養素の多量栄養素組成は、以前考えられていたよりも健康な体重を維持し、肥満を予防する上でより重要な役割を果たすかもしれない。この研究の第一の目的は、砂糖甘味飲料(SSB)の少量を異なる栄養素組成で食事に加えることが、食欲、エネルギー代謝および基質酸化にどの程度影響を与えるかを決定することであった。

結果として、

食物タンパク質の増加は飢餓と満腹感を減少させた。男性は飢えていて、女性よりも食事に満足していませんでした。食物タンパク質を増やすことは、風味のある、塩辛い脂肪性のものを食べるという欲求を減少させ、男性は、これらの味覚プロファイルを有する食物に対してより大きな食欲を有した。興味深いことに、甘いものを食べたいという欲求に、性別、食事タンパク質、飲料タイプの影響はありませんでした。SSBを含めると、DIT(2.42%±5.91%)および脂肪酸化(9.87±11.09g)が顕著に抑制された。

結論として、

食事のタンパク質含量の変更およびSSBの消費によって改変された食事の多量栄養素組成の変化に応じて、食欲感、食物嗜好、エネルギー消費および基質酸化が有意に変化する。最も注目すべきことに、食事中のSSBの消費は、大量栄養素組成とは無関係に、エネルギー効率および脂肪酸化を著しく減少させる。

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