やっぱりオメガ3をいっぱい摂取することは重要である

オメガ3脂肪酸は人間が体の中で合成できない、必須脂肪酸です。必須脂肪酸はオメガ6もありますが、オメガ6は炎症を促進します。反対にオメガ3は炎症を抑制します。多くの病気や症状に炎症が関連していることを考えると、炎症を抑制する食事を摂取することは非常に重要だと考えます。つまり、オメガ6の量を減らし、オメガ3の摂取量を増やすことが大切になります。現代の食事は何も考えないと大量のオメガ6を摂取してしまい、かなりオメガ3の割合が少なくなります。

オメガ3は魚類に非常に多く、それ以外にもナッツ系などに多く含まれています。オメガ6は大豆油、コーン油、ゴマ油、マーガリンなどいわゆる植物性の油や豚・牛レバーに多く含まれています。

オメガ3のDHAやEPAからカンナビノイドというもの体内で生成されます。このカンナビノイドというのは、ちょっと前にある芸能人がお騒がせした「大麻(マリファナ)」の成分です。外部から取り入れる大麻のカンナビノイドは幻覚作用もありますが、鎮静作用もあります。しかし、体の内部で生成されるカンナビノイドには幻覚作用はありません。神経細胞が異常に興奮してしまうのを抑制する効果があります。これにより鎮痛作用が期待できるのです。この神経の鎮痛作用(それ以外にも作用がありますが)を期待して使うのがいわゆる医療大麻です。

別に私は医療大麻推進派ではありません。念のため。

カンナビノイドは神経と免疫に作用すると言われています。炎症をもたらすIL-6サイトカインを用量依存的に減少させ、一方、炎症を抑制するIL-10サイトカインを増加させます。このようにして、オメガ3は抗炎症作用を示すと考えられています。(原文はここ

それ以外にも、オメガ3をたくさん摂取するほど恐怖記憶が弱くなるという研究があります。(原文はここ

オメガ3とオメガ6の比率でオメガ3が多いほど、恐怖の記憶が弱まるということです。この研究はマウスのものなので、人間に完全に当てはまるかどうかはわかりませんが、不安症の予防が食事によってできる可能性を示唆しています。

上の図(独立行政法人 国立精神・神経医療研究センターHPより)はこの研究のものですが、マウスの恐怖によるすくみ行動の時間の長さ(恐怖記憶が強いほどすくみ行動が長い)と脳内のオメガ3とオメガ6の比率との関係を表しています。つまり、オメガ3が多いほど恐怖記憶が弱くなります。

これも先ほどのカンナビノイドによって説明されています。オメガ3が多いほどカンナビノイドの働きが増加して、恐怖を司る脳神経回路が非常に活性化してしまうのを抑制するのです。それにより恐怖の記憶が抑制されるということになります。同じように恐怖体験をしてもその体験を長い間覚えている人と、忘れないまでも恐怖が癒える人の違いはもしかしたらこのような脳内のオメガ3とオメガ6の割合の問題かもしれません。

そういえば、以前の記事で鉄分を摂取するのにレバーを毎日食べることの害について書きましたが、豚や牛のレバーは特にこのオメガ6が多いので、炎症を促進してしまいます。

さあ、サラダ油をはじめとする植物油は今すぐ捨てて、魚とナッツを食べましょう!

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コメント

  1. じょん より:

    清水先生、おはようございます。
    脂肪酸についてですが、オメガ6を一切摂らず、オメガ3だけをとった場合、なんらかの不都合、欠乏症や機能不全が起こるのでしょうか?実際にはオメガ6をゼロにすることはできないのかもしれませんが。

    • Dr.Shimizu より:

      じょんさん、コメントありがとうございます。

      オメガ6のアラキドン酸は別に悪玉ではありません。脳には重要なものだとも考えられていますし、
      様々な生理活性脂質に変換され生理的機能があります。