川内選手は日本の代表としてのラストランと決めての世界陸上だったのですが、9位に終わりました。
ただ、正直一流の選手はあまり出ていなかったマラソン。自己ベストでは日本勢はみんな2時間8分台、しかし、今回のほかの国を見ても、エチオピアが2時間4分台の選手を送り出してきたのですが、ケニアは2時間5分台と6分台という、ケニアの中では2流選手。それ以外でも日本勢よりも早いベストを持った選手は数えるほどしかいない状況です。それでも、日本は入賞すらできていません。川内選手があと3秒ほどで入賞を逃していますが、女子は今回は惨敗です。
川内選手は自分のお金を使って、今回のコースの下見などをしたようです。さらに汗の成分を分析したり、といろいろと対策はしたようですが、これって逆に言えば、陸連がいかに何もしていないかの裏返しだと思いませんか?瀬古監督は川内選手にまだ続けてほしいと言っていますが、何も手を打っていないようにしか見えない陸連には愛想をつかせても仕方がないと思います。陸上にももっと科学を取り入れていかないと、どんどん世界に後れをとってしまいます。他の選手たちもどんどん海外に出て行っています。サニブラウン選手も、ケンブリッジ選手も世界という視野で考えています。
瀬古監督、どうやったら強くなるのか対策法を示してください。
いずれにしても、川内選手はいろいろな問題提起を投げかけてくれたにも関わらず、陸連は変わらないようです。悪い意味で日本的な組織です。
とにもかくにも、川内選手お疲れさまでした。
ラストも川内節【一問一答】実業団選手にチクリ「給料使ってでも下見を」
2017.8.6 デイリースポーツオンラインより
「陸上・世界選手権」(6日、ロンドン競技場)
男子マラソンが行われ、日本勢では終盤に執念の走りを見せた川内優輝(30)=埼玉県庁=が2時間12分19秒で9位に入った。看板激突、転倒、給水失敗と“川内劇場”を繰り広げながら、それでも最後は出場選手の中で群を抜く70回に及ぶマラソンの経験を生かし猛追。入賞までは3秒届かず、ゴール後は天を仰ぎ崩れ落ち、車いすで搬送されたが、完全燃焼の走りを見せた。以下は川内との一問一答。
-惜しくも入賞に届かなかった。
「そうですね。もちろん7、8位が見えていたので、悔しいのはある。ただ、悔しさとともに、ようやく自分の中でやりきれたかな。メダル目標で、最低でも8位と言っていて9位で、最低にもいけなかったんですけど、自分の中では出し切れた。本当にこの(日本代表の)6年間は無駄じゃなかったかな」
-完全燃焼?
「実力不足は露呈したけど、その中で経験を生かせた。日本代表としてやるべきことはやれたかなと思う」
-トラブルも多かった。
「給水失敗したときも焦らずにゼネラルの水を取れたし、転んですぐに起き上がったり、看板にぶつかってよろけたんですけど、追いついた部分とか、アクシデントがあっても追いつけたのは、過去の経験があったから」
-転んだ時は?
「また転んでしまったと思ったけど、転んで吹っ切れた部分もある。あまりダメージがなく、血も出てなかったのでよかった」
-追い上げている時の心境は。
「沿道から家族が順位を叫んでくれていて。『17位!』って言われて、また17位(過去2回の世界選手権はともに18位)かよって思って、17位とか18位とかそういうのはもういいんだ!って思って、もう17位なんて順位は嫌だと。少しでも上の順位をと思って走った」
-そのとき入賞は頭にあった?
「入賞はいけなくても、過去の経験から10位は絶対に行けると思ってた。過去の海外のレースでも1回10何位まで落ちて、6位まで上がった経験あったので、粘れば絶対(上位は)落ちてくると思っていたら、案の定落ちてきた。しかも落ちてくる選手が知っている選手ばかりで。福岡や、大邱マラソン、びわ湖、ストックホルムで戦った選手たち。最後は中本選手も落ちてきた。だいたい差してきた選手なので、粘れば絶対行ける、抜かし方は分かっていた。そういう経験が生きた」
-今後の日本代表にエールを。
「できることをやれることをすべてやること。今回は年末年始で自費で下見した安心感が生きた。あんまり実業団批判したくはないんですけど、実業団選手だと会社のお金とか、陸連のお金で、自分の給料から出してコース下見しようとはならない。自分のためなんですから、そこはやっぱり自分の給料を使ってでも、コース下見して、打てるだけの対策を打って、いいイメージ植え付けてやるのが大事かなと思う」
-今後はどうマラソンに関わっていく。
「ばんばん走っていきます。ただ、夏の大会は苦しいし、日本代表は責任が重くて、キツい。とにかく世界中で走って行きたい」