日本の大学からの研究ですが、糖尿病の方に1日130gの糖質制限をして、カロリー制限と比較しています。この研究の結論は130g/日でもカロリー制限に比べて有効だとしていますが、私としては、「やっぱり1日130gでは6か月でこの程度か…」という結論です。スーパー糖質制限ならもっとぐんぐん改善しますが、自分自身でやろうとしなければ、どんな方法もうまくいきません。また、「低炭水化物食は、カロリー制限食を遵守できない日本人患者のための潜在的に有用な栄養療法である。」というのは、患者に責任を押し付けた非常に無責任な言葉です。悪いのは患者ではなく、カロリー制限という効果の乏しい方法を選択した医療側です。
対象となった方は、何度もカロリー制限食の教育プログラムを受けさせられています。かわいそうです。70kgの人であれば、カロリー制限でも300g近い糖質を摂っていいことになります。それで改善するでしょうか?やる前からカロリー制限は効果がないことはわかりそうです。
「A randomized controlled trial of 130 g/day low-carbohydrate diet in type 2 diabetes with poor glycemic control」
「血糖コントロール不良の2型糖尿病の130g /日低炭水化物食のランダム化比較試験」(原文はここ)
要約
日本人2型糖尿病患者の低炭水化物食の有用性については十分に検討されていない。したがって、カロリー制限食に対し低炭水化物食の有効性と安全性を比較した。
カロリー制限食に対する反復教育プログラムを受けた後でさえ、HbA1c> 7.5%を有する66人の2型糖尿病患者が含まれていた。それらは無作為に130g /日の低炭水化物食群(n = 33)またはカロリー制限食群(n = 33)のいずれかに割り当てられた。患者は、ベースライン、1,2,4および6ヶ月間にカロリー制限食または低炭水化物食の個人栄養教育を30分間受けた。カロリー制限食群の患者は、カロリー摂取量と多量栄養素のバランスを維持するように勧告された(28×理想体重カロリー/日)。低炭水化物食群の患者は、他の特定の制限なしに130g /日の炭水化物の摂取量を維持するように勧告された。ベースライン時および各介入後6ヶ月でいくつかのパラメータを評価した。主要エンドポイントは、ベースラインから試験終了までのHbA1cレベルの変化であった。
結果
ベースラインでは、BMIおよびHbA1cは、それぞれカロリー制限食および低炭水化物食において26.5(24.6-30.1)および8.3(8.0-9.3)、および26.7(25.0-30.0)kg / m 2および8.0(7.6-8.9)%であった。研究の終了時に、HbA1cは、カロリー制限食群で0.00(-0.68〜0.40)%であったのに対し、低炭水化物食群では、-0.65(-1.53〜-0.10)%減少した。また、低炭水化物食群[-0.58(-1.51〜-0.16)kg / m 2 ] におけるBMIの減少は、カロリー制限食群で観察されたものを上回った。
結論
我々の研究は、6ヶ月間の130g /日の低炭水化物食が、コントロール不良な2型糖尿病患者のHbA1cおよびBMIを減少させることを実証した。低炭水化物食は、カロリー制限食を遵守できない日本人患者のための潜在的に有用な栄養療法である。