数年前に「プロメテウス」という映画を見ました。実は、「エイリアン」の監督が作ったということは知っていましたが、それ以上のことは知らずに見たので、ある意味数十年前の記憶と繋がって、ある意味非常に驚きと感動がありました。
その「プロメテウス」は人類の起源の謎についてとりあげています。糖質制限を始めてから、人類の起源についても非常に興味が湧きました。それは、人類が進化した過程が非常に重要であり、その進化、適応が現代の食習慣とミスマッチを起こして、様々な不具合、問題が起きていると考えられるからです。
しかし、様々なことを調べて勉強すればするほど、「本当に人類はサルの仲間から進化したのか?」さらには「本当に一つの細菌がどんどん進化して人間になったのか?」ということが信じられなくなります。人間だけでなく生物の体の中で起こっている現象、メカニズムは非常に複雑であり、かつエレガントで美しいのです。様々な物質が複雑に絡み合い、ある物質が違う物質を制御し、多すぎれば産生を抑える仕組みもあり、少なければたくさん作り出す仕組みも存在し、それを様々な信号を使って様々な臓器に伝えています。しかもすべてがオートマチックに動いているのです。
私が医師の勉強をしていた時代では考えられないほど様々なメカニズムが解明されています。そして今も日々新しいことが発見されています。そしてさらに重要なことは、現在わかっていることは、まだ一部に過ぎないということです。
人間と全く同じものを人間が作ろうとしても無理でしょうし、作れたとしても地球1個あっても面積が足りないかもしれません。それほど複雑で、美しいメカニズムが、本当に偶然の産物であり、自然淘汰により進化した程度のものでこれほどの生物が完成するのでしょうか?そう考えると確かに「神様」という別の存在が想像できるのも無理はありません。
そして、さらにこの「プロメテウス」で描かれている人類の起源の秘密が他の惑星にあるかもしれないということは、SF好きの私にはたまらない魅力です。
この複雑な体には、あるものを摂取すれば健康になるとか、あるものをやめれば健康になる、という単純な図式は恐らく存在しません。そのことで言えば、糖質制限もそれだけで健康になるわけではありません。もちろん、私の考えでは糖質制限は「大前提」であり、それにプラスして様々な食材や生活習慣を必要とすると思います。しかし、生き物は死ぬようにできています。そうしなければ、どんどん数が増えて有限な食料を奪い合いことになってしまいます。ですから永遠に健康で生きていくのは無理です。また、人類をはじめ生物は健康に生きるために進化をしてきたわけではなく、子孫を残し、繁栄するために進化してきたと考えられています。私はもうすでに人生の後半戦です。子孫を残していく世代に負担をかけないことが必要です。そうしないと人類は繁栄しません。絶滅に向かいます。高齢になっていくにつれて様々な問題が出てくることは仕方がないことですが、できる限り若い世代に負担をかけないようにしなければなりません。生き物の中には子孫を残したら死んでしまう生物もいます。しかし、人間は子供を作っても死ぬことなく、年老いても子孫を残す世代を助け、さらに繁栄するように進化したと思います。つまり、できる限り元気な状態で年老いていくことは使命なのです。他の生物であれば、動けなくなったりや食べれなくなったりしたものが待つものは「死」しかありません。人間は群れや社会を作って進化してきました。そのために他の生物と違い、弱ったものを助けようとします。
そのように進化してきたので、できる限り元気に年老いていく、そのような体に適した食事が必要です。それが「糖質制限食」の前提です。
糖質制限は人間の起源まで考えさせられる食事なのです。
それにしても、人間は本当にこの地球で生まれたのでしょうか?偶然にしては出来過ぎです。やはりもとは「エイリアン」かもしれません。
映画の「エイリアン」は第1作の世界観から2作目以降どんどん離れてしまい、別の映画になってしまいました。そして、「プロメテウス」でもう一度原点に戻り、あの暗い何とも言えない世界観が帰ってきました。
「プロメテウス」の続編は現在公開中「エイリアン コヴェナント」です。「プロメテウス」を見てから行った方がより楽しめます。