更年期に出現するホットフラッシュや発汗などの血管運動神経症状はインスリン抵抗性に関連する

更年期障害の症状に悩まれている方も多いかと思います。更年期にまず出現するのがホットフラッシュや発汗などに代表される血管運動神経症状です。そのような症状が実はインスリン抵抗性と関連しているようです。

「Vasomotor Symptoms and Insulin Resistance in the Study of Women’s Health Across the Nation」

「女性の健康に関する研究における血管運動神経症状とインスリン抵抗性」(原文はここ

要約

背景:最近の新しい研究では、更年期の顔面のホットフラッシュと心血管疾患リスクとの関連が示唆されている。これらの関連性の根底にあるメカニズムは、ホットフラッシュの生理学の不完全な理解のために不明である。

目的および主なアウトカム指標:心血管疾患の危険因子および生殖ホルモンを制御して、8年以上にわたるホットフラッシュおよび夜間の発汗とグルコースおよびインスリン抵抗性との関連性を調べた。対象者は3075名の42〜52歳の女性。

結果:ホットフラッシュがない女性と比較して、ホットフラッシュはインスリン抵抗性を表すHOMA指数と関連していた。週にホットフラッシュがある日にちが1〜5日で2.37倍、6日以上で5.82倍。夜間の発汗についても同様であった。血糖値について、所見は統計的に有意であったが、それほど大きなものではなかった。

結論:ホットフラッシュは、インスリン抵抗性の推定値であるHOMA指数の上昇、程度は少ないものの血糖値に関連していた。

(図は原文より)

 

 

ホットフラッシュがない女性のHOMAの中央値は1.78であり、週1~5日フォットフラッシュのある女性のHOMAは2.25、6日以上の女性は2.3でした。

一応HOMA-Rの正常値は1.6以下であり、2.5以上がインスリン抵抗性があると考えられます。ホットフラッシュがある女性が必ずしも異常値を示しているわけではありませんが、これは恐らく個人差、感受性の差があると考えられます。

更年期にホットフラッシュや発汗が強い方はもしかしたら、糖質をその人にとって過剰摂取しているのかもしれません。更年期障害で悩まれている方は、是非一度糖質制限を行ってみてください。そしてインスリン抵抗性が改善してくると、症状が緩和するかもしれません。そして、この更年期のホットフラッシュは実は要約の背景で書かれているように、心血管疾患のリスクとも関連していると考えられています。それは、後日記事にする予定です。

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