母親の摂食障害や低体重およびBMIの増加は子供の精神疾患リスクを増加させる

当然ですが、子供は母親から生まれてきます。体は食べたものでできています。妊娠中の胎児は、母親の食事に依存して、体を発達させるわけですから、妊娠前や妊娠中の食事は生まれてくる子供にとって、非常に重要です。

今回の研究では、392,098人の母親とその子供649,956人が対象です。母親の平均年齢は30.15歳、6,273人(1.60%)の母親は摂食障害の履歴があり、23,114人(5.89%)の母親は妊娠前に低体重であり、208,335人(53.13%)の母親は太りすぎまたは肥満(134,584人(34.32%)が太りすぎ、49,909人(12.73%)が肥満、23,842人(6.08%)が重度の肥満)でした。

子供649,956人のうち、出生から7歳から17歳までに、106,777人(16.43%)の子が神経発達障害または精神障害と診断されました。

19,641人(3.02%)は気分障害、33,687人(5.18%)は不安障害、3,700人(0.57%)は乳児期および小児期のその他の摂食障害、3,753人(0.58%)は睡眠障害、5,684人(0.87%)は知的障害、41,570人(6.40%)は特定の発達障害、9,659人(1.49%)はASD、32,242人(4.96%)はADHDまたは素行障害、8,523人(1.31%)は社会的機能障害およびチック障害と診断されました。

上の図は母親の摂食障害と子供の精神疾患診断との関連性です。

最も調整されたモデルで最も大きな効果サイズが見られたのは、睡眠障害(母親の何らかの摂食障害では2.36倍、神経性無食欲症(神経性やせ症)では2.12倍、神経性過食症は2.35倍、特定不能の摂食障害では3.34 倍)と社会機能障害およびチック障害(摂食障害で2.18倍、神経性無食欲症(神経性やせ症)で2.16倍、神経性過食症で2.48倍、特定不能の摂食障害では2.79倍)でした。

母親の摂食障害と有害な出産転帰の両方を伴う子では、乳児期および小児期の子の摂食障害のリスクが4.53倍神経性無食欲症4.30倍、神経性過食症4.46倍、特定不能の摂食障害4.25倍と著しく高くなりました。

上の図は母親のBMIカテゴリーと子供の精神疾患診断との関連です。乳児期および小児期のその他の摂食障害および睡眠障害を除く、分析したこどものすべての精神疾患診断について、母親の妊娠前低体重との関連がありました。不安で1.10倍、知的障害で1.33 倍、特定の発達障害で1.18倍、および社会的機能およびチック障害で1.18倍でしたが、効果サイズは小さくなりました。
妊娠前の母親の太りすぎと肥満については、乳児期および小児期の他の摂食障害と睡眠障害を除くほとんどの精神疾患診断との関連が検出され、BMI の上昇とともに効果サイズが高まりました。
最大の効果サイズは知的障害で観察され、太りすぎで1.25倍、肥満で1.61倍、重度の肥満では2.04倍でした。

母親の食事はダイレクトにお腹の子供の発達に関わります。栄養が少なすぎても問題ですが、糖質が多すぎて肥満となり、高血糖やインスリン抵抗性増加が起きても、胎児に問題が起こるリスクが高くなります。

子供が欲しいと思ったら、妊娠前から食事を改善しなければならないでしょう。

「Maternal Eating Disorders, Body Mass Index, and Offspring Psychiatric Diagnoses」

「母親の摂食障害、BMI、そして子供の精神疾患診断」(原文はここ

2 thoughts on “母親の摂食障害や低体重およびBMIの増加は子供の精神疾患リスクを増加させる

    1. 鈴木武彦さん、コメントありがとうございます。

      以前は妊娠中尿にケトン体が出ただけで、すぐに点滴されていましたね。
      今はどうなんでしょう?

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