以前私は、糖質過剰摂取時代には、運転するときなどの眠気覚ましに、よくガムを噛んでいました。スーッとして多少は眠気が少なくなり、味が無くなるとまた次のガムを噛んだりして、ごまかしていました。
でも、今の時代ガムを噛んでいる人って激減しているように思えます。だって、道端にほとんど落ちていないですよね?昔はよくガムを踏んづけて、靴の裏にくっついて困っていましたが、そんな経験は最近は皆無です。それともガムを外で道端に吐き出す人が減っただけでしょうか?
まあ、どっちでもいいのですが、このガム、毎日噛んでいると大量のマイクロプラスチックを飲み込むことになりそうです。最近のガムは、虫歯にならないように、糖質ゼロであったり、キシリトールを使っていたりしますが、ガムベースは恐らく必ず入っています。例えばロッテのキシリトールガムの成分表にもガムベースと書かれています。
このガムベースって、合成の場合、石油由来のプラスチックですよね。キシリトールが入っていて、歯には良いかもしれませんが、健康には悪い可能性があります。
サンディエゴで開かれた、アメリカ化学会(ACS)の会議ACS Spring 2025で発表された内容です。
ガムはガムベース、甘味料、香料、その他の原料から作られています。天然ガム製品では、チクルというものやその他の樹液などの植物ベースのポリマーが使用されているそうですが、その他の製品では石油ベースのポリマーから作られた合成ガムベースが使用されています。
この研究では、市販されている合成ガム5種類と天然ガム5種類を、各ブランドから7個ずつを噛みました。ガムを4分間噛み、30秒ごとに唾液のサンプルを採取し、最後にきれいな水で口をゆすいで、そのすべてを1つのサンプルにまとめました。
また別の実験では、唾液サンプルを20分以上定期的に採取し、各ガムからのマイクロプラスチックの放出率を調べました。
その結果、ガム1グラムあたり平均100個のマイクロプラスチックが放出され、ガムによっては1グラムあたり600個ものマイクロプラスチックを放出していました。ガム1個の重さは2~6グラムなので、大きなガム1個から最大3,000個のマイクロプラスチックが放出される可能性があります。ちなみに先ほどのロッテのキシトールガムは1個1.5gと小さいです。毎日ガムを噛む習慣がある人は相当な量のマイクロプラスチックを摂取していることになります。まあ、紙コップを使ったり、ペットボトルから摂取するマイクロプラスチックの数を考えれば、誤差範囲レベルかもしれませんが。
しかも驚くことに、合成ガムも天然ガムも噛んだときに放出されるマイクロプラスチックの量は同程度だったのです。また、これらにはポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアクリルアミド、ポリスチレンといった同じポリマーも含まれ、両タイプのガムに最も多く含まれていたポリマーは、ポリエチレンやポリプロピレンを含むプラスチックのグループであるポリオレフィンだったのです。
ガムを噛んで最初の2分以内にマイクロプラスチックの大部分が剥がれ落ち、8分間噛んだ後、テスト中に集められたプラスチック粒子の94%が剥がれ落ちました。マイクロプラスチックに晒される可能性を減らしたい人は、新しいガムを噛むのではなく、1枚を長く噛む方が良いでしょう。でも味が無くなったガムをずっと噛んでいるのは、私は苦痛だったので、新しいガムを噛んでいました。
計測できたのは大きさが20μm(0.02mm)以上のマイクロプラスチックに限られたので、唾液にはもっと小さなマイクロプラスチックが放出される可能性もあります。
現代の生活では、マイクロプラスチックから逃れることはできません。すぐに健康被害はありませんが、でも、少しでも摂取量は少なくしたいと私は思っています。(無理ですが…)まあ、ガムを噛む理由もないので、今は噛む機会は全くありません。
(記事はここ参照)