糖尿病があると、若い世代であっても突然の心臓死がなんと7倍にも上昇するそうです。先日の記事「妊娠中の高血糖は赤ちゃんの心臓の成熟を妨害する!」と合わせて考えると、もしかしたら、生まれた後であっても、高血糖は動脈硬化だけでなく、心筋細胞そのものに悪さをしているのかもしれません。
とにかく、高血糖や高インスリン血症を避ける努力が必要です。子供は自分ではそれを避けることができないので、親の仕事になります。子供にしっかりと食育をしましょう。
「 Young Persons With Diabetes Have a 7-Fold Increased Risk of Sudden Cardiac Death Compared to Persons Without Diabetes: A Nationwide Cohort Study in Denmark」
「糖尿病の若者は、糖尿病のない人と比較して7倍の突然の心臓死のリスクを増加させる:デンマークでの全国コホート研究」(原文はここ)
要約
糖尿病の患者は、一般集団と比較して全死因死亡率を増加させてきた。1型糖尿病および2型糖尿病の小児および若年者の死亡率および死亡原因は、これまで全国的に検討されていなかった。1型糖尿病および2型糖尿病の小児および若年者の全死因死亡率および心臓死死亡率を調査することが目的である。さらに、糖尿病を有するものと有していないものの死亡率の比率を算出することを目的とした。
方法と結果:調査集団は、2000-09年に1-35歳、2007-09年に36-49歳のデンマークのすべての人で構成され、2710万人/年に相当する。10年間で14,294人の死亡がすべて含まれ、死亡診断書および剖検報告の情報に基づいて死亡原因が確認された。デンマークの薬局から調剤されたすべての処方に関する情報を保持しているデンマーク登録医薬品統計は、1型糖尿病(インスリンまたはインスリン類似体による治療のみ)および2型糖尿病(他の抗糖尿病薬+/-インスリン)の患者を特定するために使用された。14,294人の死亡者のうち、669人(5%)が糖尿病を有し、471人(70%)が1型糖尿病を有し、198人(30%)が2型糖尿病を有していた。糖尿病を有する人は、全死因死亡率は年間10万人当たり235人であり、糖尿病のない人(51人)と比較して死亡率比は5倍であった。糖尿病患者の主要な死亡原因は心臓病(230人、34%)であり、糖尿病ない人と比較して死亡率比は8倍であった。糖尿病患者のうち、118人(17%)が心臓突然死を起こし、糖尿病ない人と比較して死亡率比は7倍であった。剖検死亡例における心臓突然死の最も一般的な原因は、冠状動脈疾患(18人、47%)および突発性不整脈死症候群(10人、26%)であった。
結論: 糖尿病を有する小児および若年成人は、糖尿病ない同年代の人と比較して、全死因死亡率が5倍増加し、心臓突然死のリスクが7倍増加した。この研究は、糖尿病を有する若者の継続的な心血管リスクのモニタリングおよび管理の必要性を強調している。