タンパク質の摂りすぎは腎臓に負担をかけ、腎機能を低下させると考える人がいます。医療では一般的にその考えが広まっています。これは1982年の論文(ここ参照)のBrenner(ブレナー)仮説が元になっていると考えられます。40年以上前の仮説です。
Brenner仮説は、腎臓の病態生理、特に慢性腎臓病(CKD)の進行メカニズムを説明する非常に重要な理論とされ、この仮説の根幹は、「タンパク質の過剰摂取が腎臓への負担(糸球体過剰ろ過)を招き、それが長期的に腎機能を低下させる」という点にあります。eGFRで示される糸球体ろ過率は低下すると腎機能の低下と考えられるのに、タンパク質を摂取した場合にeGFRが増加すると、それは過剰ろ過と言われてしまいます。都合が良いですね。
この春の私の健康診断で、BUN(尿素窒素)が24.4mg/dLあったため、腎機能の「要検査」項目が付けられてしまいました。私が毎日100g以上のタンパク質を摂取しているなんていうのは診断医はもちろん知りません。その人の生活や食事の内容も知らない人間が診断、判定をしてしまいます。
1999年の研究では、40歳前後の65人を対象として、脂質をエネルギー摂取量の30%として、高タンパク質食(HP:25%)または低タンパク質食(LP:12 %)の食事として、6か月間の介入試験を行いました。次のような結果になりました。(図は原文より)
図の一番上から、糸球体ろ過率、腎臓容積、腎臓容積当たりの糸球体ろ過率、血中クレアチニン、血中尿素(尿素窒素と同じような意味)、尿中クレアチニン、尿中アルブミンです。
食事性タンパク質摂取量は、LP群では91.1g/日から6か月間の介入で平均70.4g/日に、HP群では91.4g/日から107.8g/日に変化しました。糸球体ろ過率は、はLP群で-7.1ml/分(約8%減少)、HP群で+5.2ml/分(約5%増加)変化しました。低タンパク質群はろ過が少なくなったので、糸球体ろ過率が減少したのですか?ろ過率が減少したのに腎臓の負担が減ったから、これは腎臓に有利なんでしょうか?ろ過率の低下は、普通腎機能の悪化を意味します。
腎臓容積はLP群で-6.2cm3減少し、HP群で+9.1cm3増加しました。腎臓容積当たりの糸球体ろ過率で見ると、どれも違いがありません。
血中クレアチニンはHP群で上がっていません。血中尿素はタンパク質摂取量が増加しているので、当然増加しています。
尿中アルブミンはHP群でかなりの低下です。これって、腎臓にとって良いことではないですか?
もちろん、この研究は6か月間という短い期間の研究です。長期的に見たらどうなるかはわかりませんが、少なくともタンパク質を増やして、腎機能が悪化するという結果にはなっていません。
糖質制限では、タンパク質摂取量が増加します。私の腎機能は10年以上経っても悪化していません。今日も私はたっぷり肉を食べます。
専門家が推奨することの反対のことをすると健康になれます。
「Changes in renal function during weight loss induced by high vs low-protein low-fat diets in overweight subjects」
「過体重被験者における高タンパク質・低脂肪食と低タンパク質・低脂肪食による減量中の腎機能の変化」(原文はここ)

糖質制限と運動で健康です。
これからも継続します。
来週の糖尿病学会の抄録集が出ました。昨年のシンポジウムは糖質制限の話題もあり大盛況でしたが、今年は腸内細菌、時間栄養学、タンパク質制限推奨(ショウジョウバエ研究でした)というラインナップ…学会は変わらないですねぇ
IgA腎症患者さん、コメントありがとうございます。
学会に期待するだけ無駄です。