オメガ3は健康的だと考えられています。しかし、それをサプリメントで摂取している人もいるでしょう。オメガ3サプリメントは高齢者の認知機能にどのような影響を与えるでしょうか?
今回の研究では、アルツハイマー病神経画像イニシアチブ(ADNI)データベースのデータを使用して、オメガ3サプリメント摂取と認知機能の長期的な低下との関連性を評価しました。
55歳から90歳までの1,814 人データで、オメガ 3 非使用者 1,541 人、使用者 273 人でした。最終的なコホートには、マッチングされた非使用者 546 人、使用者 273 人が含まれており、追跡期間の中央値は 5 年でした。(図は原文より)
上の図は、オメガ3サプリメント摂取に関連する認知機能の変化です。オメガ3摂取群(赤)と非摂取群(青)におけるMMSE(A)、ADAS-Cog13(B)、CDR-SB(C)スコアの変化を示しています。それぞれのスコアの内容は省略しますが、オメガ3摂取群では時間の経過とともに認知機能の低下がより速いことが示されました。
上の図は、アミロイドβ沈着 (Meta-ROI FBP SUVR)、タウ凝集 (Meta-ROI FTP SUVR)、灰白質体積 (Meta-ROI GMV) の経時的変化です。これらはオメガ3サプリメント摂取の有無とは関係ありませんでした。まあ、もちろんアミロイドβ自体、認知症の原因でもありませんので、違いがなくても当たり前なのかもしれません。
上の図は、オメガ 3 摂取群 (赤) とオメガ 3 非摂取群 (青) の脳の複合領域 FDG SUVR の変化です。これは何を示しているかというと、脳のブドウ糖代謝です。オメガ 3 サプリメント摂取群の方がブドウ糖代謝低下が速いのです。このことがオメガ 3 サプリメント摂取と認知機能低下との関連を媒介している可能性があります。
オメガ 3 サプリメントが脳の神経細胞の機能低下を起こすメカニズムは何でしょう。
脳のブドウ糖代謝低下は、酸化ストレスとミトコンドリア機能障害に関連している可能性があります。オメガ3多価不飽和脂肪酸は抗炎症作用と抗酸化作用があることがよく知られていますが、特にDHAの高度に不飽和な構造は、脳ミトコンドリア内で最も酸化されやすい脂質となります。その結果生じる過酸化生成物は、ミトコンドリア膜の完全性を直接損ない、酸化的リン酸化を阻害し、エネルギー代謝を障害し、活性酸素の産生を悪化させ、それによって悪循環を起こしてしまうのかもしれません。
もちろん、これはランダム化した試験ではないので、本当のところはよくわかりません。
オメガ 3サプリメントの多くはすでに酸化しているものが売られています。(「オメガ3サプリメントの品質は怪しい」参照)
身体に良いと思っていたサプリを摂取して、逆に不健康になる。サプリではよくあることでしょう。
サプリを過信せず、オメガ3は魚から摂りましょう。
「The association between omega-3 supplementation and cognitive decline in older adults」
「高齢者におけるオメガ3サプリメント摂取と認知機能低下との関連性」(原文はここ)


