5日間の断食に対する生理学的および心理学的反応

食事を1回でもしないとエネルギー切れを起こすと信じている人がいます。朝食を抜いたら、午前中動けない、頭が回らない、なんて思っている人もいるでしょう。そんな人には断食なんてもってのほかかもしれません。

今回の研究では、平均年齢49.8歳の健康な女性42人を対象に、5日間の断食を行ってもらいました。120時間一切の食物を摂取しませんでした。水のみを飲むことができ、午前7時に起床し午後10時に就寝するという毎日のスケジュールを守らなければなりませんでした。

5 日間の断食期間中に、全体的な健康を高めるために最適な身体活動、サウナセッション、マッサージを組み込んだ、健康的な日常生活に近い生活習慣を作り出すことを目指しました。参加者は毎朝50分間の朝の運動セッションに参加しました。毎日、最大心拍数の50~70%の強度で屋外を5~7km 歩きました。毎日、専門家による教育および心理セッションに出席しました。断食の2日目には、60分間の全身リラクゼーションマッサージを受け、3 日目には70℃のサウナを15~20分のコースで3回入りました。断食期間中、参加者の状態は医師によって監視されました。

5日間の断食でどのような変化が起きたでしょう。

参加者の83%は、職場で座位または立位の作業に従事していました。平均して、女性は生活の幸福度を10点満点中7.7、生活満足度を8.3と評価しました。平均BMIは30.8でした。

研究に参加した女性の半数は運動をしており、高いレベルの身体活動(3189.9 MET  分/週)を維持していました。参加者の 56% は喫煙せず、22% は飲酒せず、61% は朝食をとり、22% は食べ過ぎないようにしていました。参加者の 72%が過去 5 年間で体重が減少していたものの、実験開始前の 3 か月間は体重減少を経験していませんでした。この 5 年間に体重が減少した女性の平均減量は 10.5kg で、このプロセスには平均約 4.7  か月かかりました。

下の図のように、5日間の断食期間中に、体重は4.25 kg(4.8 %)減少し、脂肪量は1.07 kg(3.7 %)減少し、除脂肪体重(LBM)は3.18 kg(5.4 %)減少しました。(図は原文より)

注目すべき点はエネルギー消費量でしょう。基礎エネルギー消費量(BEE)が2.5 %減少しましたが、相対BEE(体重当たりの消費量)(kcal/kg/日)は有意に増加しました。

イリシンはわずかに有意に減少し、TNF-αは増加しましたが、BDNFまたはアディポネクチン濃度には有意な変化はありません。収縮期血圧と拡張期血圧(SBPとDBP)は、5日間の絶食期間中に有意な変化は見られません。腹囲は6.6 cm(6.34 %)減少しました。なぜか内臓脂肪面積(DWF)はむしろ増加する傾向にありました。

意外なことに、IL-6やTNF-αは増加しました。

レプチン(4.22→1.54)、インスリン(4.97→1.61)、血糖値(93.6→66.6mg/dL)は顕著に減少し、ケトン体は下の図のBのように約5倍増加しました。

上の図のAのように、すべての気分指標のうち、5日間の断食後、活力が増加し、緊張が減少しました。

上の図のように、5日間の断食中の脂肪量とLBM(除脂肪量)の減少は、初期のアディポネクチン濃度と有意に相関していました。つまり、断食前のアディポネクチンレベルが高いほど、断食による脂肪量の減少が大きく、LBMの減少は小さいことがわかりました。さらに、断食前のTNF-αの濃度が高いほど、断食中のBMIの減少が大きくなりました。興味深いことに、初期の緊張と衝動性のレベルが低いほど、そして感情知能(EI)が高いほど、5日間の断食中の脂肪量の減少が大きいことがわかりました。

逆に、神経症傾向および緊張度が高いほど、断食中のLBMの減少が大きくなりました。断食期間中、LBMとBEEは並行して減少しました。逆に、脂肪量の減少が大きいほど、BEEの減少は小さくなりました。

たった5日間の断食でも大きな変化が起こります。それをどう解釈すればいいかはわからない部分も多いです。例えば、IL-6やTNF-αの増加は炎症の複雑さを示しています。長い断食は飢餓に直結するために、健康的な反応ばかりではないのかもしれません。ただ、活力が増加し、緊張が減少したのは、興味深い反応です。

また、神経症傾向および緊張度が高いほど、断食中のLBMの減少が大きくなったことも、面白いことです。感情の状態が脂肪減少メカニズムに関連している可能性があるかもしれません。心理的素因と代謝も関係してるかもしれません。

食事とメンタルの問題が結びついていない人が多すぎです。

このような長い断食は良い面と悪い面があるかもしれません。しかし、短い断食は私は健康的だと考えています。現代の人間は頻繁に食べすぎです。

「Physiological and psychological responses to five-day fasting」

「5日間の断食に対する生理学的および心理学的反応」(原文はここ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です