ダイエット飲料は糖尿病性網膜症のリスクを高めるかもしれない

糖尿病になったとき、血糖値を上げないようにと、いわゆる「ダイエット飲料」、つまり人工甘味料を使用したドリンクを自分で選択したり、誰かが推奨することがあるかもしれません。

しかし、本当にダイエット飲料は糖尿病に有利に働くのでしょうか?これまでにも記事「人工甘味料はやっぱり良くない?逆に肥満のリスク?」や「妊娠糖尿病に人工甘味料は全く有益ではないかも?」などで人工甘味料の問題点を書いてきました。

今回は、糖尿病の合併症のひとつ、失明の原因ともなる糖尿病性網膜症が、人工甘味料を含んだダイエット飲料を飲むことにより非常にリスクが高くなるという研究です。

ダイエット飲料を1週間に1.5リットル以上飲むと、ダイエット飲料を飲まない場合と比較して、増殖性糖尿病性網膜症のリスクが2.5倍にもなります。普通のソフトドリンクの摂取とは関連は認めませんでした。もちろんだからと言って糖質たっぷりのソフトドリンクを勧めているわけではありません。

砂糖であろうが、人工甘味料であろうが、甘いものを求めるのはやめた方が良さそうです。人工甘味料は恐らく生物が処理できるものではないのかもしれません。工業製品を摂取する危険性を認識するべきでしょう。

ダイエット飲料はあなたの味方ではありません。

 

「Diet soft drink is associated with increased odds of proliferative diabetic retinopathy」

「ダイエットソフトドリンクは、増殖性糖尿病性網膜症の増加したオッズと関連している」(原文はここ

抽象
重要性
ソフトドリンクの摂取は心血管疾患のリスクを高めるかもしれないが、ソフトドリンクの消費と糖尿病の合併症との関係は不明である。

背景
通常のソフトドリンクとダイエットのソフトドリンク消費と、糖尿病性網膜症(DR)や糖尿病性黄斑浮腫(DME)との関連を探る。

対象

オーストラリア、メルボルンの眼科から募集された糖尿病の成人患者

結果
609人のうち、285人(46.8%)がダイエット飲料、190人(31.2%)が通常のソフトドリンクをそれぞれ消費した。糖尿病性網膜症がない人が230人(37.8%)、軽度の非増殖性糖尿病性網膜症が36人(5.9%)、中等度の非増殖性糖尿病性網膜症が154人(25.3%)、重度の非増殖性糖尿病性網膜症が28人(4.6%)そして増殖性糖尿病性網膜症146人(24.0%)だった。ダイエットのソフトドリンクの高い消費量は、飲まない場合と比較して増殖性糖尿病性網膜症を有する可能性の増加(オッズ比2.51)と独立して関連していた。対照的に、通常のソフトドリンクは糖尿病性網膜症または糖尿病性黄斑浮腫に関連していなかった。

結論と関連性
1.5リットル/週のダイエットソフトドリンクの消費は、糖尿病患者において増殖性糖尿病性網膜症を有するリスクが2倍以上になる。関連とその基盤となるメカニズムをさらに解明するためには、縦断的研究が必要である。

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