すい臓のβ細胞はインスリンを分泌しています。ですから、β細胞の機能が障害されると、高血糖となり、糖尿病となってしまいます。このβ細胞の機能と食事の中の栄養素摂取との関連を調べた研究があります。
β細胞の機能を測定する方法は完全には確立されていませんので、もちろん絶対的な結果ではありません。しかし、非常に示唆に富んだ研究です。
その結果は、一価不飽和脂肪酸、食物コレステロール、および食物繊維摂取は、β細胞の機能の改善と関連しており、多糖類およびトランス脂肪摂取は、β細胞の機能の悪化と関連していました。タンパク質との関連は認めませんでした。単糖類や二糖類でも関連は認めませんでした。
多糖類と言えば、つまりデンプンです。多糖類の主な供給源は、米、麺類、ジャガイモ、パンなどです。お米やパンや麺はほとんどが精製された炭水化物からできています。これらの精製された炭水化物とジャガイモは、その高い血糖負荷を介してグルコース恒常性に大きな影響を与えていると考えられます。
脂肪の摂取については一価不飽和脂肪酸とコレステロールに関してはβ機能を良くするという結果です。オメガ3は恐らく良く、一部の群で改善、飽和脂肪は一部の群で悪化という結果でした。
そもそもアンケートによる調査をした結果なので、かなり限界はあると思います。また、オランダ人を対象としているので、日本人とは全く食生活が異なるので、そのまま日本人に当てはまるかどうかは何とも言えませんが、多糖類、つまりデンプンに関してはかなりはっきりとしたβ細胞の機能と負の関連が認められていますので、やはりいわゆる主食は糖尿病を招く危険が高いと考えて間違いないでしょう。
「Prospective associations of dietary carbohydrate, fat, and protein intake with β-cell function in the CODAM study」
「CODAM研究における食物炭水化物、脂肪、およびタンパク質摂取とβ細胞機能との予想される関連」(原文はここ)