バターはあなたに害を与えない

バターを代表とする動物性脂肪は飽和脂肪酸が多いので健康に良くないと以前は考えられてきました。いわゆる「脂肪悪玉説」です。しかし、動物性脂肪を植物性脂肪に置き換えたところ逆に健康を害する人が増えてしまいました。コレステロールも高い方が死亡率が低いという証拠も出てきました。それにもかかわらず、相変わらず飽和脂肪酸を有害だとする医師がいますが、私が好きではないエビデンスはバターが無害だということを示しています。(図は原文より)

上の図は、バターの消費と全原因死亡のリスクを表しています。バターの1日の量で14g毎に全原因死亡リスクが1%、たった1%高くなります。1%を気にするのであればバターをやめても良いでしょう。しかし、データは食事のアンケートで得られたものだということを考えると、このような微妙な差は無視できます。

次の図は、バター消費と脳卒中のみ、冠動脈疾患のみ、全心血管疾患のリスクを表しています。どれも関連性を認めません。

 

この図は、バター消費と2型糖尿病のリスクを表しています。何と関連性を認めました。1日あたり14gのバターが2型糖尿病のリスクを4%させました低下した。まあ、これも食事のアンケートによるものなので誤差範囲かもしれませんが、バターを食べるほど糖尿病にはなりにくい可能性があります。

バターが体に悪いという考え方は、もともとLDLコレステロール値を上げるからという研究に基づいているらしいのですが、バターを食べるとLDLコレステロール値は上昇するのでしょうか?もし上昇したとしてそのLDLは本当に悪玉なのでしょうか?根拠が無さすぎます。

もちろん、バターの代わりにオリーブオイルを摂った方がより健康的かもしれません。しかし、少なくともバターを食べることに重点を置くことは、死亡率、心血管疾患、または糖尿病の大きな違いとは関連していない可能性があることを示唆しています。バターは私たちに無害だと考えられます。バターコーヒーが有害だということはありません。好きであれば安心して飲んでください。

 

 

「Is Butter Back? A Systematic Review and Meta-Analysis of Butter Consumption and Risk of Cardiovascular Disease, Diabetes, and Total Mortality」

「バターは戻っていますか?バター消費と心血管疾患、糖尿病、および全死亡のリスクの系統的レビューおよびメタ分析」(原文はここ

 

4 thoughts on “バターはあなたに害を与えない

  1. 私らこ は毎日10gバターを食べます。LDLは基準値以下、HDLは基準範囲を越して多いです。オメガ3摂取は毎日しています。調理油は出来る限りオリーブ油です。バター炒めも食べます。害は全く感じません。

    1. らこさん、コメントありがとうございます。

      多くの油脂には罪はありません。人間に必要なものです。

  2. 清水先生、こんにちは。

    ケトン食療法で、バターは毎日齧っていますが、最近になって、近所にあるスーパーに買い物に行ったら、何故だかバターが全部品切れになっていました。棚からきれいさっぱり、姿を消していたのです。
    有塩、無塩を問わず、バターが消えてしまいました。
    一方、バターのすぐ隣に置かれてある各種マーガリンは、普通に残っていました。
    トランス脂肪酸の塊であるマーガリンなんぞ食べるわけにはいきませんので、バターは泣く泣く諦めました。
    これは本当に許し難い事態です。
    トイレットペーパーと同じく、次々に買い占めている連中がいるのでしょうか?
    先日は納豆まで棚から消える事態がありました。現在は少しだけ買えるようになりましたが・・・。

    清水先生のお近くのスーパーでは、どうでしょうか?バターは品切れになっていますか?

    1. クリードンさん、コメントありがとうございます。

      近所のあるスーパーもバターが品切れ状態でした。
      でも、なんででしょうか?学校が休校であることや外出自粛で、ホットケーキの粉などが品切れになっていることと関係があるのでしょうね?
      バターは良いですが、小麦粉などの粉物は糖質たっぷりなので、新型コロナには良くないのですが・・・

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