皆さんにいただいた血液データをなかなかまとめる時間がなかったことと、一度かなりまとめた後にデータを間違えて消してしまったため、ご報告が遅れてしまいました。申し訳ありませんでした。
まだまだ、血液データは募集しておりますので、まだデータを入力していない方はどんどん送っていただけたら助かります。
とりあえず中間報告という形です。サンプルは59名です。予想通り、私のブログを見ていただいている方は糖質制限をしている方が大半でした。マラソン等のスポーツをしている方もたくさんいらっしゃいました。そうではない方のデータと比較をしてみたいと思ったのですが、比較するほど糖質制限をしていない人がいませんでしたので、今回は糖質制限をしている方の分析です。
今回の記事は最もみなさんが不安になっているであろう、糖質制限時のLDLコレステロールの上昇についてです。
日本人の一般的なデータと比べるとかなりの違いがあることがわかりました。
ピンクの部分が高LDLコレステロール血症という定義に当てはまる140mg/dL以上の人です。
対照となる一般の日本人3,423人のデータが青いグラフで、糖質制限をしている人が赤いグラフです。日本人のデータはほぼ正規分布のようになっていますが、糖質制限の場合はかなりばらけています。そして、高LDLコレステロール血症という定義に当てはまる140mg/dL以上の人割合は日本人で20%ですが、糖質制限ではなんと51%にもなります。しかも、220を超える人もいます。220を超えた人はすべてスーパー糖質制限を行っていました。
糖質制限のサンプルが非常に少ないので、何とも言えないところはありますが、恐らくは糖質制限をすると、LDLコレステロールがいわゆる正常値を超える人が非常に多くなると考えられます。糖質制限をしている年数によるデータは今回ありませんので、年数が長くなると落ち着くのかどうかは不明です。
そして、LDLコレステロール値は何と関連しているのかいろいろ見てみたのですが、あまりはっきりしたものはないようです。すべて関連を調べたわけではありませんが。ただ、BMIとの関連は弱いですがありました。相関係数はー0.3です。つまり、BMIが低いほどLDLコレステロール値が高くなります。
これは一般的な認識とは反対ではないでしょうか?通常は肥満になるほどLDLコレステロール値は増加すると考えられていませんか?最近の研究ではBMIとLDLコレステロールは関連していないとされているものがありますが、多くは非常に高度の肥満の人の評価であり、糖質制限をしている人のようなBMIが20前後の人たちのデータはあまりありません。
しかし、今回のこのBMIとLDLコレステロールの負の相関関係は私の考えに一致しています。つまり、痩せていて、糖質制限をしていると、体の様々な組織の脂質でのエネルギー要求が高くなります。そうするとどんどんVLDLを作っては運び、作っては運びを続けなければなりません。その結果VLDLはすぐに消失しますが、LDLはたくさんできてしまうのです。だから、BMIが高く、末梢の組織に脂肪の余裕がある人ほどLDLコレステロール値は低く、BMIが低い人であったり、持久系のスポーツなどで末梢の組織の脂肪の余裕が少ない人、または体の要求量よりも脂質の摂取量が少ない人はLDLコレステロール値が高くなるのではと考えています。ただ、今回の集計ではマラソンなどとLDLコレステロール値が低いことは関連がないようでした。脂質摂取量はわかりませんので十分な脂質を摂取できているかどうかはわかりません。だから、この私の考えは正しくない可能性もあります。個人差が大きいのかもしれません。
中性脂肪との相関も見てみましたが、みなさん非常に優秀で、中性脂肪値は一般の人と比べてかなり低い人がほとんどでした。今回のデータでは、中性脂肪値とLDLコレステロール値は相関は認めませんでした。
このLDLコレステロール値が上昇した人たちに、何も考えないでガイドラインを遵守するまじめ(?)な医者はスタチンを処方しようとします。
このようにLDLコレステロールが上昇することをもって、糖質制限は危険だというのは早計です。これまでもいろいろ記事にしたようにLDLコレステロール値はほとんど役に立たない指標です。スタチンを処方するための数字だとも言えます。
血液データなどの基準値、正常値は所詮糖質過剰摂取状態の人で健康な人がほとんどが当てはまると考えられる数字です。糖質制限をした場合にはこの基準値が当てはまらない可能性があります。新たな基準値が必要かもしれませんし、基準値すら必要ないかもしれません。
データ分析お疲れ様です。
特にスーパー糖質制限レベルの統計分析はあまりお目に掛かる機会がありませんから、申告制とはいえかなり信憑性の高いデータが集まっていることも期待できそうな気がします。
実際にやっている人達は自分の成果が気になっても基本的にn=1のデータしか目に出来ないし信頼できませんから、このような機会をいただいてわざわざ申告データを”盛る”必要はない(または極めて少ない)のではないかと思います。
お忙しい中で大変でしょうが、非常に貴重で割と信頼性が高そうな(失礼^^;)データの収集そのものにも価値がありそうです。今後の先生の明晰なご活用を期してワクワクしております。
ねけさん、コメントありがとうございます。
今回のデータはスーパー糖質制限に限らず、プチもスタンダードもMECも含んでいます。
ただ、ほとんどの人はスーパーです。
割と信頼性があるとうれしいです。
清水先生
LDL220超えの私としては、大変に安心させて頂ける結果でした。
ありがとうございました。
スーパー糖質制限開始前は、ずっと正常範囲内であつたのに、なかなか下がりません。
下がらないコレステロールと30台をキープする中性脂肪が糖質制限後の変化でした。
糖質制限推奨派の医師の方でも、スタチンを処方されようとなさるので、2型糖尿病なのに、かかりつけ医が無い状態が続いている状態のため、心配でした。
糖質制限者に絞った集計は、貴重ですし、見えてくるものにワクワクしますね。
サンプル数が沢山集まるといいなぁと期待しております。
又、解説もよろしくお願いいたします。
沖しらねさん、コメントありがとうございます
この結果はLDL高値が安全であるということは言っていません。ただ、糖質制限をするとLDLが上昇することは
決して珍しいことではないと考えられます。
しかし、近日中に記事にする、中性脂肪とHDLの値を見ると、恐らくLDL高値でも安全ではないかと
思われます。
おっしゃるようにまだサンプル数が少ないので、確かなことは言えないというのはあります。
皆さんのデータをもっといただければ助かります。
清水先生こんにちは
断食、断糖、糖質制限すると
脂質代謝になりますケトン体が
エネルギーとなります細胞がケトン
体をエネルギーとして消費したあと
アセトンが残りますアセトンは
水分に溶けやすくあらゆる油脂
とかす両親煤性の有機溶剤です
この微量なアセトンが血液水分
に溶け身体血管をアセトン洗浄
してると思います。血管、毛細
血管のコレステロールを洗浄する
のでLDL値が上がるのではないの
でしょうか?有機溶剤アセトンが
身体血管を循環して何も仕事を
しない方がおかしな話です
先生のブログより以下
39年前の古い論文
http://promea2014.com/blog/?p=2349
アセトンは血漿グルコース、脂質
およびタンパク質中に存在した。
以上
これはアセトンが血漿グルコース
に存在して脂質、タンパク質を抽出
洗浄したものだと思います
アセトンは脳細胞には届かな為
アセト酢酸とし届きCO2があった
場合アセトンに変化して脳内洗浄
をしてると思います
山崎勝巳さん
申し訳ありませんが、私にはよくわかりません。
清水先生こんにちは
カネミ油症(PCB)事件が断食で
改善してます、脂質代謝アセトン
洗浄力だと思います
アセトンは微量PCB抽出試薬につか
われてます
”黒い赤ちゃん” カネミ油症事件の時に
断食療法が行われていたことが判明
http://karada465b.minibird.jp/post-1029/
低濃度PCB含有廃棄物に関する測定方法
https://www.env.go.jp/recycle/poly/manual/teinoudo_ver3.pdf