妊婦さんは卵を食べよう その1 子供の認知能力

妊娠中に必要な栄養素はいろいろとあります。その中で、比較的日本では注目されていない栄養素と言えばコリンかもしれません。日本ではコリンの摂取基準は設定されていません。

コリンは妊娠中に需要が非常に高まります。血中のコリン濃度は成人より胎児や新生児の方が6~7倍高いそうです。胎児のコリン濃度の増加は、組織へのコリン利用能増加を示しているのでしょう。

今回の研究は、そのようなコリンの胎児の脳への影響を調べたものです。

妊婦さんを2つのグループに分け、1日あたりコリン摂取量を480mg、930mgとしました。また、他の栄養素(コリンの代謝物質、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸など)を同じ摂取量に調整して与えられました。

新生児の生後4、7、10、13ヶ月に、一定時間内における情報処理速度、視空間性記憶(短期記憶)を評価したところ、母親のコリン摂取量と子供の認知機能・能力に相関関係が認められました。(図は原文より)

上の図は横軸が生後の月数です。縦軸が反応時間を示しています。青いグラフが妊娠中のコリンの量480mg、赤いグラフが930mgです。930mgの方が有意に結果が良いことがわかります。この他にも、480mgの摂取量を長い日数摂った方が反応時間が短いこともわかりました。

コリン480mgは決して少ない量ではなく、アメリカの推奨摂取量(450mg)よりも少しだけ多い量です。ここで行われたテストは小児期のIQと相関することが示されているそうです。しかし、多くの妊婦さんは推奨摂取量の450mgさえ下回っていると考えられています。

コリンを多く含む食品は、100g当たりでは卵の黄身(682mg)、牛レバー (418 mg)、全卵(251mg)、鶏レバー(195mg)、ベーコン(125 mg)、乾燥大豆 (116 mg)、豚肉 (103 mg) 、牛肉の赤身(85mg)、エビ(81mg)、ピスタチオ(72mg)、サーモン(65mg)、アーモンド(52mg)、ブロッコリー(40mg)などです。

動物性の食材に非常に多いことがわかります。その中でも、卵1個50gとしたら、1個当たり125mgもあります。非常に手軽に簡単にコリンを摂取できる卵を1日にいくつか食べ、その他のものを合計して最低でも450mg、できれば930mg程度になるように摂取すると、お腹の中の子供に知能に非常に良い効果がある可能性が高くなります。もちろんコリンは卵からでなくても良いですが。

コリンの有益性はこれだけではありません。それは次回の記事で。

「Maternal choline supplementation during the third trimester of pregnancy improves infant information processing speed: a randomized, double-blind, controlled feeding study」

「妊娠後期の母親のコリンサプリメントは乳児の情報処理速度を改善する:無作為化二重盲検対照摂食試験」(原文はここ

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