今回のサロマ湖ウルトラマラソンでは、レース前とレース直後、レースの次の日の3回の血液検査を実施してみました。レース前はレースの2日前の朝、レース直後というのは、本当にゴール直後です。レースの次の日は朝食を摂って、食後5時間後くらいに採血しています。

(昨年より前のデータは「ウルトラマラソンと血液検査2018」を参照してください。)

 レース前レース後 レース前レース直後レース翌日
検査項目18.6.2218.6.2519.6.2819.6.3019.7.1
白血球数42407590↑434012690↑↑7050
赤血球数467409↓465472401
ヘモグロビン14.112.4↓14.214.412.2
血小板数18.215.118.821.615.2↓
総蛋白7.5 6.6↓7.38.17.0
アルブミン4.7 4.2↓4.75.14.4
総ビリルビン1.21.6↑1.11.21.5
直接ビリルビン0.30.40.20.30.3
AST(GOT)1451↑133547↑↑
ALT(GPT)1521132331
LDH141232↑134319↑232↑
CPK791725↑↑82690↑↑780↑↑
BUN18.824.9↑18.129.5↑26.0
クレアチニン0.800.730.80.830.64↓
ナトリウム140138141144140
カリウム3.93.1↓4.15.53.0
クロール101102103102103
カルシウム9.18.5↓9.210.08.4↓
104 655088
フェリチン62.4104.9↑60.464.386.0
TIBC  353389316↓
CRP0.05以下6.17↑↑0.05以下0.183.88
中性脂肪4533↓323425
総コレステロール318265↓355396301
HDLコレステロール9995106119104
LDLコレステロール213150↓212233169↓
血糖91 9486 
インスリン  2.42.3 
総ケトン体  6002805 
コルチゾール  15.119.3 

 

現在レース前は当然糖質制限ですが、レース中には糖質入りのエネルギージェルを以前よりも多く入れています。それは実際に走ったときの心拍数が私は上がりやすく、レース中脂肪だけで走り切るほど上手に脂肪を燃やせないからです。特にウルトラとなると、あまりの時間の長さに「脳の罠」で、ものすごくモチベーションが下がる場合もあり、エネルギージェルはそれを回避するためでもあります。前回のサロマで最悪のモチベーションから覚醒した時に、後からフリースタイルリブレを確認したら、血糖値が非常に上がっていたのです。なぜ上がったかは結局わかりませんが、レース中の血糖値はある程度保つ方が良い走りができると思っています。

血糖値を上げるというよりは下げないためにレース中の糖質は必要と考えています。ペースをもっと落とせば50km程度であれば糖質は必要ないことは練習で確認しています。

今回のサロマでもリブレをつけたのですが、今回は自分の走りの体感、ペースと血糖値が非常にリンクしていました。分析できればまた記事にしたいと思います。数値の精度はイマイチなのかもしれませんが、その推移は非常に役に立ち、来年以降に役立てたいと思います。

そのような状態で走ったことを踏まえて、レース直後のデータを見ると興味深いものがあります。まずはインスリン値。レース中に糖質を摂っても、やはり激しい運動中はインスリンは分泌が抑えられるのか、レース前と全く変わりません。ケトン体はレース直後十分に増加しています。

炎症が起きたために白血球は増加していますが、CRPの上りは直後よりも翌日の方が大きくなっています。筋肉の崩壊を示すCPKも直後よりも翌日の方が高くなっています。しかしどちらも翌日で比較すると昨年よりも上がり方が少ないです。何は違うかは全くわかりません。フェリチンも翌日には高くなっていますが、これも炎症所見でしょう。

溶血の影響は様々な数値に反映されると思いますが、直後に高いものと、翌日に高いものがあり、そのタイムラグの原因を考えると面白いかもしれません。

コルチゾールもそれほど上がっていませんでした。

塩のサプリを中間くらいで一回使いましたが、それ以外ではあまり塩分補給はしていないつもりですが、ナトリウムは逆にレース直後に高くなっています。そんなに簡単に塩分は低下しません。汗に含まれる塩分は体が調整してくれます。

昨年は練習不足でレースに挑んだこともあり、CPKや炎症所見が今年よりも高かったのかもしれません。今年は調整が上手く行った方だと思うので、レース後のデータにレースまでの練習量が関係があるかもしれません。そうだとしたら非常に面白いですね。

2 thoughts on “ウルトラマラソンと血液検査2019”
  1. 糖質制限とスポーツのパフォーマンスについて

    季節外れの話題で恐縮ですが、私はスキー歴30年程のサンデースキーヤーです。
    ここ数年、すぐにエネルギー不足に陥るようになり、スキーの楽しみも半減、年齢の為とも思いましたが、それ以上の何かがあるとも感じていました。
    スキーは膝の曲げ伸ばしを連続して行うスポーツですが、数時間滑っていると、ある時を境に突然エネルギー不足となり、曲げた膝を重力に逆らって伸ばすことができなくなっていました。時には疲労で立ち上がる事すら難しくなることも増えてきました。
    そして、午前中にエネルギー不足になると昼食(高糖質食)後も回復はわずかで、午後には本来のパフォーマンスは出せなくなり、早々に切り上げる状態が続くようになりました。

    それが糖質制限を始めると、
    (1)1日を通じて極端なエネルギー不足を感じなくなり、急激な消耗もなくなった。
    (2)エネルギー不足を感じた時も少しの休憩(10分程度、もしくは運動を続けながら強度を落とすだけ)で回復するようになった。
    (3)上記は、自分自身の感覚のみならず、仲間からも指摘される程度に回復した。
    と明らかな体力の回復が見られ、エネルギー不足に陥っていたのはやはり年齢の為ではなく、糖尿病によって糖エネルギーがうまく使えなくなったためであると理解し、糖質制限は、日常の健康回復、維持のみならず、趣味程度のスポーツでも威力を発揮する事が体験できました。

    ひとつ不思議な事があります。
    最近の10年ほどは、シーズン初めに久しぶりにスキーをしても筋肉痛にならなくなりました。立ち上がるのも困難な状態まで運動した後でもです。
    きっと、これはブドウ糖がうまく使えなくなったため、乳酸の蓄積が減ったためではないかと思うのですがいかがでしょうか(筋肉痛は乳酸の所為ではないという議論もありますが)。
    もし、そうだとすれば、急激なエネルギー不足を感じる事に加え、筋肉痛にならなくなると言う事象も運動習慣のある人にとっては、糖尿病予防の指標として利用できそうです。

    1. 西村 典彦さん

      私の前著「運動するときスポーツドリンクを飲んではいけない」に書いたように、糖質制限をし始めたら、フルマラソンの後の筋肉痛
      疲れの程度が非常に軽くなり、非常に回復が早くなりました。
      乳酸は蓄積するものではないので、関係ないと思います。
      炎症が起きにくくなったことと、まだわかっていない未知のことが関係してるのではないかと思っています。

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