来年のロンドン世界選手権の代表選考会を兼ねて行われた福岡国際マラソンで、川内優輝選手が2時間9分11秒で第3位、日本人で1位に入りました。タイム的には物足りないものの2時間3分台や4分台で走る1位、2位の選手が2時間8分48秒、2時間8分57秒なので、十分なタイムと言えます。さらにレース展開でも唯一日本人で先頭集団にいて、しかもレースを作ったりしていて、2時間3~4分台の選手と互角に戦っていたのは本当に素晴らしいです。感動です!
このレースの前に右ふくらはぎを痛めてほとんど走れない状態でしたし、数日前には左足首を捻挫と万全ではない状態でした。これはちょっとセルフ・ハンディキャッピングのにおいがするので、あまり私は好きではありませんが、それを差し引いても最近のマラソンの中では久しぶりに日本人の激走を見たなあ、と思いました。
日本人招待選手数人が5km前後ですでに先頭集団から遅れるという、情けない日本マラソン界。駅伝重視の実業団ではマラソンのランナーは育たないでしょう。長距離・マラソン強化戦略プロジェクトの瀬古利彦リーダーで大丈夫か?と記事にしましたが、彼も実業団DeNAの総監督です。それならば、自分のチームだけはマラソン重視で頑張ることは無理なのでしょうか?そこで頑張っていれば、マラソンをやりたい選手が自然と集まってくるのではないでしょうか?
また、今回の川内選手が激走できたのは、もしかしたら故障のおかげなのかもしれません。故障したことにより練習量が減り、自然と疲れが抜けたのかもしれません。練習量は必要だと思いますが、直前の練習量のテーパリングが日本人選手は下手なのかもしれません。
いずれにしても、レース展開次第では日本人もまだ優勝争いに絡めることを証明しました。リオのオリンピックでは金メダルが2時間8分44秒、銀メダル2時間9分54秒、銅メダルが2時間10分5秒、と十分日本人の持っているタイムで戦えます。駆け引きがいろいろあってペースの上げ下げが非常に激しいことにちゃんとついて行けば、何とかなると思います。しかし、今回のレースでペースメーカーがついていたのですが、1kmごとのペースが結構安定しませんでした。このことに解説の人がもっと一定ペースを保ってほしいという趣旨の発言をしていました。上げ下げの激しい世界のマラソンを考えたら、これぐらいのペース変動についていけなくてどうするんだと思ってしまいます。選手をそんなに過保護にしていたらいつまでも世界と戦う選手が出てこないでしょう。
川内選手、来年の世界選手権期待しています!
川内優輝の激走を陸連が大絶賛、瀬古利彦リーダー「ありがとー!と言いたい」
低迷するマラソン立て直しを託された「長距離・マラソン強化戦略プロジェクト」の瀬古利彦リーダーは「粘って粘って粘りまくってよく3番になってくれた。いい一歩目を踏み出せた」と、納得の表情を見せた。
川内がかつて瀬古リーダーや、宗兄弟が行っていた100キロ前後の距離走を取り入れていることに触れ、「そういうことが分かってくれてうれしい。科学的トレーニングと言われるが、基本はもっと原点に戻って練習量をこなして、足を作ること。彼にありがとー!と言いたい」と、絶叫した。
初めまして。春日と申します。
現在母と糖質制限生活をおりまして、私は3年ほど前から厳格なものをやって緩くなってを繰り返していまして、母は緩いものをやっておりました。
改めて厳格なものを2人で始めて、お互い少量でお腹いっぱいに感じられるようになったので、ビタミン補給などのためにリンゴやベリー類を口にするようになりました。
色々と糖質制限について調べていると「肉食を中心とする生活を危険」というようなサイトを見つけることが出来ました。内容は「肉過多になると身体が酸性に傾いてくるのでガン細胞が活発化する」です。URLを貼らせていただきます。
http://cancer-treatment-with-diet-cure.doorblog.jp/archives/48996668.html
アメリカで大腸がんのリスクファクターになったり、脳血管障害になりやすいというような報告がされていますが、先生はどのような考えをお持ちでしょうか?
こちらは上の方とは反対でMEC食を支持している方です。
http://dietforlife.blog.fc2.com/blog-entry-91.html
膨大に情報があるためどちらを信じていいのやらわからなくなってしまいました。どうかお力をお貸しください。
春日さんコメントありがとうございます。
動物性タンパク質は、体内のインスリン様成長因子(IGF-1)の分泌を促進させ、このインスリン様成長因子(IGF-1)が、がんの成長・増殖を促進させる、と報告されています。
また、赤肉は酸化ストレスを増加させて、がんのリスクを増大させると言われています。
ただ、加工肉はやはりがんのリスクを増加させるのではと考えますし、その他の健康面でもあまり摂りすぎは良くないでしょう。
赤肉が良いか悪いかの実生活での本当の研究は実ははっきりわかりません。それはなぜかというと、これまでの研究は全て、糖質を摂ることを前提とした研究であり、糖質制限をした人がどれほどのリスクがあるかという研究はありません。つまり、赤肉ががんのリスクを上げるというのは、糖質を普通に食べて、赤肉も多く食べると「食後血糖値上昇」「食後高インスリン血症」を生じて大腸がんのリスクの可能性があるということと考えます。「食後血糖値上昇」「食後高インスリン血症」には、明確な発がんリスクがあります。現在の私の考えでは、糖質制限をしていれば、赤肉にがんのリスクはないと考えます。
赤肉はタンパク質だけではなく、ビタミンやミネラルが非常に豊富です。赤肉を避けて、鉄分など他で摂ろうとするとなかなか難しいのではないでしょうか?
糖質制限食と良質の油を摂っていれば、赤肉の酸化ストレスはほとんど問題が無いと思います。
返信ありがとうございます。
そういうカラクリがあったのですね。少し安心しました。
しかし、そうなると果物を食べたりするなどの厳格じゃない糖質制限をするのは危険ということになってしまいますね・・・
朝に果物を取ろうと思っていたのですが、それはやめたほうがいいのでしょうか?
動脈硬化についてはどのようにお考えですか?
春日さん
動脈硬化は「食後血糖値上昇」により活性酸素が発生して、それが血管の壁を傷つけるので、動脈硬化の犯人は糖質過剰摂取だと考えます。
果物についてですが、朝の果物の目的はビタミンC摂取でしょうか?ビタミンC摂取や食物繊維摂取は野菜でも十分できます。
果物が問題になるのはそこに含まれる果糖です。糖質の中でも果糖は「猛毒」と考えています。
血糖値があまり上がらないのインスリン上昇が少なくて良いという方もいますが、
その分、肝臓に負担をかけ、尿酸値を上げ、直接脂肪に変わりやすいですし、満足感がないため食べ過ぎになります。またAGEsを発生しやすいとも言われています。
ですから、少量摂る分には問題ないと思いますが、たくさん食べるのはあまりお勧めしません。
また、ビタミンCは水溶性なので、一度に大量に摂っても、体から排出されてしまうので、一日の中で分けて摂った方が効果的と考えます。
ただ、果物=危険ではありません。一回の糖質量、1日の糖質量を考えて摂れば、問題はありません。
果物の摂取はビタミンや食物繊維のためです。野菜をたくさんとりたいのですが本当に高くて高くて。ビタミンにおいてはサプリメントを考えていましたが、母は「普通に食べたらそんなものはいらない」というような考えなので難しいかもしれません。
私が浪人していて身体が訛っていた20歳のとになにげなく75gブドウ糖不可検査を受けた際に見事にインスリン分泌遅延とインスリン抵抗が出ていまして、そこから糖質制限を始めました。祖父の家系が糖尿病のサラブレッドだということもわかりました。
動脈硬化についてなのですが、6月に受けた血液検査で
HDL:50mg/dl LDL:187mg/dlになってました。
これは危険な値だと思うのですが、どのように改善すればいいでしょうか?
ここ1か月は肉中心の食事は飽きて豆類を中心とした食事をしていますが、この毛㏍がどうしても心配で。
明日、血液検査をする予定ですが、仮に値がよくなっていたとしても薬は数か月飲むべきでしょうか?
春日さん
これだけの検査で、危険かどうかは判断できませんし、薬を飲むかどうかの判断もできません。何の薬かもわかりませんし。
ただ、スーパー糖質制限食を続けていれば、通常中性脂肪はどんどん低下し、HDLも上昇します。特に中性脂肪値は糖質をどれだけ摂っているかの目安になります。
中性脂肪が低値で、HDLが高値であれば、LDLは通常あまり気にしていませんし、私であれば薬は飲みません。
LDLは通常計算で求めるので、粒子の大きい、良いLDLの場合高値に出てしまうことがあるからです。
肉食の代わりに豆類というのはちょっとわかりませんが、大豆という意味でしょうか?大豆が悪いという意味ではありませんが、タンパク質の質を考えると
動物性のタンパク質の方が良いと思います。人間は動物ですから。
野菜も必須ではないですが、ビタミンB群とビタミンCは積極的に摂った方が良いと思います。最低でも厚労省の推奨量は見たしたほうがいいと思います。
キャベツ4分の1個食べると、ビタミンC 105㎎、ビタミンB1 0.1㎎、ビタミンB2 0.08mg、ビタミンB6 0.28mg、葉酸 199μgなどです。糖質は8.67gです。
これと同量のビタミンCを摂取するとなると、キウイで約1個と4分の3個食べなければなりません。糖質は16.7gにもなります。もちろんビタミンB群はほとんど含まれません。
みかんであれば4個以上食べなければなりません。それでいて糖質は33g以上になります。食物繊維もほとんどありません。
ブルーベリーなら500個以上必要です。リンゴなら10個以上必要です。ちなみにリンゴ1個で糖質30g以上あります。
また、ビタミンB群は豚肉に豊富です。野菜や果物が「ヘルシー」と考える方はたくさんいると思いますが、一番健康的で真の「ヘルシー」なのは肉、卵、魚だと考えています。
人間に必要なのはタンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルです。それを最も満たしているのは肉、卵、魚だからです。
野菜=ヘルシーと考える高齢者が多く、タンパク質不足になり、筋肉が衰えます。まずはタンパク質!高齢者のタンパク摂取量は少なすぎです。
最低1日肉200g、魚(サンマぐらいのサイズで)1匹、卵3個程度がお勧めです。それに葉物の生野菜たっぷりで「ヘルシー」な生活になると思います。