フランス人はきれいですか?

新型コロナウイルスが世界中に拡大し、様々な国と日本の習慣の違いが時折クローズアップされます。特に日本人が清潔であることは、このような感染拡大時には非常に有利に働いているのかもしれません。

手洗いについて、せっけんを使うかどうかは別として、恐らく他国と比較して日本人は非常に頻繁に手を洗っているのでしょう。私もせっけんはあまり使わなくても流水では手を洗っていると思います。毎日シャワーかお風呂にも入りますし、下着も毎日交換します。汗をかけば2回下着などを交換したり、シャワーまたはお風呂に入ることもあります。

よく耳にするのがフランス人はあまり手を洗わないとかシャワーさえ毎日浴びないとか、下着も毎日変えないとか。本当なのかな?と思っていましたが本当のようです。

Institut français d’opinion publique(IFOP)フランス世論研究所の2020年の調査を見てみると、本当に日本との習慣の違いがわかります。(図は原文より)

少なくとも1日1回の体全体を洗う(シャワーやお風呂)人は男性71%、女性81%でした。週に2回が男性24%、女性15%、週に1回が男性5%、女性4%でした。

より詳細には1日1回が59%(なぜかさっきよりも少ないですね)、1日おきが19%、3日に1回が9%、少なくとも週に1回が6%、もっと少ない人が合わせて7%。

洗髪の頻度は、毎日は男性29%、女性8%、2日に1回は男性23%、女性21%、週に2~3回は男性28%、女性41%、週に1回は男性17%、女性26%、半月に1回は男性2%、女性3%と女性の方が髪を洗う頻度が少ないのですね。水が硬水であることが関係しているのでしょうか?

上の図はどんな状況で手洗いをするかの割合です。上からトイレの後で71%、女性でも4人に1人はトイレの後手洗いをしないようです。調理の前が67%、食べる前が49%、6か月未満の赤ちゃんの世話をする前が38%、公共交通機関を利用した後が37%、動物をかわいがった後が30%、鼻をかんだ後が25%でした。

上の図は下着(パンツ)を交換する頻度です。毎日は男性73%、女性94%、週に2回は男性21%、女性4%、週に1回は男性4%、女性1%、半月に1回は男性1%、女性1%でした。男性では4人に1人は毎日下着を交換しないのですね。女性でも半月に1回という人が1%もいるのはちょっと驚きでした。

さすがに女性のパンツの交換は94%で毎日でしたが、同じ下着でもブラジャーとなるとかなり異なるようです。毎日は28%、週に2回は50%、週に1回は15%、半月に1回は2%でした。日本人女性だと恐らく毎日交換する人の方が圧倒的に多いのではないでしょうか?(実際には良く知りませんが)

このように清潔に対する意識の違いは本当に日本とは違うようですね。

現在イタリアでは新型コロナウイルスでの死者が最も多くなっています。(本当は中国が数を少なく公開してるだけで、実際にはその数倍いるのではないかと思っていますが。)

高齢化では世界で日本が1位で、イタリアが2位です。(65歳以上人口の比率では日本28.5%、イタリア24.0%です。)日本とイタリアでは現在のところ、新型コロナウイルスの感染者数でも死者数でもものすごい大きな開きが出ています。

そんなイタリアの過去の記事を見るとイタリアも手を洗わないようです。

看護師に「手洗いボーナス」支給で院内感染が減少、イタリア

2010年12月31日 AFPより(記事はここ

イタリアの病院で、新生児に触れる前に正しく手洗いを行った看護師にボーナスを支給する対策を導入したところ、院内感染が30%減るという成果を上げた。

 この病院はミラノ(Milan)にあるマンジャガッリ(Mangiagalli)病院で、特別予算20万ユーロ(約2160万円)を計上し、看護師70人に対し厳密な手順に従って手洗いをすることを条件に3000ユーロ(約32万6000円)のボーナスを支給することにした。

 化粧室に監視カメラを設置し、手洗いの手順や時間を監視。こうして、新生児に触れる看護師の手に付着するバクテリアを抑制する。

 同院新生児科のファビオ・モスカ(Fabio Mosca)氏は伊紙コリエレ・デラ・セラ(Corriere della Sera)に対し、新生児の集中治療は感染リスクが非常に高く厳格な衛生管理が必須であるため、手洗いボーナスを導入したと語った。

病院で新生児の病棟の看護師でさえ手を洗っていないようです。実に手を洗うような対策をして院内感染が30%も減少していたのです。感染が爆発するのも理解できますね。

ある程度不潔な方が、日々バイ菌やウイルスに遭遇してしていて、様々な免疫ができて感染に強いのかな?と思っていましたが、全くそうではないようです。

日本はまだ感染爆発(専門家会議に言わせれば、オーバーシュートですね。今回の専門家会議はクラスターとかオーバーシュートとか、やたら英語好きですね!)が起きておらず、死者も非常に少ないです。日本人の清潔好きな国民性、手洗いも頻繁にするし、家の中は土足ではないし、ハグやキスなどの習慣はないし、感染防御の効果は薄くても冬になれば多くの人がマスクをすることで、知らないうちに感染している人が感染を広げない効果があるのかもしれません。外出の自粛を言われただけで自粛するまじめさもあるのかもしれません。もしかしたら都会では高齢者と若い世代がかなり別々に暮らしている人が多く、家の中で軽症の若者から高齢者への感染が少ないのかもしれません。

もちろん感染者数が少ないのは検査をあまり検査をしていないこともありますが、実際に肺炎患者があちこちで頻発している様子もありません。新型コロナの肺炎が通常の肺炎とみなされて病院で対処されていれば、もっと院内感染が急増しているはずです。新型コロナとわからなくても肺炎患者が急増すれば医療を圧迫するでしょう。

だから、実際に新型コロナウイルスの重症者、重篤者、死者が少ないのでしょう。もちろん日本はお金をあまり気にせずに超高額な医療を提供しているのが死亡者をすくなくしている可能性も十分あります。新型コロナに人工肺(ECMO)をお金を気にせず使える国はそう多くはないでしょう。(この記事参照)

しかし、あれほど多くの中国人が春節の時期に日本に来ていたのです。それに東京だけでなく人口密度が高い都市がいっぱいあります。東京はものすごい満員電車もあります。蔓延していないわけではないでしょう。

先日の専門家会議の記者会見では北海道の対策について一定の効果があったと評価をしていたのですが、緊急事態宣言が2月28日です。(下の図は北海道のホームページより)

緊急事態宣言の日から急にグラフの上昇が鈍化し、陽性者が減少しています。できすぎです。もし緊急事態宣言が有効だったのなら、その1週間前後からグラフがどうかしたのならわかりますが、何か意図的に作られたデータにしか見えません。グラフの上昇の鈍化は別の要因で起きていると思います。「緊急事態宣言の前と後ので実効再生産数を推定すると 0.9から 0.7
へと減少をしました。」と述べられていますが、この実効再生産数(1人の感染者が平均してうつす人数。1を超えると感染が拡大、1未満になると感染が収束していくと考えられる。)ってどうやって計算するのでしょう。インフルエンザよりも不顕性感染が多いと考えられるし、はっきりした症状も出ない人も多く、症状があっても他の風邪と区別がつかない今回の新型コロナ。検査も少なくしか行っていない状態で、どれだけの人が感染しているかは未知数です。検査して判明した人だけで考えたとしたら、本当の実行再生産数はその何倍にもなります。この実効再生産数は検査で容易に判明したり、症状がはっきり出て他の感染症と区別がつくものでなければ計算することは不可能だと思うのですが。良くわかりませんね。

そうすると、実際には日本は感染者は多いのに奇跡的(?)に重症化する人が極端に少ないのかもしれません。集団免疫で60~70%の人が感染すれば、感染が落ち着くと考えられていますが、このような計算ももしかしたら机上の空論なのかもしれません。

新型インフルエンザのときも混乱した割には日本は大した感染者、死者が出ていませんでした。新型インフルエンザも、新型コロナウイルスも、「新型」とは言っても、それぞれインフルエンザウイルス、コロナウイルスの一種です。これまでの何らかの感染によりできた免疫がある程度効果を示しているのかもしれません。つまり多くの人が免疫的にはゼロではないのかもしれません。

例えば新型インフルエンザのときには高齢者の感染者は非常に少なかったのはずです。最も急性肺炎の症状を呈したのは5~9歳でした。(「もう一度新型インフルエンザの年を振り返ることにより見えてくるもの」参照)だから、過去のどこかのインフルエンザの流行時の免疫により高齢者は新型インフルエンザによる攻撃を受けにくかったのではないでしょうか?

同じように新型コロナウイルスに関しても、過去の風邪のコロナウイルスの免疫により守られているのかもしれません。風邪の流行は世界各地でそれぞれ違いがあるでしょうから、奇跡的に日本で過去に流行したコロナウイルスによる免疫がうまく新型コロナウイルスに合致した可能性もあるのではないでしょうか?その過去の風邪のウイルスはヨーロッパではたまたま流行したことがなかったのかもしれません。

または、そのような過去の感染が無くても、我々糖質制限を行っている人の多くがインフルエンザをはじめ多くの風邪をひきにくくなっているように、何らかの要因で日本人の多くは欧米人よりも免疫力が本当に高いのかもしれませんし、ウイルスが侵入しにくい何かを持っているのかもしれません。

もし、そうではなくて、まだまだ本当は蔓延していないとすれば、非常に長期間オーバーシュートを恐れながら社会活動をしなければならなくなります。そして突然東京のロックダウン(by専門家会議)という事態が起きる可能性も高くなってしまいます。

それにしても、安倍首相も小池都知事、JOCなどの方々は、早くオリンピックについて延期か中止だと言えばいいのに。誰が見ても無理でしょう。運動会が大雨で中止になると聞いて駄々をこねる小学生のようです。裏ではもうすでに調整を行っていて、あとは中止なのか延期なのか、延期であればその期間の調整だとは思いますが、無理に予選を行っている競技もあるのですから、早く宣言すべきでしょう。先日も強風の中ブルーインパルスに無理やり五輪の輪を描かせるも大失敗、聖火も何度も消えて、象徴的でしたね。まあ、3月26日に聖火リレーが始まる予定なので、その前には宣言するでしょうけど。

かなり社会は感染対策のための自粛が緩み始めました。今後どうなるのか?

「1951-2020 : évolution des comportements d’hygiène corporelles et domestiques
Les Français(es) sont-ils propres ?」

「1951-2020:個人および家庭の衛生行動の進化 フランス人はきれいですか?」(原文はここ

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コメント

  1. 鈴木武彦 より:

    EBM的なものは存在しないのかもしれませんが確かに、
    スーパー糖質制限、割と厳格に行うようになってからインフルエンザは勿論風邪も引かず、ノロなどその他感染症にも罹らず、有給休暇がほぼ手付かずの状態です。
    (有給休暇、法的にはいつでも取得可能ですが現状毎年二十日分ずつ消滅しております)

    今のコロナウィルス蔓延⇨世界的大混乱状況、どうなるのでしょうか?
    イタリアなど悲惨な状況の報道も有れば、普通の風邪と変わらない(新型なだけで)という意見も有り、それがますます先行き不透明感に拍車をかけている印象です。

    • Dr.Shimizu より:

      鈴木武彦さん、コメントありがとうございます。

      イタリアは本当に悲惨ですね。地中海食は新型コロナには無効のようですね。
      日本とイタリアの違いは何でしょうね。医療崩壊が起きているかどうかだけでは説明できないような気がします。

  2. お! より:

    武漢の状況や、イタリアやイランの状況をみると、免疫力や清潔さの問題だけじゃないように感じます。

    https://www.globalresearch.ca/china-coronavirus-shocking-update/5705196

    複数のハプロタイプのウィルスがあるという記事です。
    これにより重症化率も致死率も異なるという事の方が、納得できます。

    イタリアでは、昨年の11月から謎の肺炎が増えていました。
    アメリカのインフルエンザの大流行も実は、新型コロナかもしれません。

    元記事がデマかもしれませんが。

    • Dr.Shimizu より:

      お!さん、コメントありがとうございます。

      一番は医療崩壊が起きているかどうかだと思います。イタリアでは発症から8日間で死亡しているそうですから、
      余程悲惨な状態なのでしょう。
      タイプが2つあるともいわれていますが、日本やそのほか志望者が少ない国だけ弱いタイプが蔓延しているとは思えません。

      • お! より:

        2種類ではなく、ハプロタイプで5種類だそうです。
        タイプで致死率が異なる事と、それぞれの地域で流行っているタイプが異なる事が書かれています。

        上記リンク先記事のこの辺。

        One of his main points is that the type infecting Taiwan exists only in Australia and the US and, since Taiwan was not infected by Australians, the infection in Taiwan could have come only from the US.

        The basic logic is that the geographical location with the greatest diversity of virus strains must be the original source because a single strain cannot emerge from nothing. He demonstrated that only the US has all the five known strains of the virus (while Wuhan and most of China have only one, as do Taiwan and South Korea, Thailand and Vietnam, Singapore, and England, Belgium and Germany), constituting a thesis that the haplotypes in other nations may have originated in the US.

        Korea and Taiwan have a different haplotype of the virus than China, perhaps more infective but much less deadly, which would account for a death rate only 1/3 that of China.

        Neither Iran nor Italy were included in the above tests, but both countries have now deciphered the locally prevalent genome and have declared them of different varieties from those in China, which means they did not originate in China but were of necessity introduced from another source. It is worth noting that the variety in Italy has approximately the same fatality rate as that of China, three times as great as other nations, while the haplotype in Iran appears to be the deadliest with a fatality rate of between 10% and 25%

        • Dr.Shimizu より:

          お!さん、情報ありがとうございます。

          調べてみるとどうやらタイプはもっと多いようですね?
          病原性の強さ、感染性の強さの違いがあるかどうかはよくわかりません。
          また、中国はどうしても自国からウイルスが出たのではないことを証明したいので、内容に注意が必要かもしれません。
          ただ、私はアメリカから新型コロナが出てきた説もありだと思っています。しかし、どこが最初でも構いませんので早く終息してほしいです。

  3. koji より:

    日本人はキレイ好き(衛生環境が良く、潔癖症)過ぎて病気にかかりやすいと聞いたことがありますが、そのへんはいかがでしょうか?

    • Dr.Shimizu より:

      kojiさん、コメントありがとうございます。

      過度の潔癖は良くないと思いますが、今回の新型コロナウイルスには、きれい好きの方が良かったのかもしれませんね?

  4. 不肖森 より:

    面白い記事がありました。
    https://shinjukuacc.com/20200323-03/comment-page-2/#comment-87581

    なるほどなと思わせる所がいくつかあります。ハグしない握手しない、電車のような公共スペースで喋らない、あとはヨーロッパと違って木造建築で暖房にストーブやファンヒーターを使うため換気する習慣がある、とか。

    ただそれだとインフルエンザウィルスのような他の呼吸器疾患との差は何か?ですね。

    • Dr.Shimizu より:

      不肖森さん、情報ありがとうございます。

      私の推測もあながち間違いではないかもしれませんね。実は今回の新型コロナは私も飛沫感染よりも接触感染の方が圧倒的に多いのではないかと思っています。
      名古屋かどこかのスポーツジムで集団感染がありましたが、みんな同時にそこにいたわけではないでしょう。

      インフルエンザなどとの差?クラスター、クラスターと、これほど一つのウイルスがどのように感染していくかは今まで調べたことがなかったでしょう。
      研究としてはインフルエンザも一度調べてみて、比較すると面白そうですが・・・