高齢者ができるかどうかはわかりませんが、高強度インターバルトレーニングが最もアンチエイジングに効果的

運動を行うことが健康に、そして老化を抑える効果があることはこれまでも言われてきましたが、その中でも特に効果がある運動は高強度インターバルトレーニング high intensity interval training (HIIT)であることが研究によって明らかにされました。記事の原文はここ、論文の原文はここ

これは時間の短い非常に高強度の運動と、回復時間を交互に繰り返すものです。以前紹介したタバタ式トレーニングも高強度インターバルトレーニングです。

キーワードは「ミトコンドリア」です。ミトコンドリアはエネルギーであるATPを作り出す細胞の中にある器官です。ミトコンドリアがうまく機能しないとエネルギー不足に陥ります。また、年齢と共にミトコンドリアの働きは低下していきます。

メイヨークリニックの研究で、18〜30歳、65〜80歳の男女を対象に、3ヵ月間の高強度インターバルトレーニング、筋力トレーニング、またはその2つの組み合わせをグループの人々を割り当てました。彼らの細胞に対するこれらのトレーニングの影響を測定するために、前後に筋肉生検を行ったところ、高強度インターバルトレーニングは、細胞内のミトコンドリアが高齢ボランティアで69%、若年グループで49%のエネルギーを生成する能力を高めたのです。さらに、高強度インターバルトレーニングは、肺、心臓、循環の健康増進にも寄与しました。最大酸素摂取量は、若年群で28%、高齢群で17%増加しました。2つを組み合わせたトレーニングでは高齢者の酸素消費量を21%増加させましたが、筋力トレーニングのグループには変化はなかったのです。

筋力トレーニングでは筋肉の増大は認めますが、ミトコンドリアの機能や呼吸機能の改善は認めなかったようです。筋肉が落ちている高齢者は2つを組み合わせたトレーニングの方が良いでしょう。つまり、週に2~3日は高強度インターバル、他の週2~3日は筋力トレーニングです。

ただ、高齢者がいきなり高強度のトレーニングをすることはリスクもあるので、それぞれの体調や体力に合わせて少しずつ運動量を増やすようにしたほうが賢明です。

動かない人間は死に向かう可能性が高いということでしょう。使わない機能はすぐに衰えるのですから。糖質制限と運動で健康になりましょう。動きたくもない、外に出たくもない、好きなものを食べたい、でも健康でいたいというのは虫が良すぎる話です。

運動でいくらミトコンドリアを鍛えても、ミトコンドリア毒性のある薬を飲んでいたのではあまり効果は期待できないと思いますが。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメント

  1. gkrsnama より:

    60歳、坂を登るのがつらいとジムで相談したらショートインタバル走が出てきました。

    エアロバイクを一番重くして500m全力90秒ジョグ、5本 500mは全力で通せません、2本目からは300mで足が動かなくなって50㎞も維持できなくなります。ふつうは強度を調整して終わりまで続く強度でやるんだろうけど、トレーニングだから全力。終わったらマットでねちゃいます。次の日には残りませんが。

    確かに坂を登る力はつきました。しかし心臓に中長期の害が出ないかなあって少々心配です。今までのように、ATより少し上の無酸素運動の下限くらいで、30分~1時間くらいトレーニングする方がいいんじゃないかなあって思っています。

    ネットでは高齢者にも高強度運動は有用という記事ばかりですが、1つだけ強すぎる(というか週一マラソンや100マイルロードレースなどの長すぎる運動)は有害という研究結果がありました。が、後期高齢者でトライアスロン選手を兼ねた有名研究者がそれを否定していたり、甲論乙駁状態。その辺ご存じないですか?

    • Dr.Shimizu より:

      gkrnamaさん、コメントありがとうございます。
      申し訳ありませんが、そのような研究は知りません。

      ここで書いたのは、筋トレは筋肉をつけるという意味であり、心臓にあまり利益はなく、ミトコンドリアの機能も上がらないけれど、
      HIITはそれよりも心臓やミトコンドリアに有益だというものです。
      通常のランニングとHIITを比較したものではありません。

      心臓のことを考えると最大心拍数の60〜79 %が最も適していると考えます。
      普段から運動していない高齢者はこれでも強すぎる可能性はあります。
      そのような方は少しずつ強度を上げればいいと思います。
      最高強度の運動は毎日のようにやるのは有益ではないかもしれません。若い人であれば良いとは思いますが。
      私は50歳ですが、今年から心拍数をあまり上げないようにはしています。最大心拍数の80%以上になるようなペースで走るのは
      月に2回程度です。タバタ式は時々やっていますが。
      ジムの方の考えもいろいろですから。

      何もしないよりは何か運動をした方が良いですが、筋トレではあまり意味がなく、短時間でできるHIITのような運動を
      できる範囲でやる方が高齢者には良いと思います。ランニングを続けている人にはあまり参考にはならないと思います。
      ただ、普通の高齢者は歩くだけでもいいと思います。それさえしない高齢者が多く、自ら老化を速めている気がします。

      ちなみに、骨粗しょう症予防を考えると、重力のかからないバイクや水泳は適していません。

      申し訳ありませんが、お答えになっていないかもしれません。

      • gkrsnama より:

        ありがとうございます

        高強度運動(といっても1日当たり5㎞のランニング)が有害という研究は、心臓の拍出の方ばかりが強くなるからダメといっていたような。タバタに害がなければショートインタバルも狙いは微妙に違っても大丈夫でしょうが。

        私は、ジムに行ったらインタバルのあとはビルドアップ走(70→90)とLSD(70)やります。だって、ジムは自転車で走るのの代わりで、自転車で走る場合はもっとガンガン走りますから。地形や風がありますし、市中を走れば思わずクルマを追うし。こちらはジムと違って疲労困憊になり3日くらい足が痛いです。疲れたって自転車こいで帰らないわけにはいかないってのもありますし。

        体が動けば、疲労がのこらなければ、高強度に耐えられれば、問題ないと思っていたんですが、そうじゃないかもしれないと思って不安になりました。ずーっとLSDで通すってのは、時間がいくらあっても足りないし。どうしたらいいんでしょうねえ。医者は専門外は無難なことしか言わないし。スポーツ整形に相談に行こうかなあ(というとジムをやっている親病院です)

        • Dr.Shimizu より:

          grksnamaさん、この手の研究は評価が難しいかもしれません。
          いずれにしても、何もしないで座っている人よりは運動は有益だと思いますので、
          ご自身の判断でできる範囲で行えば良いと思います。
          ただ、フルマラソンやウルトラマラソンは体に負担がかかるのは事実です。健康だけを求めるのであれば、
          もっと軽い運動の方が良いと思います。

          • gkrsnama より:

            ジムの親の病院に行って医師に相談しました
            1)100%強度は負荷が高すぎるのでやらない方がいい。180がMAXとしたら170を普段使っているならOK。
            2)長期的な問題は、今運動したからというより、心臓そのものにどういう欠陥があるかで決まる。

            ということでした。

            高齢者の水泳大会に医師としていくが、1人くらいは心臓にきて溺れる。鍛えていても競争なんで限界を超えてしまうのだそうで。無理は禁物だそうです(若年者も同じですが)
            一生の間の鼓動の数が決まっているという説は、どうやらトンデモ説だそうです。

          • Dr.Shimizu より:

            gkrsnamaさん、私も同感です。
            無理は禁物だと思います。

  2. gkrsnama より:

    ↑「週一マラソンや100マイルロードレース」大会に出るという意味じゃなくて、周にマラソン一本分走る(一日6-7㎞)週に160㎞はやめのスピードで走るという感じで、これならもう普通の運動ですよね。でもそうすると、死亡率が上がるという研究結果です。