ケトン体ランニング「ケトラン」、試行錯誤の人体実験

昨日は、人体実験として何も食べないで長距離のランニングに挑戦しました。これまでも、朝何も食べないで20~30㎞走ることはよくあるのですが、今回は60㎞に挑戦です。しかし、結果を先に言うとダメでした。50kmでギブアップ。気力が続かず止めてしまいました。

昨日は寒かったのですが、この週末でないとタイミング的に実験できないのと、前の日の土曜日が冷たい雨模様だったので、昨日しか選択の余地はありませんでした。なぜか起きたときから体が重く感じました。まずは血糖値とケトン体値を測定。

 

血糖値が84、ケトン体値は0.5でした。ケトン体はあまり上がらない方かもしれません。個人差が結構ありますから。がっつりスーパー糖質制限食にしていないときもあるので、これぐらいかもしれません。

食べ物は何も食べず、お茶を100mlほど飲んで、「ケトラン」に出発です。「ケトラン」以前にも書いたかもしれませんが、私の造語です。ケトン体を出しまくって走る、それが「ケトラン」です。いつも、レースのときに何を食べたらいいかわからず、現在試行錯誤をしています。昨年までは卵2個とベスパプロでした。今年の最初のレースは先日記事にしたように、クロテッドクリームと卵1個でした。しかし、これもいらないかもしれない、と思い、完全に空腹状態での実験です。スタート時で約13時間の絶食です。

札幌は気温も低く、スタート時は6度前後だったと思います。そして、意外と風が強く5~6mの冷たい風。コースは最近毎年恒例の50㎞コース+αで60㎞のつもりです。このコースは非常にアップダウンが多いので大変ですが、練習には非常に良いと思っています。

しかし、走り始めから冷たい強風と上り坂で、モチベーションが上がりません。つらい。同じ方角に走っていくのでずっと向かい風が続いています。メンタル的にダメでした。ただ、ずっと向かい風ということは帰りはずっと追い風になるから、後半は楽になる、と言い聞かせながら走り続けました。

脳は完全に嫌がっている感じでした。いつもは感じない、左膝の痛みと右の股関節の痛みが出てきています。「脳の罠」はいつものことなので、無視しながら走りました。また、いつもになく空腹を感じました。いつもは朝食を食べずに走っても、空腹なんてあまり感じないのに、これも「脳の罠」だったかもしれません。

30kmで折り返しのはずがちょっと足りず、28.5㎞で折り返しましたが、そのまま続けました。30km過ぎのコンビニでトイレを済ませ、水を調達。それまでの間は寒かったのでほとんど汗をかかず、給水はしていませんでした。さすがにちょっと喉が渇いた感じがあったので250mlほど飲水。同時に持って行った塩(ぬちまーす)を舐めました。恐らく2~3gほどだと思います。少し元気を取り戻し帰りのランニングです。

しかし、帰り道はなぜか、太陽が照り付け、暑さを感じたのと、期待していた追い風がほとんどなくなりつらさが増しました。完全にモチベーションが無くなり、60㎞走るのはあきらめ、50㎞で止めることにしました。ただ、それもままならず、42.195㎞までは何とか走ったものの、その後は歩いたり走ったりの連続でした。情けなし!

家に着いて、血液の測定時では絶食20時間でした。その結果は

 

血糖値66、ケトン体値4.8!普通の病院で測定したら大騒ぎになっているような値です。ブドウ糖を注射されてしまうかもしれません。しかし、意識ははっきりしています。ただ、ただ疲労感。

それにしてもケトン体値は上がるもんですね!0.5から4.8ですから。ただの絶食20時間ではここまでは上がらないでしょう。

水分摂取は800ml程度、体重は1.3㎏減、体脂肪率1.4%減(計算上体脂肪量0.9626g減)、筋肉量0.3㎏減でした。体の水分の増減はよくわからないので実際に体重減少に寄与したものは何なのかははっきりしません。しかし、ケトランでは1時間で100g近い脂肪が燃焼していると考えられるので、ちょっと計算上の脂肪量の減少は多すぎるかもしれません。筋肉量もかなり測定ごとにバラついているので、誤差範囲でしょう。あとはやはり脱水でしょう。汗をあまりかかなかったとはいえ、風も強かったので、蒸発量も多く、また後半は気温も上がっていたので思ったより汗は多いかもしれません。

さて、今後のレースに対して、何を食べるか、または食べないかですが、今回走ってみて、もしかしたら空腹は脳にしてみたら望ましい状態ではないので、早くから脳がストップをかけてくる可能性を感じました。ただのメンタルだけかもしれませんが、レースで記録を伸ばすにはやはり空腹はダメかもしれません。レースになればモチベーションが違うのでどうかはわかりませんが。走り始めれば、恐らくインスリンはすぐに低下するでしょうし、クロテッドクリームでケトン体値は上がっている気もします。

だから、次回レースはクロテッドクリーム+卵1~2個(+ベスパプロ)で行こうと思います。

今回の人体実験の結論:何も食べなくても長距離走は可能だが、つらい!お勧めしない!

2 thoughts on “ケトン体ランニング「ケトラン」、試行錯誤の人体実験

  1. ケト体ランニング、興味を持って読ませていただきました。単糖類と多糖類の血糖値の上昇割合が異なることがリブレを使用して分かりました。エネルギー源としてのケトンの利用は合理的だと思いますが、一点気になるのは糖の解糖系におけるペントースリン酸経路の役割です。ATPを作るA(アデノシン)が肝臓から供給されることを考えると、肝臓で継続して糖を嫌気性解糖をしており、アデノシンの供給として意味はあると考えます。筋肉においては、ケトンの方が利用しやすいと考えます。
     リブレは新しい情報をていきょうしてくれる本当に装置面白い装置ですが、なかなか手にはいりません。今後にきたいです。

    1. 大石さん、コメントありがとうございます。
      簡単にフリースタイルリブレが手に入り、多くの方が様々な情報を手にできるといいですね。

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