脳のインスリン抵抗性はうつ病、そして認知症をもたらす

以前の記事「うつ、不安障害・気分障害などの一般的な精神障害の原因の一つは糖質過剰摂取である」でうつ病の原因として、糖質過剰摂取によりインスリン抵抗性が起こり、それによってミトコンドリアが変化して、ドパミンが長持ちせずにうつ病になることを書きました。

そのことを図示したものが下の図です。

(クリックで拡大)

健康な時にはインスリンのシグナル伝達が正常に行われ、ミトコンドリアの活性が上がります。そうすると酸化ストレスが低下し、ドパミンのシグナル伝達もうまくいきます。また、ドパミンなどはモノアミンと言われるものですが、そのモノアミンを分解するモノアミンオキシダーゼのAとBというものがあり、インスリンはそれを阻害します。そうするとドパミンが長持ちするわけです。そのような二つの仕組みによってドパミンが増え、気分は上々となるわけです。

一方、糖質過剰摂取により脳のインスリン抵抗性が起こると、まず、電子伝達系のタンパク質の発現の減少によりミトコンドリアの活性が減少します。それにより酸化ストレスは増加し、ドパミンのシグナル伝達がうまくいかなくなります。また、モノアミンオキシダーゼが増加することでドパミンが長持ちせず、これらの仕組みによりドパミンが減少するのです。そうすると気分は沈み込み、気分障害やうつ病を発症するのです。

そして、まったく同じような仕組みで、アルツハイマー病が起こるとされています。つまり、まだ脳が若いころは、糖質過剰摂取でインスリン抵抗性が起こっても、ドパミンの低下で気分が低下するという症状をあらわすのですが、年齢が高くなり、脳が衰えると、アルツハイマー型の認知症を発症するのだと考えています。

だとすると、アルツハイマー型の認知症を発症する人はうつ病の人が多いということになりますが、実際その通りなんです。

「DEPRESSION AND INCIDENT ALZHEIMER’S DISEASE: THE IMPACT OF DEPRESSION SEVERITY」

「うつ病とアルツハイマー病:うつ病の重症度の影響」(原文はここ

要約

臨床的に有意なうつ病、特に重度のうつ病がアルツハイマー病(AD)のリスクを高めるという仮説を検証する。
55歳以上の4,803人の被験者を2.5年および4.5年の追跡調査した。

結果として、
ベースライン時に、臨床的に有意なうつ病が452人(11.7%)であった。うつ病の中で、16.4%は重度のうつ病を有していた。アルツハイマー病が70人フォローアップ時に発見された。アルツハイマー病の発生率はうつ病のない人に比べて有意に高く、発生率比は1.91倍高く、特に重度うつ病では3.59倍となった。ベースライン時の重度うつ病とアルツハイマー病との間では起こりやすさが4.30倍であった。
結論として、
重度のうつ病は、アルツハイマー病のリスクを大きく増加させる。

うつ病があると何倍もアルツハイマー病になりやすく、また糖尿病もアルツハイマー病のリスクを非常に高くしますし、うつ病と糖尿病の合併も非常に多いのです。これらを分けて別々の病気ととらえる必要はないのではないでしょうか?

うつ病の第一選択の治療は糖質制限だと考えます。そうだとしたら、薬による治療はどうなのでしょうか、次回の記事に書きたいと思います。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする