ケトン体がまたもや有益な効果 糖質の有害な影響を防いでいる

新しい「cell」という有名雑誌に載った研究です。ケトン体のアセト酢酸が糖質が生み出す有害物質と反応して別の物質になり、有害な影響を防いでいるということがわかりました。最近糖質制限関連のgood newsがどんどん有名な医学雑誌に出てきています。逆に糖質制限が体に悪いという内容は、低レベルの週刊誌にしか載りません。圧倒的な差が感じられますね。しかし、一般の人たちは週刊誌を目にすることが多いので、それを信じやすいのも確かです。我々はやはり、ちゃんとした情報を提供していかなければなりません。

「Ketone Body Acetoacetate Buffers Methylglyoxal via a Non-enzymatic Conversion during Diabetic and Dietary Ketosis」

「糖尿病および食事によるケトーシス中の非酵素的変換を介したケトン体のアセト酢酸がメチルグリオキサールを緩衝する」(原文はここ

要約

メチルグリオキサールは、老化および糖尿病関連疾患に関与することが知られている,どこにでも存在する反応性の高い代謝物である。内因性グリオキサラーゼ系によって無毒化されなければ、それは主としてDNAおよびタンパク質のような生体高分子と反応することによってその有害な作用を発揮する。我々は、ケトーシス中に、メチルグリオキサールとケトン体であるアセト酢酸との間の直接的な非酵素的アルドール反応を介して別の代謝経路が作用し、3-ヒドロキシヘキサン-2,5-ジオンをもたらすことを示す。この新規代謝産物は、インスリン欠乏患者の血液中のメチルグリオキサールレベルの10%〜20%の濃度で存在する。代謝産物 – アルキンタグ付け戦略を用いることにより、3-ヒドロキシヘキサン-2,5-ジオンがヒトの血液中で非糖化種にさらに代謝されることが明らかにされている。この発見は、非酵素的代謝と代謝研究のためのアルキンタグ付けの使用における新しい方向性を意味しており、アセト酢酸を有能な内因性炭素求核剤として蘇らせる。

 

ちょっと難しい表現が多いですが、要するに、ケトン体のアセト酢酸がメチルグリオキサールの毒性を消しているということです。メチルグリオキサールは最終糖化産物(AGE)が産生される際の途中にできるもので、AGEよりもさらに反応性が高く、血管内皮の障害に強く関与すると考えられています。加齢性の疾患などにも強く関連していると考えられるので、それをケトン体が無毒化している、しかも酵素なしで反応するというのがすごいことです。

もう、糖質制限をしない理由は見つかりません。

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