私は本でも書いたように果糖は「猛毒」だと考えています。糖質はすべて良くはありませんが、最も危険な糖質は果糖です。今回の研究は非常に少ない人数ですが、果糖とそれ以外の糖質の差をはっきりと示したものです。
8人の被験者を4人ずつに分け、18日間、9日間ずつ連続で果糖を多く含む食事と、少ない食事を摂取しました。9日後に交代して、反対の食事を開始しました。タンパク質が全エネルギー摂取量の15%、脂肪は35%、炭水化物が50%でした。炭水化物50%ですが、果糖が多い食事は50%のうち半分の25%を果糖で摂りました。果糖が少ない食事は果糖が5%でした。それ以外の炭水化物は様々なものを含んでいます。
その結果は下の図です。
左側の図はB:肝臓での脂肪合成量、C:脂肪酸化量(脂肪を燃焼した量)、D:中性脂肪値をあらわし、Complex CHO(CCHO)が果糖5%の食事群、Fructoseが果糖25%の食事群です。
明らかに果糖25%の食事群で、肝臓での脂肪合成量が増加し、脂肪酸化量が減少し、中性脂肪値が上昇しています。
さらに右の図は肝臓の脂肪と考えてください。最初に食べた食事での肝臓脂肪を100%としています。果糖5%の食事群と比較して、果糖25%の食事群では肝臓の脂肪が37%増加しました。
たった9日間での変化です。
いわゆる砂糖はスクロースで、ブドウ糖と果糖が半分ずつです。さらに、現在ほとんどの甘味付けとして使用されている異性化糖の果糖ブドウ糖液糖は果糖が半分以上も入っています。果糖含有率が 50 % 以上 90 % 未満です。
この果糖ブドウ糖液糖の使用量が増えて、さらに肥満や脂肪肝が急増したと考えています。食品業界は安価という利益優先でこの糖質を使用していて、それを摂取する人の健康なんて全く考えていません。企業も果糖が体にどんな変化を与えるか当然知っているはずです。しかし、やはり利益優先なのでしょう。
食品業界には自主的な規制を是非お願いしたいです。または国が法的な規制をすべきでしょう。
糖質制限をしていれば、当然糖質摂取自体が少ないのでまったく問題になりませんが、子供の飲むジュースなどにも平気で入っています。
また、フルーツジュースを含めて、果物が非常に「ヘルシー」だと思っている人が少なくありません。以前にも「果物は健康に良いから、毎日たくさん食べていた」という方がいらっしゃいましたが、果物の糖は果糖です。市販のフルーツジュースには果物が何個分もの果糖が入っているので、非常に危険な飲み物です。食物繊維も取り除かれていますし。
「フルーツジュースはジャンクフード」と考えてください。
「Effect of a High-Fructose Weight-Maintaining Diet on Lipogenesis and Liver Fat」
「高フルクトースの体重維持食が脂質と肝臓脂肪に及ぼす影響」(原文はここ)
果糖を含めた糖質の摂取が良いのか悪いのか混乱しています。
崎谷医師の書かれた本「「プーファ」フリーであなたはよみがえる! 」「病は「リポリシス」から 」「糖尿病は砂糖で治す!」を読んでみたのですが、やっぱり糖質制限は良くないのか?と悩んでいます。
この本についてどう思われるのか、清水先生の感想をお聞かせ願えませんでしょうか。
カリフラワーさん、コメントありがとうございます。
この先生のことは全く存じ上げませんし、本も読んだことも聞いたこともありませんので、
感想と言われても難しいです。
ただ、プーファフリーというのは、オメガ6もオメガ3も無しということですよね?
必須脂肪酸が人間にとって必要がないということを証明する研究でもあるのでしょうか?
もし、そんなことがあればすべての教科書を書き直さなければなりませんね。
必須ではなくなるのですから。
様々な説を唱える方がいることは、それぞれの自由です。それを信じるかどうかも自由です。
都合のいい論文と昔正しいとされていたが今は否定されていることをまだ「正しい」とすれば
様々な新しい説が出来上がります。しかし、動物実験しか証拠がなかったり、
昔話の言い伝えだけであれば、信頼性は非常に低いです。
それにしても、この先生は「プーファ」フリーと言っていますが、何を食べるのでしょうか?
脂質は何から摂れば良いのでしょうか?「プーファ」フリーの脂質って具体的に何でしょうか?
逆にどのような理論でこのような考えになったのか興味が湧いてきます。
(本を買う気にはなりませんが)
「糖尿病は砂糖で治す」を実際にやってみたデータはあるのでしょうか?
代謝をもっと勉強すべきだと、私は思いますが、最後は自己判断です。
私は自分で正しいと思うことを発信していくだけです。