以前の記事「糖質制限とLDLコレステロール上昇」で示したように、従来のFriedwaldの式:
LDLコレステロール= [総コレステロール] – [HDLコレステロール] – [中性脂肪]÷5
は中性脂肪値が150~350mg/dLでもっともよく実測値と相関していると考えられています。しかし、糖質制限をしている人は中性脂肪が非常に良く低下するので、ほとんどの人は100未満となります。中性脂肪値が100未満であるとこのFriedwaldの式で求めたLDLコレステロール値は非常に過大評価されてしまいます。つまり、実際よりも高い値を示すことになります。
そこで、Friedwaldの式ではなく下記の式を使うと、実際の測定値と非常に近い値を求めることができます。(Iranianの式)
LDLコレステロール
=総コレステロール/1.19+中性脂肪/1.9–HDLコレステロール/1.1–38
計算が面倒という方は下にご自身の値を入れてみてください。
ちなみに私のLDLコレステロール値の計算値は
Friedwaldの式:164.8
Iranianの式:111.1
と何と50以上の差が出てしまいます。それほど従来の式で求めたLDLコレステロール値は過大評価をしてしまうのです。ほとんどLDLコレステロール値は気にしていませんが、164という値を見ると「スタチン!」と反射的に叫ぶ医師もいるかもしれません。111という値であれば全くの正常値です。もちろん計算式なので、条件によってはこの式も実測値と差が出る場合もあるかもしれません。
「The impact of low serum triglyceride on LDL-cholesterol estimation」
「低血清トリグリセリドのLDLコレステロール推定への影響」(原文はここ)