スタチンはマッチポンプ薬の代表です。そして、世界最強の患者製造剤です。この薬を飲めばあなたもどんどん弱っていくことができます。
今回の研究では、イギリスのバイオバンクの297,977人が対象で、スタチンの使用と筋肉機能および筋肉量との関連性を分析しました。スタチン使用者の平均年齢は61.4歳、非使用者は55.7歳でした。握力と四肢除脂肪量(ALM)(除脂肪量は筋肉量を反映します。)を用いて評価しました。
スタチンの使用は、ベースラインの握力-0.68 kg、ALM-0.19 kgの低下と関連していました。そして、追跡データ(平均10年)のある35,557人のうち、スタチンの継続使用は、非使用者と比較して、握力で-0.32 kg/年 、ALMで-0.06 kg/年 の加速的な低下と関連していました。(図は原文より)
上の図は、スタチン使用による握力とALMの経時的変化です。赤がスタチン継続使用、青はスタチン非使用者です。スタチン使用者の方が急激に右肩下がりなのがわかります。スタチンの継続的な使用は、スタチンに対する遺伝的感受性とは無関係に、時間の経過とともに筋機能と筋量の低下と関連していて、スタチン非使用者と比較して握力は25%低下、ALMは73%低下と関連していました。
上の図はスタチンの使用と食事の質による握力とALMの経時的変化です。食事の質というのは、ちょっと問題がありますが、とりあえず見てみると、スタチン使用者では、食事の質が高い方が、握力の低下が時間の経過とともに緩やかになることが示されています。ALMは食事と関連していません。
上の図はスタチンの使用と身体活動による握力とALMの経時的変化です。これは非常に興味深い結果です。スタチン使用者では、非活動性の人よりも身体活動が多い人の方がALMの低下が非常に大きいのです。(右下の図で、青が非活動性、緑が活動が多い人)継続的にスタチンを飲みながら、活動的にしている方が筋肉対する悪影響が高くなるのかもしれません。
いずれにしても、スタチンは筋毒性があります。人間にとって重要な筋肉が低下するのは問題です。特に高齢者の場合、筋肉量や筋力が低下してしまっては、歩行さえ難しくなることもあります。
まずは、スタチンに手を出さないことが重要でしょう。
「Statin Use Is Associated With a Decline in Muscle Function and Mass Over Time, Irrespective of Statin Pharmacogenomic Score」
「スタチンの使用は、スタチン薬理ゲノムスコアに関係なく、時間の経過とともに筋肉機能と筋肉量の低下と関連している」(原文はここ)


