塩分制限をすると認知機能が低下するかもしれない

今の一般的な考えでは塩分控えめの方が健康に良いと考えられています。しかし、本当でしょうか?

以前の記事「塩分を制限することによる血圧の低下は、たった1!」で書いたように、実は塩分制限をしても血圧にほとんど関連しないばかりか、逆に塩分を控えすぎると心血管イベントのリスクがかなり高くなってしまいます。

ナトリウムは生物にとって必須のものなので、塩分摂取を控えると、有害だということは簡単に想像できるはずです。ナトリウムは自分自身の体の働きによって、非常に狭い範囲にコントロールされています。それを塩分制限をしたり、利尿薬などの薬を使ったりして、自分のコントロールを損なうようなことをすると、体に無理がかかるのです。

今回の研究では認知機能との関連です。血液検査でナトリウム濃度が低下していると認知障害、そしてその後認知機能低下を起こす可能性が高くなるようです。また、ナトリウム濃度は高くても良くないようです。

141〜142mmol / Lの血清ナトリウム濃度を有する男性と比較して、126〜140mmol / Lの血清ナトリウム濃度を有する男性は、認知障害を有する可能性が30%高く、時間とともに認知低下を経験する可能性が37%高いという結果でした。

「Serum Sodium and Cognition in Older Community-Dwelling Men」

「コミュニティに住む高齢男性における血清ナトリウムと認知」(原文はここ

要約

背景および目的

軽度の低ナトリウム血症は、高齢者では一般的に認められる。しかし、高齢者における低血清ナトリウムと認知との関連は現在のところ不明である。我々は、正常な血清ナトリウムの低下が、コミュニティ住民の高齢男性の認知障害および認知機能低下リスクと関連するかどうかを決定した。

参加者

骨粗しょう症骨折を患った65歳以上のコミュニティ男性住民5,435人

結果

参加者は74±6歳で、絶食時の血清ナトリウム濃度は141±3mmol / Lであった。一般的な認知障害の三分位の1,2および3はそれぞれ、15%(n = 274)、12%(n = 225)、13%(n = 242)であった。調整後、一般的な認知障害に関連する低血清ナトリウムは、三分位の1 [126-140 mmol / L]対三分位の2 [141-142 mmol / L]のオッズ比[OR]は1.30だった。14%(n = 159)、10%(n = 125)、および13%(n= 159)はそれぞれ三分位1,2および3において認知低下を示した。認知機能低下にもまた関連する低血清ナトリウムは三分位の1対三分位の2のオッズ比は1.37だった。三分位の3[143-153mmol / L]は、認知機能低下とさらに加えて関連していた。

結論

コミュニティ住民の高齢男性では、126-140または143-153 mmol / Lの血清ナトリウムは、それぞれ一般的な認知障害および認知低下と関連している。

さらに、食事によるナトリウム摂取量と認知機能の関連を調べた研究もあります。Trails Making TestパートB(Trails B)、Mini-Mental State Exam(MMSE)、およびVerbal Fluency Test(VFT)で認知機能を評価しています。認知機能評価のテストの細かいところは置いておいて、結果を見ると下の図になります。(図は原文より)

AはTrails Bというテストで、数値が低い方が成績が良く、BはMMSEというテストで、数値が高い方が成績が良くなります。横軸はナトリウムの摂取量により4つに分けており、1が最も少なく、4が最も多い群です。

そうすると、AとBではナトリウムの摂取量が多いほど認知機能のテストの成績が良いことがわかります。Cのテストは1と4の群で違いは認められませんでした。

Trails Bというテストの結果を80歳という年齢で分けてみると、80歳未満ではそれほどナトリウム摂取量と認知機能の関連は認められませんが、80歳以上になると明らかにナトリウムを多く摂るほど成績が良くなることがわかります。

塩分制限は高齢者には有害なのです。

塩分制限は血圧にもあまり関連していないし、極端な塩分制限は心血管イベントをかなり増加させる、加えて塩分制限は認知機能の低下の危険まであるのであれば、もう塩分制限は必要ないのではないでしょうか?

塩分控えめが本当に健康的ですか?

コレステロールで騙され、糖質で騙され、塩分で騙され…自分で考え、自分で判断を。

「Association between Dietary Sodium Intake and Cognitive Function in Older Adults」

「高齢者における食事によるナトリウム摂取と認知機能との関連」(原文はここ

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