LDLコレステロールは本当に動脈の血管内腔から血管内皮を通って、アテローム性動脈硬化を起こすのか? その12 血管のアテロームの中のコレステロール結晶は刃物の様だ!

以前の記事「LDLコレステロールは本当に動脈の血管内腔から血管内皮を通って、アテローム性動脈硬化を起こすのか? その9 別のコレステロールの運び屋」で書いたように、早期のアテロームを分析すると、遊離コレステロールというコレステロールの含量が著しく高く、コレステロール全体の平均で63%であるそうです。

遊離コレステロールが高くなると、コレステロールは結晶化しやすくなります。

そのコレステロール結晶というのはどのような形ものなのでしょうか?下の写真を見てください。(写真は原文より)

まるで尖った刃物の様です。見た感じ危険極まりないですね。

実際に剖検所見では、急性心筋梗塞で死亡した患者のみが、コレステロール結晶が動脈の内膜表面およびプラークの線維性キャップを穿孔しており、心筋梗塞以外の原因で死亡した患者では、コレステロール結晶はプラークを穿孔しませんでした。

コレステロール結晶は本当に刃物の様に、血管の内膜などを傷付け、穿孔を起こし、プラークの破裂を起こしているのかもしれません。

また、コレステロール結晶は炎症を活性化させるようです。

HDLがしっかりと機能していれば、コレステロールは適切に運び出されるはずですが、HDLが機能不全に陥るとコレステロール結晶が増加して、プラークが発達し破裂の危険が増すのかもしれません。

コレステロールエステル加水分解酵素により、エステル化コレステロールは遊離コレステロールに変換されます。アシルコエンザイムAコレステロールアシルトランスフェラーゼ1により逆に遊離コレステロールはエステル化コレステロールに変換されるようです。その平衡が崩れ、遊離コレステロールが増加するとコレステロール結晶ができていきます。酵素の平衡だけが問題ではなく、恐らくこれまで書いてきた赤血球がもたらすコレステロールは遊離コレステロールであることに注目する必要があるでしょう。

しかし、一番重要なのはやはりHDLの役割かもしれません。ちゃんとHDLが仕事をすれば問題ありません。HDLが減少したり、機能不全をもたらす状態を作り出すことが最も危険だと思います。

以前の記事「HDLの糖化は機能障害を起こす」で書いたように、糖質過剰摂取、血糖値上昇による糖化はHDLを減少させ、機能不全を招くと考えられます。まずは糖質制限ですね。

「Cholesterol crystal induced arterial inflammation and destabilization of atherosclerotic plaque」

「コレステロール結晶により誘発された動脈の炎症およびアテローム硬化性プラークの不安定化」(原文はここ