日本人がまたもノーベル賞 でも、どうしても疑ってしまう

2018年のノーベル賞の医学生理学賞に日本の本庶佑先生が選ばれました。非常に素晴らしいことです。免疫細胞のPD-1というたんぱく質を発見した功績です。この発見によりがん免疫治療薬「オプジーボ」が開発されました。とても素晴らしいのですが、ひねくれものの私はどうしてもそのまま受け取ることができません。

果たして、純粋に本庶佑先生の発見が選ばれたのでしょうか?近年、「Big Pharma」が巨額な資金を使って様々なことを行ってきています。薬剤の研究に自社の人間を送り込んで、データを改ざん、ねつ造して、ねじ曲がった医学論文を発表しています。宣伝マンの著名な医師を使って、自社の薬剤を使うように布教しています。

「オプジーボ」を作っているのは小野薬品です。小野薬品を「Big Pharma」とは言えないかもしれませんが、オプジーボの発売によって何倍にも利益が膨らんだと思われます。そして、これを機に「Big Pharma」の仲間入りを目論んだとしても不思議ではありません。

オートファジーやiPS細胞の発見とは違い、今回の受賞には何かお金の匂いがして仕方ないのは私だけでしょうか?

世の中の様々な順位付けやショーレースでは裏でお金や権力などが動くことは珍しくはないでしょう。ノーベル賞とは全く格が違いますが、日本のレコード大賞に選考の裏でお金が動いていたことが話題になりました。ボクシングでは「奈良判定」というのもありました。恐らく映画のアカデミー賞でも裏側は非常に不透明でしょう。

ノーベル賞だけは清廉潔白だと言えるのでしょうか?最近ではノーベル文学賞で、アカデミー会員の女流詩人の夫、ジャン・クロード・アルノー氏の性的スキャンダルが明るみに出ました。週刊文春の記事が本当だとすると、「そのアルノー氏は過去20年にわたり会員や会員の妻や娘ら計18人に性的暴行を加えていたことを被害女性に告発された。暴行はノーベル賞晩餐会の夜にも行われ、性行為を拒否した女性を「干してやる」と脅していたともいう。さらに同氏はアカデミーから管理を委託されたパリの高級住宅を私物化。ボブ・ディラン氏ら7人のノーベル文学賞受賞者名を発表前に漏らしていた疑惑まで浮上した。」(記事はここ

このアルノー氏には禁錮2年の有罪判決が出ました。(関連記事はここ

果たして、欲や金にまみれたのは文学賞だけでしょうか?選考過程が全く見えないだけに、どうしてもすっきりしません。

「コクラン」という様々な医療に関するエビデンスを集めて、要約して情報提供をしている機関があります。営利目的や利益相反のある資金の提供を受けていない、という前提で、治療法に関する最良の証拠を集めることを目的としていました。多くの製薬会社が資金提供しているような作り上げた研究を排除したり、権威やお金に振り回されないエビデンスを提供してきました。しかし、最近この「コクラン」でさえ不穏な動きがあり、メンバーの一部がクビになっています。クビになったメンバーはコクランの最近の研究をバイアスの影響を受けていたと批判していました。つまり、コクランにも製薬会社の魔の手が伸びたのです。(関連した論文はここ

今回のノーベル賞を機に、「オプジーボ」を使いたいと思うがん患者さんは非常に増える可能性があります。さらに現在、オプジーボの適応となるがんの種類を増やそうと臨床試験が行われております。発売当初は年間3000万以上していた価格も、かなり低下したとはいえ、まだまだ非常に高額な治療です。どんどん、多くのがんに使えるようになった時に誰がそのお金を払うのでしょうか?医療費はこれまでも毎年増え続け、医療保険は破綻寸前です。オプジーボがどんどん使われたら医療費の抑制など全くできないばかりか、すぐに破綻するでしょう。オプジーボの価格をもっと大幅に下げるか、適応を厳しくするか、自費での治療にするかしなければ、日本の医療保険は持たないでしょう。日本のマスコミもバカ騒ぎするだけでなく、現実問題これから医療費の問題をどうするのかをもっと取り上げてほしいものです。また、ノーベル賞も治療に目を向けるのではなく、予防に目を向けた選考をすると、もっと病気の予防が広がるのではないかと思います。

小野薬品はホクホク顔でしょう。株価も急騰しているようです。(記事はここ

ノーベル賞ということで、様々なマスコミが大騒ぎです。ものすごい宣伝効果です。適応となるがんの種類も増え、売り上げはものすごいことになると思われます。小野薬品が何としてもノーベル賞を取りたいと思うのは当然でしょう。

本庶佑先生の発見は本当に素晴らしいことです。本庶佑先生は記者会見で、自分が心がけていること、モットーについて聞かれ、
「私自身は、研究に関して、何か知りたいという好奇心がある。もう1つは、簡単に信じない。それから、よくマスコミの人は、ネイチャー、サイエンスに出ているからどうだ、という話をするが、僕はいつもネイチャー、サイエンスに出ているものの9割はうそで、10年たったら、残って1割だと思っています。まず、論文とか、書いてあることを信じない。自分の目で、確信ができるまでやる。それが僕のサイエンスに対する基本的なやり方。つまり、自分の頭で考えて、納得できるまでやると言うことです」

研究者を目指す子どもに思ってほしいことは?の質問には、
「研究者になるということにおいていちばん重要なのは、何か知りたいと思うこと、不思議だなと思う心を大切にすること。教科書に書いてあることを信じない。常に疑いを持って、本当はどうなってるんだ、という心を大切にする。つまり、自分の目でものを見る。そして納得する。そういう若い小中学生にぜひ、研究の道を志してほしい思います」

と答えています。

論文に書いてあることも、教科書もまずは疑ってみるべきです。医師の言っていることもまずは疑ってみるべきです。そして、ノーベル賞という権威のある賞の選考基準も疑ってみるべきです。権威のある人の言葉、国家が発する情報など鵜呑みにすることは注意が必要だと思います。みなさんもn=1かもしれませんが、自分で確かめるという姿勢が必要だと思います。

今回の日本人の受賞がスキャンダルではないことを願いたいと思います。この記事はもちろん本庶佑先生の偉業を批判するものではありません。

ひねくれたドクターのひとりごとでした。

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