サッカーのキリンカップがあり、「アモーレ」で一躍注目を浴びている、日本代表の長友選手ですが「やべっちFC」で「アモーレ」以上に注目すべき発言をしていました。長友選手は一時期ケガなどで不調でクビ寸前でしたが、その時食事を変えたそうです。それによって90分走れる体になり、内臓脂肪は一気に低下、脳も変わり、集中力も増したと言っています。そのベースとなるのが「ケトン体」です。実は皆さんの体の中でもケトン体はできています。一番多いのは夜寝ているときでしょう。通常の食事をすると血糖値が上昇しますが、3時間ほどで落ち着きます。その後は脂肪酸とケトン体が主たるエネルギーとなります。未だに「糖質(ブドウ糖)だけが人間のエネルギーだ」とか「脳はブドウ糖しかエネルギーにできない」とか「ケトン体は危険だ」とか発言している方がいらっしゃいますが、50年以上知識が古いですね。糖質ではなく「脂肪酸ーケトン体」がエネルギーの主役なんです。もし、そうでなければ、先日の「置き去り小学2年生」が6日間も水だけで生きられるはずがありませんよね。しかし、現代の食事は糖質まみれになっているので、糖質をエネルギーにして活動する時間も長くはなっているでしょう。糖質はずっと持続したエネルギー源とはなってくれないので、非常に不安定なエネルギーです。その点、ケトン体は体内の脂肪から作られますから、豊富に存在し、安定供給されます。特にサッカーのような持久力が必要なスポーツでは、長友選手が言っていたように「ケトン体回路」にして、ケトン体をエネルギーにしたほうが効率も燃費も良いわけです。
テレビで紹介された長友選手の食事内容を見てみましょう。
朝食のところだけに赤枠がありますが、昼食、夕食も注目してください。いわゆる「主食」は存在していません。米やパン、イタリアなのでパスタやピザ、どれもありません。糖質となるのはスムージーの中の果物と、野菜中の糖質、チョコレートの糖質のみです。これはかなりの糖質制限食かもしれません。1回の分量がわからないので何とも言えませんが、朝食以外は完全に糖質制限食でしょう。さすが、世界で戦うアスリートですね。このような食事で厳しいサッカーの試合を1年通して戦っているんですから、「運動には糖質は欠かせない」と言っている人たちはどのように説明するんでしょうかね?ジョコビッチ選手、井岡選手などスポーツの世界はこれから糖質を制限するような方向になるでしょう。糖質をどのように摂るか、またはどのように減らしていくかが重要になってくるでしょうね。
ケトン体は何もアスリートだけに重要なものではありません。糖質まみれの食生活により細胞が老化し、炎症をまねき、様々な病気を引き起こします。がん細胞はブドウ糖をエサにして増殖していきます。がん細胞はケトン体を使えません。また、アルツハイマー型認知症やパーキンソン病などの中枢神経の病気にもケトン体が有効であるという研究結果が出ています。大腸がんや乳がんの再発率は糖質摂取量が多いほど再発率が高いという論文もあります。よく「食事の欧米化」により大腸がんや乳がんが増加しているということが言われますが、この「欧米化」の中身は肉や脂肪の摂取量の増加が悪者ではなく、小麦を代表とした「糖質」と精製された「砂糖」、安価な「異性化糖」が悪の根源だと思います。あまりにも今の食生活はケトン体を出しにくい状況です。乳がん患者がこの10年で2倍に増えた原因は食生活以外で何が考えられますか?
「美味しい!」と思わされているだけで、体は悲鳴を上げているかもしれません。
もし、自分ががんになったら、ケトン食を実施しようと思っています。