薬の併用は新たな病気を作り出すかもしれない

薬は安全なものではありません。医療自体リスクアンドベネフィットで、リスクと利益を天秤にかけ、利益の方が上回ると考えられる場合に医療行為が行われることになっています。医療行為の中で薬を処方することは日常的なことです。しかし、薬の処方が本当にリスクと利益を考え、利益が上回ると判断されて行われているか、というと非常に疑問です。

それは、現在単剤だけを内服している人は非常に少なく、多剤を併用している人がほとんどだからです。今回の著書、「糖質過剰」症候群で書いたように、様々な薬の併用によってどのような副作用が起こるのかはほとんど誰もわかりません。医師であっても薬剤師であっても知らないのです。知らないのでリスクが高いのか利益が高いのか判断もできません。

いくつかの併用薬による副作用は報告があります。例えば、LDLコレステロール値下げるスタチンの中のプラバスタチン(メバロチン)と抗うつ薬であるSSRIのパロキセチン(パキシル)の併用です。

プラバスタチンの添付文書には、併用注意の薬にパロキセチンは含まれていません。反対にパロキセチンの添付文書にも併用注意の薬にプラバスタチンは含まれていません。この2つの薬を併用するとどうなるでしょう?(図は原文より)

上の図は3つの別の施設の結果です。薄い○がパロキセチンのみを飲んでいる人、◇がプラバスタチンのみを飲んでいる人、△が2つを併用している人です。横軸の左側がベースライン(治療前)、右側が薬を内服した治療後です。縦軸は血糖値です。

そうすると、プラバスタチンのみ、パロキセチンのみの人は薬を飲む前後で血糖値の変動はありません。しかし、併用した場合、血糖値が上昇しています。それぞれ、23mg/dl、26mg/dl、17mg/dlの上昇です。

上の図は3つの施設を合わせたものです。左の図は糖尿病の人を除外したもので、血糖値の上昇の平均は18.5mg/dlでした。右は糖尿病の人を含めたもので、48mg/dlと大きな上昇になりました。

以前の記事「スタチンの使用は、はっきりとした糖尿病発症のリスク増加がある!」で書いたように、スタチンでは糖尿病の新規発症のリスクを高めます。もしかしたら、このような薬の併用が影響している可能性もあります。糖尿病ではない人が20ぐらい血糖値が上がってしまったら、糖尿病と判断される人も出てくるかもしれません。また、すでに糖尿病の人であれば50近く血糖値が上がってしまったら薬を増量される可能性も高くなります。

このような影響にも関らず、お互いの薬は併用注意にもなっていません。このような併用による有害性は恐らく無限に存在するでしょう。そして、その症状は薬による副作用とはみなされず、新たな病気として治療されてしまうことも少なくないでしょう。なぜなら、医師も薬の併用によってどのような問題が起きるか知らないのですから、単に病気が発症したと思っても不思議ではないのです。

病気を治そうとして、新たな病気を獲得してしまうのであれば、治療しない方がましかもしれません。なぜ、病気が起きているのかをよく考えなければなりません。ほとんどの病気は糖質過剰摂取による糖質過剰症候群です。

まずは糖質制限をはじめてみましょう。

「Detecting Drug Interactions From Adverse-Event Reports: Interaction Between Paroxetine and Pravastatin Increases Blood Glucose Levels」

「有害事象報告からの薬物相互作用の検出:パロキセチンとプラバスタチンの間の相互作用は血糖値を増加させる」(原文はここ