2009年にいわゆる新型インフルエンザが流行しました。政府は、「新型インフルエンザ等対策特別措置法」に基づき、国民の45%に相当する5650万人分の抗インフルエンザ薬を備蓄目標量に設定しています。この薬の購入費だけでも約800億円かかっているそうです。
しかし、使用期限が過ぎてしまえば廃棄されます。タミフルだけでもすでに500億円分以上が廃棄されているようです。
当然税金です。儲かったのは製薬会社だけです。使いもしない薬を大量の売り付けることができたのですから。
「インフルエンザA(H1N1)pdm09型のパンデミックから10年。もし再び日本で新型インフルエンザによるパンデミックが起こると、全人口の最大25%の約3200万人が感染し、最大で65万人が死亡するという推計もある。」
としていますが、この推計誰がどのように分析して、計算したかはよくわかりません。しかも感染が25%も本当に起きるのでしょうか?本当に65万人も死ぬのでしょうか?実際に2009年の日本での死亡者数は約200人でした。(「もう一度新型インフルエンザの年を振り返ることにより見えてくるもの」参照)65万人とは相当かけ離れた数字です。
その2009年の新型インフルエンザのパンデミックについて、WHOに助言している専門家の一部は、抗インフルエンザ薬やインフルエンザワクチンを製造している製薬会社と明確に経済的な関係を持っていることがわかっています。(この論文参照)
実際に再び新型のインフルエンザが流行したとして、現在の抗インフルエンザ薬が効果が本当にあるのかどうかはわかりません。そして、出所の怪しい推計で巨額の薬を備蓄する意味があるのでしょうか?
もし備蓄していたとしても、使用期限が迫ってきた薬については一般の病院に回し、使用すればいいのではないでしょうか?医療保険が危機的な状況でもあるので、ディスカウントして病院に回せば良いのです。税金で買ったものをただ捨てるだけというのはあまりにもおかしいです。
製薬会社を儲けさせるシステムとしか思えません。恐らくこのような大量の抗インフルエンザ薬の備蓄をしているのは日本ぐらいなものでしょう。なんせ日本はタミフルの世界全体の消費量の約75%を担っているのですから。(図は原文より)
ちょっと古いですが、上の図は上のグラフが1999年から2006〜2007年シーズンまでの日本、アメリカ、およびその他の地域(ROW)におけるタミフル処方の総数で、下は小児用の処方数です。2位のアメリカの約20%を大きく引き離しています。日本とアメリカで約95%ですよ!
今年のインフルエンザには昨年発売された「ゾフルーザ」に耐性のウイルスが多いと騒いでいますが、そもそも発売当初から(治験の段階から)12歳未満では23%に耐性ウイルスが出るとが言われていた薬です。(「日本人は新しい薬がお好き?」参照)その通りの耐性ウイルスが出ただけの話です。インフルエンザウイルスに感染し、ゾフルーザを使い、耐性ウイルスだったから症状が長引くなんてバカみたいな話です。何でもかんでも薬大国日本は問題だらけです。
インフルエンザ2018/2019シーズンに、異常行動が発現した件数は72件で、4人が飛び降りたりして死亡しています。(ここ参照)薬別では、ゾフルーザが25件、タミフル12件、イナビル12件、リレンザ7件です。10歳が最も多く11人です。15歳以上も7人いました。最高で18歳です。15歳以上の体の大きな子が異常行動を起こし飛び降りようとした場合、親が抑えられるでしょうか?7割が男性です。35%はワクチンを接種していました。
上の図は服用薬の組み合わせです。もちろん、薬を使っていない人も10人いました。しかし、圧倒的に薬使用者が多く、アセトアミノフェンの使用との関連はないように見えます。薬が異常行動を起こすとは言い切れませんが、十分にご注意を払ってください。
話は戻りますが、本当に抗インフルエンザ薬の備蓄は必要なのでしょうか?備蓄したとして何千万人分も必要なのでしょうか?国は国民の健康を考えていると見せかけて、本当は別の方を向いています。税金も好きなように使って、罪悪感も感じないのでしょう。
「Surveillance for neuraminidase-inhibitor-resistant influenza viruses in Japan, 1996-2007」
「1996〜2007年の日本におけるノイラミニダーゼ阻害剤耐性インフルエンザウイルスの調査」(原文はここ)
「捨てられ続ける抗インフルエンザ薬の備蓄薬」(記事はここ)
なかなかおもしろそうな記事がありました
脂肪を大量に取り炭水化物を避ける「ケトン食」がインフルエンザに対する免疫力を上げる
https://gigazine.net/news/20191129-ketogenic-diet-influenza-virus-infection/
貧乏知識さん、コメントありがとうございます。
この記事は他のサイトで読みました。非常に興味深いのですが、
所詮はネズミさんですからね。ネズミさん本来の食性とは違う食事を与えても・・・どうでしょうかね?
インフルエンザ予防接種は感染予防には効果無しと、厚生労働省を始めとして認めているにもかかわらず、「予防接種はしません」だと周りには多少変人扱いされてしまいます。
特に高齢の看護婦さんにそんな話をしようものなら、大変なことになります。
お昼にウドンやカレーライスを食べて、10時と3時のおやつにスウィーツをほおばっるほうがどうかと思うのですが、、、
鈴木武彦さん、コメントありがとうございます。
>「予防接種はしません」だと周りには多少変人扱いされてしまいます
病院によってはインフルエンザのワクチンをしないことは医療従事者としてのモラルがない、というようなことを言うところもあるでしょう。
都合の良いように「モラル」という言葉が使われ、困惑しますが、私から見れば病院に糖質たっぷりの商品があふれていることの方が
余程モラルがないと思ってしまいます。
インフルエンザワクチンは接種したのに感染しても、「ワクチン打ったのにね?」程度で終わりますが、接種していない人が感染するとものすごい非難されたり、
冷たい視線を向けられるのでしょうね。
こんばんは。初めて書き込みします。
今週日曜日(24日)のNHKの日曜スペシャル?と云う番組(TOKIOが案内役でした)で糖質制限は半年一年はいいけれど、それ以上は弊害があるとか砂糖とデンプンは区別し、米のデンプンには人体に必要な栄養素があるというような、米の宣伝を兼ねているのではないかと思える番組でした。また、新しい発見として人類はかなり昔から糖質を摂っていたとも言っていました。
私自身は糖質制限を始めて2ヶ月になりますが始めて10日後の検診でA1Cがずっと7.0だったのが6.6へと改善し医者から何をやったのかと聞かれ、食事を制限したと答えました。きっとカロリーだと思われたのでしょう。体重もあと一キロで標準です。
きっと家族で糖質制限をしたのが良かったのでしょう。しかし家内だけ体重が思うように落ちず、へこんでおります。先生の著書も読んでおり、目から鱗状態です。ブログも楽しみにしております。
たかますさん、コメントありがとうございます。
拙著のご購入ありがとうございます。また、検診の結果の大きな改善良かったですね。
NHKのこの番組は見ておりませんが、糖質制限反対派の人たちの番組だったんでしょうね。反対派はかなり必死なんでしょう。
ただ、もちろん人類がデンプンとして糖質を摂っていたことは、かなり昔であったとは思います。その前の時代でも果物から糖質は摂っていましたし。
しかし、その分量たるや非常にわずかなものだったと思います。ごぼうよりももっと細く、短い植物の塊根類だと推測されます。
そして、その時代ははっきりとわかっていません。火を使いだした時代はまだ議論中であるはずですし。
糖質を摂っていたか、どうかではなく、どれだけ摂っていたかでしょう。
自分たちで穀物を作るようになったのは最近の話ですから、それまでは本当にわずかな量の糖質だったと推測できます。