新型コロナウイルスの治療薬として期待されていたアビガンについて、国内での臨床研究は、藤田医科大学など複数の施設に入院している患者で実施されていますが、中間段階で有効性が示せなかったようです。(この記事参照)しかし、藤田医科大は「中間解析は、研究の対象となっている介入の有効性を判定することを主目的として行われたものではない」と言っています。どちらにしても詳細なデータを示してほしいですね。国民はマスコミを通じて有名人がアビガンを飲んで改善し、アビガンが効果があるとさんざん聞かされ、一部の人は信じています。なかなかデータが出てこない日本ですが、早くデータを出してほしいですね。まだ40人分の解析だそうです。遅いし、少ない。ロシアではアビガンが有効だというデータが出ているようです。(この記事参照)なんでロシアの方が先にデータを出せるのでしょうか?(ただし、ロシアの詳細もよくわかりませんが。日本の感染者があまりにも少ないからでしょうかね?)
藤田医科大の臨床研究をしている教授でさえ「5月中の承認は根拠に欠けており時期尚早の可能性がある」と言っていますが(→「特定臨床研究は進行中であり、結果はしばらく先まで出ない。他にも企業治験などが行われており、色々な研究から有効性、安全性に関する情報を捉えるのだろう」との内容の回答をしたようです。また「当初の計画期間内(8月31日まで)には終わる予定であり、それより早く終わるように努力している」とも述べています。ここより)、菅官房長官は「5月中の承認を目指す考えに変わりはない」と言っています。(この記事参照)これだけ感染者が減っているのに、なぜそこまで急ぐのでしょう?(そもそも5月承認は無理な計画では?)
いずれにしても今後の他の臨床研究に注目ですね。
臨床試験も終わっておらず、有効性があるのかどうかわからない4月には国がアビガンの増産体制に入っています。(この記事参照)なんと200万人分です。怪し~!またも安部さんのお友達企業に対する疑惑でしょうか?(この記事参照)
そんな、アビガンの臨床研究の先頭にいる藤田医科大学から、新型コロナウイルスにBCGワクチンが大きく関連しているという、非常に詳細な論文(プレプリント)が出されたのは非常に興味深いですね。現在のところ最も詳細な分析でしょう。私があれこれ言っても追いつきませんので、ここを読んでみてください。(論文はここ)
私がBCG仮説を取り上げたのが3月26日です。(「BCGワクチンが新型コロナウイルスから日本人を守っている?」参照)その後、BCG仮説で非常に有名になった「Jun Sato」さんの記事を見つけ、この仮説が正しいのではと思って、様々な記事を書きました。そして、ここまで世界中で仮説が検証されるようになって少し驚いています。しかし、確かだと思っています。少なくとも、ゼロではありませんが行動制限が死者数を42万人(最初からモデルがおかしいですが)から700~800人に抑え込んだのではありません。最も大きな要因は現在のところBCGでしょう。
専門家会議の尾身先生は「BCGが有効だというエビデンスはない」と言っていましたが、その後で、欧米と比べて日本では重症者や死亡者が急激に増加していない理由について、「医療体制や初期段階でのクラスター対策、国民の健康意識の高さ」と言っています。こんな素人みたいな理由を述べる人が専門家であり、このような方たちが日本の方向性を左右していると思うと暗澹たる気持ちになります。こんなよくわからない理由よりもよほどBCGの方がエビデンスがあります。政府も専門家会議も新型コロナの総括で、きっと「みなさんの行動自粛により死者数を抑え込めた」とウソを言うと思いますので、気を付けてください。
さて、アメリカの大手総合情報サービス会社、ブルームバーグは毎年ブルームバーググローバルヘルスインデックスという、健康に関する要因(健康上のリスク(喫煙、高血圧、肥満など)、きれいな水の可用性、平均寿命、栄養、死因など)を調べて、毎年世界で最も健康な国をランク付けしています。2019年のランキングを見てみましょう。そして、2020年5月20日現在の新型コロナウイルスの死亡率と比べてみましょう。(表はここより改変、ここも参照)
国 | 健康グレード | 新型コロナウイルス100万人当たりの死亡率 |
---|---|---|
スペイン | 92.75 | 594 |
イタリア | 91.59 | 532 |
アイスランド | 91.44 | 29 |
日本 | 91.38 | 6 |
スイス | 90.93 | 219 |
スウェーデン | 90.24 | 371 |
オーストラリア | 89.75 | 4 |
シンガポール | 89.29 | 4 |
ノルウェー | 89.09 | 43 |
イスラエル | 88.15 | 32 |
ルクセンブルク | 87.39 | 174 |
フランス | 86.94 | 429 |
オーストリア | 86.3 | 70 |
フィンランド | 85.89 | 54 |
オランダ | 85.86 | 334 |
カナダ | 85.7 | 157 |
韓国 | 85.41 | 5 |
ニュージーランド | 85.06 | 4 |
イギリス | 84.28 | 521 |
アイルランド | 84.06 | 317 |
キプロス | 83.58 | 14 |
ポルトガル | 83.1 | 122 |
ドイツ | 83.06 | 98 |
スロベニア | 82.72 | 50 |
デンマーク | 82.69 | 95 |
ギリシャ | 82.29 | 16 |
マルタ | 81.7 | 14 |
ベルギー | 80.46 | 786 |
チェコ | 77.59 | 28 |
キューバ | 74.66 | 7 |
クロアチア | 73.36 | 23 |
エストニア | 73.32 | 48 |
コスタリカ | 73.21 | 2 |
チリ | 73.21 | 27 |
アメリカ | 73.02 | 283 |
バーレーン | 72.31 | 7 |
カタール | 71.97 | 5 |
モルディブ | 70.95 | 7 |
レバノン | 70.53 | 4 |
ポーランド | 70.25 | 25 |
モンテネグロ | 69.69 | 14 |
ボスニア・ヘルツェゴビナ | 69.66 | 41 |
アルバニア | 68.04 | 11 |
ブルネイ | 67.96 | 2 |
スロバキア | 67.28 | 5 |
アラブ首長国連邦 | 67.14 | 23 |
ウルグアイ | 65.66 | 6 |
ハンガリー | 64.43 | 48 |
オマーン | 64.07 | 5 |
パナマ | 64.01 | 65 |
トルコ | 62.81 | 50 |
中国 | 62.52 | 3 |
メキシコ | 62.09 | 44 |
アルゼンチン | 61.19 | 9 |
セルビア | 60.99 | 27 |
スペインが堂々の1位です。恐らく、スペインの食生活は、健康的だと考えられている地中海食であり、それが1位の大きな要因でしょう。しかし、新型コロナウイルスの前ではスペインもイタリアも地中海食で有名な国は、その「健康的な」食事は無意味でした。
皮肉なことに、この健康ランキングで下位の国の方が死亡率が低い国が多いのです。最新ランキングではどうなるのでしょうか?今後はBCGを考慮するのでしょうか?このような適当なランキングなんて全く役に立たないですね。
今回の新型コロナウイルスによる重症化は、高血圧、糖尿病、心血管疾患、肥満などが大きく関連しています。そうだとすると、この健康ランキングの上位で新型コロナウイルスの死亡率が高い国はこのような基礎疾患が実は多いのではないか?と思われます。このランキングは何か恣意的に順位付けされたものかもしれませんね。
健康という言葉は非常に難しいですね。感染には非常に弱く、感染で死亡してしまっては健康と言えるのでしょうか?人類の健康を左右するのは狩猟採取時代では食料の確保と感染でした。感染に対する免疫力があるかどうかで生きるか死ぬかが決まっていたと思われます。それは現代でも同じです。せっかくBCGで免疫力をブーストしたのですから、糖質過剰摂取でわざわざ免疫力を下げるのはもったいないでしょう。
今回の新型コロナについて地中海食推しの人はどう思うのでしょうか?でも、そう考えると日本は死亡者が少ないので和食推しの人が、和食は健康に良いと言い出してしまうかも…
糖質制限食のデータがどこかの国から出てくると良いのですが…
インターネットで筋トレや有酸素運動の記事があると、新しい情報はないか?と見てみるのですが、トレーナーと称する方の
「糖質制限すると、筋肉が落ちる、ブドウ糖が脳に供給されずフラフラになる」
発言がいまだに存在し、脱力します。
*糖質を摂りながら筋トレすると、確かに体は大きくなるようですが、
それはただ「太っている」だけで、以前の先生のブログにあったように、
体(筋肉)の肥大=筋力アップではない、と思うのですが、、、
鈴木 武彦さん、コメントありがとうございます。
変わらない人はいつまでも変わりません。
議論する気にもなれませんね。