潰瘍性大腸炎と糖質制限

日本の総理大臣は潰瘍性大腸炎を理由に退陣しました。これで様々な問題もうやむやになってしまうでしょう。問題があったことも時間がたてば国民は忘れてしまいます。

ところで、潰瘍性大腸炎は糖質過剰摂取と関係があるのでしょうか?先進国では、過去50〜60年間で、クローン病の有病率が5〜10倍に増加し、潰瘍性大腸炎の有病率が2〜10倍に増加しました。

いくつもの研究で、特定の炭水化物食というものがクローン病や潰瘍性大腸炎の改善、寛解をもたらすと報告しています。(例えばこの論文

特定の炭水化物食というのは次のような食事です。(ここ参照)

・食べてOKの食材

すべての果物、ほとんどのでんぷん質ではない野菜、ナッツとナッツの粉、ほとんどの種子、未加工の肉と魚、ほとんどの乾燥豆、卵、熟成チーズ、乾燥カッテージチーズ、バターと油(ココナッツ、ヒマワリ、オリーブ)、自家製24時間発酵ヨーグルト、はちみつ、無味ゼラチン

・食べてはいけない食材

すべての穀物、ジャガイモ、トウモロコシ、牛乳および乳製品、ソフトチーズ、缶詰の豆、亜麻・チア・麻の種子、すべての砂糖(蜂蜜を除く)、あらゆる種類の保存料、人工甘味料

つまり、ほとんど糖質制限で達成される食事です。

今回の研究では、この特定の炭水化物食が著明に炎症性腸疾患の症状を改善させたことを示しています。平均年齢は34.9歳で、70%は女性でした。47%がクローン病、43%が潰瘍性大腸炎、10%が不確定な大腸炎でした。(図は原文より)

上の図の凡例は左上から、腹痛、下痢、血便、活動制限、夜間便、体重減少です。どの症状も特定の炭水化物食を始めてから著明に減少しています。

4%はこの食事を始める前に寛解しましたが、33%は開始後2か月で寛解、42%は6か月と12か月の両方で寛解を報告しました。臨床的寛解を報告した人では、寛解を達成するまでの期間は13%が2週間未満、17%が2週間から1か月、36%が1〜3か月、34%が3か月以上かかったと報告しました。寛解に達したと報告した人の47%が異常な検査値の改善を報告しました。

糖尿病は、潰瘍性大腸炎患者の最も頻繁な併存疾患の1つです。ある研究では潰瘍性大腸炎の人の糖尿病の有病率は2.7倍も高いと報告しています。(ここ参照)

また肥満や非アルコール性脂肪肝との関連も言われています。

もうこれは潰瘍性大腸炎も糖質過剰症候群の可能性が非常に高いでしょう。

腸は食物という異物をいつも処理しています。そして多様な腸内細菌がそこで大きな役割を果たしています。進化の過程で全く摂取してこなかった、またはほとんど摂取してこなかった食材が腸内細菌叢に影響を与える可能性は非常に高く、その細菌叢の異常が腸に大きな損傷をもたらしていると考えられます。

できる限り自然な、人間として進化の過程で摂取してきた食品を摂取すべきでしょう。まずは糖質制限でしょう。

「Patients Perceive Clinical Benefit with the Specific Carbohydrate Diet for Inflammatory Bowel Disease」

「患者は炎症性腸疾患のための特定の炭水化物ダイエットで臨床的利益を認識する」(原文はここ

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