マグネシウムはLDLコレステロールを低下させるかもしれない

以前の記事「食習慣とLDLコレステロール」で書いたように、LDLコレステロール値に影響を与える栄養素はコレステロールそのものとは限りません。

糖質、飽和脂肪酸、DHAなどのほかにマグネシウムもLDLコレステロール値に関連があると考えられています。

2型糖尿病でのマグネシウムのサプリメントの影響のメタアナリシスを見てみましょう。

マグネシウムにより空腹時血糖値は4.641mg/dL低下し、HDLコレステロールは3.197mg/dL増加し、LDLコレステロールは10.668mg/dL低下し、中性脂肪は15.323mg/dL低下しました。

マグネシウムがLDLコレステロールを低下させるメカニズムは、スタチンと同じような機序が働いているのかもしれません。コレステロールの合成にはHMG-CoAレダクターゼという酵素が必要です。スタチンはこのHMG-CoAレダクターゼを阻害するのですが、HMG-CoAレダクターゼを不活性化する酵素はマグネシウムを必要とするそうです。つまり、マグネシウムが不足する状態だと、コレステロールを合成する酵素が活性化し続ける可能性があるのです。

またマグネシウムはHDLコレステロールを上昇させるレシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ(LCAT)の活性にも必要です。

このように、マグネシウムは脂質代謝にも大きな影響があるようです。

LDLコレステロールを低下させることが、良いことだとは思っていません。様々なものがLDLコレステロール値に影響を与えています。LDLコレステロール値の数値ではなく、質が重要だと思います。

しかし、糖質制限でLDLコレステロールが上昇し不安になっている人もいると思います。マグネシウムの摂取量を今よりも増やすと、もしかしたらLDLコレステロールは低下するかもしれません。

「Effect of magnesium supplementation on type 2 diabetes associated cardiovascular risk factors: a systematic review and meta‐analysis」

「2型糖尿病に関連する心血管危険因子に対するマグネシウム補給の効果:系統的レビューとメタアナリシス」(原文はここ

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメント

  1. 西村 典彦 より:

    >マグネシウムが不足する状態だと、コレステロールを合成する酵素が活性化し続ける可能性があるのです。

    ここを読んでふと気になりました。
    糖質制限で、こむら返りが頻発する方がいます(私もそうです)が、これはマグネシウム不足が原因であることが多いと思います。
    そして、糖質制限でLDL-Cが上昇する人がいます。私もLDL-Cは高めです。
    この2つはどちらもマグネシウム不足が原因の一つではないかと短絡的ではありますが、非常に気になります。

    • Dr.Shimizu より:

      西村 典彦さん、コメントありがとうございます。

      私も同様のことを考えています。糖質制限では思った以上にマグネシウムが尿中に排泄されるのかもしれません。
      ただ、LDLが上昇する人では100以上も上昇することが珍しくないので、別の因子も関連していると思っています。
      糖質制限をして、LDLが上昇した後、マグネシウムを増加させてどうなるか試してみたいですね。

  2. 鈴木 武彦 より:

    NHKの記事に、今回のコロナウィルス騒動の影響で、医療機関の受診を控えた人達の内7割が、特に体調悪化なかった、とのことでした。
    3割の方々は不具合があった、とも言えますが、やはり無駄な受診が多かったのではないかと勘ぐってしまいます。
    例えばコレステロールに関しても、数値で処方の判断が大勢でしょうし、、、

    • Dr.Shimizu より:

      鈴木 武彦さん、コメントありがとうございます。

      コレステロールに関しては完全に過剰な受診であったと思います。
      それにしても、新型コロナのワクチンが90%の予防効果あり、との中間報告にはビックリでした。
      株価操作でしょうか?最終結果が出ていないうちにこんな発表することが許されるのでしょうか?